【第7戦】

2012年8月24日

ALMS Rd.07 ロードアメリカ・ロードレース・ショーケース

■ALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)第7戦ロードアメリカ・ロードレース・ショーケース

■2012年8月16〜18日

■ロードアメリカ(ウィスコンシン州エルカートレイク):全長6.515km

■決勝レース時間:4時間

 

 前戦から2週間のインターバルで開催されたALMS第7戦は、レース終盤に至ってダイソン・レーシングチームのNo.16 ローラB12/60・マツダ(C.ダイソン/G.スミス)とNo.6 HPD ARX-03a・ホンダ(L.ルーア/K.グラフ)がテールtoノーズで争う展開になりましたが、C.ダイソン/G.スミス組がこれを制してシーズン2勝目をマーク。4時間のレースを終えて2台を分けた差はALMS史上最小のわずか0.083秒でした。

 

■公式予選

 8月17日(金)に行われた公式予選では、前戦までに5連勝を飾ってALMSの連勝記録を伸ばしてきたNo.6 HPD ARX-03a・ホンダ(L.ルーア/K.グラフ)がここでも速さを見せ、グラフが1分50秒191の最速タイムを記録してポールポジションを奪いました。2位にはダイソン・レーシングチームのNo.20 ローラB11/66・マツダ(M.マーサル/E.ラックス/T.バーゲス)がつけましたが、タイムはラックスが記録した1分53秒392と大きく水を空けられていました。ダイソン・レーシングチームのもう一台、No.16 ローラB12/60・マツダ(C.ダイソン/G.スミス)は、予選前に行われた2回目のプラクティスでギアボックスにトラブルが発生。その修復が間に合わず公式予選に参加することができませんでした。このためNo.16 ローラ・マツダは、決勝レースをグリッド最後尾からスタートすることになりました。

 

 LM P2クラスの予選1位はコンクエスト・エンデュランスからエントリーのNo.37 モーガン・ニッサン(M.プローマン/D.ハイネマイヤー・ハンソン)で、プローマンが記録した1分54秒218により総合でも4位に位置しました。これにレベル5モータースポーツのNo.055 HPD ARX-03b・ホンダ(S.タッカー/C.ブシュ)が1分54秒407で続きました。なお、俳優のパトリック・デンプシーがチームオーナーを務め、ドライバーとしても乗り込むNo.27 ローラB12/87・ジャッド(P.デンプシー/J.フォスター/B.デルビン)は、1分58秒150のタイムでクラス4位、総合では9位となりました。

 

 LM GTクラスはミシュランタイヤを履くフライング・リザード・モータースポーツのNo.44 ポルシェ911 GT3 RSR(S.ネイマン/M.ホルツァー)が2分04秒415のコースレコードで予選クラストップ。2位にはチームメイトのNo.45 ポルシェ911 GT3 RSR(J.ベルグマイスター/P.ロング)が2分04秒428で、そして3位にはコルベット・レーシングがエントリーするNo.4 コルベットC6 ZR1(O.ギャビン/T.ミルナー)が2分04秒871で続きました。結果、LM GTクラス予選上位3台はミシュランタイヤユーザーが独占することとなりました。

 

 シャシー/エンジン/タイヤのすべてがワンメイク(オレカFLM09/シボレー/ミシュラン)で行われるLM PCクラスはNo.8 K.マーセリ/C.ドゥコーテ組が1分57秒172のコースレコードでトップ。総合でも6位につける健闘を見せました。

 

 

■決勝レース

 8月18日(土)午後2時30分、4時間にわたる決勝レースの幕が切って落とされました。まずリードを奪ったのはポールポジションからスタートしたNo.6 HPD ARX-03a・ホンダのK.グラフ。一方、最後尾からスタートしたNo.16 ローラB12/60・マツダのC.ダイソンもみるみる順位を上げ、10周目には総合2位にまで浮上してきました。ただし、トップを行くNo.6 HPD・ホンダはすでにぶっちぎりの独走態勢を築いていました。

 

 ところが、スタートから約40分が経過したところで、No.6 HPD・ホンダはエンジン冷却水が漏れるトラブルを抱えてピットイン。その修復に10分以上を要し、戦列に復帰したときには、彼らに代わってトップに立ったNo.16 ローラ・マツダから4周もの遅れを取った状態となっていました。

 

 しかし、ここからNo.6 HPD・ホンダの激しい追い上げが始まりました。ラップレコードを更新しながらの果敢な走りと、セーフティーカーランを生かしたピット戦略で、トップを行くNo.16 ローラ・マツダとの差は急速に縮められていきました。そしてスタートから2時間が経過した頃には、両車のギャップは2周に。ここでNo.6 HPD・ホンダはドライバー交替を行い、レース後半2時間のステアリングはL.ルーアに託されました。

 

 そして4時間のレースもフィニッシュまで残り40分となったところで、No.6 HPD・ホンダはNo.16 ローラ・マツダと同一周回にまで追いついてきました。その後もペースの異なるGTカー群をかき分けながら猛烈なチャージを続けるNo.6 HPD・ホンダは、レースも残り5分近くとなったところでついにNo.16 ローラ・マツダのテールを捉えるところまで接近しました。

 

 それまでのペース差を考えれば、No.6 HPD・ホンダが一気にNo.16 ローラ・マツダをかわして再びトップを奪うのは確実なように思われました。ところが、No.16 ローラ・マツダを駆るG.スミスも意地を見せ、トップスピードの高さを生かしてNo.6 HPD・ホンダを背後に封じ込め続け、テールtoノーズで連なる状態のまま最終ラップに突入しました。

 

 No.6 HPD・ホンダのL.ルーアは、何が何でも前に出ようと、半ばダートにタイヤを落としながらの果敢なアタックを最終ラップに入っても続けました。そして、そこをクリアすればチェッカーまでの直線区間を残すのみとなる最終コーナーへの進入でNo.16 ローラ・マツダのインを奪い、土壇場でのトップ奪還に成功! ……と思いきや、幾分オーバースピード気味だったためにアウトに膨らみ、スロットルオープンのタイミングが遅れてしまいました。激しい争いの中でも状況を冷静に把握していたNo.16 ローラ・マツダのG.スミスは、No.6 HPD・ホンダとはクロスラインで最終コーナーを立ち上がり、フィニッシュラインまでの上り勾配の直線区間で再びNo.6 HPD・ホンダの前に出ることに成功。No.6 HPD・ホンダもスリップストリームを使って再逆転を狙いましたがかなわず、0.083秒というALMS史上最もわずかな差をもってNo.16 ローラ・マツダのC.ダイソン/G.スミス組が開幕戦以来となる今季2勝目を挙げました。

 

 LM GTクラスもウィナーと2位との差がわずか2秒63という激戦となりました。スタートからトップに立ったのはNo.45 ポルシェ911 GT3 RSR(J.ベルグマイスター/P.ロング)で、No.44 ポルシェ911 GT3 RSR(S.ネイマン/M.ホルツァー)、No.4 コルベットC6 ZR1(O.ギャビン/T.ミルナー)、そしてNo.55 BMW E92 M3(J.ミュラー/B.オーバーレン)が続きました。その後も2台のポルシェとコルベットがレースを引っ張りましたが、ピットストップとセーフティーカーランのたびに順位が変動。そしてレースも残り40分となったところでセーフティカーが導入された際、これら上位グループのマシンが一斉にピットイン。ここでBMWチームRLLの2台のBMW E92 M3が先行することとなりました。

 

 さらに、レースも最終局面に至ったところで、リードする2台のBMWに、No.01 フェラーリF458イタリア(S.シャープ/J.v.オーバービーク)、No.02 フェラーリF458イタリア(E.ブラウン/G.コスモ)、それにNo.45 ポルシェ911 GT3 RSRが追いつき、接近戦を展開します。そしてチェッカーまで残り数分となったところで2位を行くNo.56 BMW E92 M3(D.ミュラー/J.サンマートン)がコーナーで膨らみ、3位を走っていたNo.3 コルベットC6 ZR1(J.マグヌッセン/A.ガルチア)と接触。これにより、終盤に来て後続に追い上げられていたNo.55 BMW E92 M3(J.ミュラー/B.オーバーレン)が僅差ながらも逃げ切ることに成功。そして2位にはNo.45 ポルシェ、3位にはNo.01 フェラーリがそれぞれ繰り上がってフィニッシュするという結果となりました。

 

 LM P2クラスはNo.055 HPD ARX-03b・ホンダ(S.タッカー/C.ブシュ)とNo.37 モーガン・ニッサン(M.プローマン/D.ハイネマイヤー・ハンソン)の争いとなりましたが、レース終盤にNo.055 HPD・ホンダがサスペンショントラブルによる予定外のピットインを強いられて遅れ、No.37 モーガン・ニッサンがクラス優勝を果たしました。同車に続くクラス2位には俳優のパトリック・デンプシーが駆ったNo.27 ローラB12/87・ジャッド(P.デンプシー/J.フォスター/B.デルビン)が食い込みました。

 

 LM PCクラスはNo.06 オレカFLM09(A.ポポウ/T.キンバー・スミス/J.べネット)がクラス優勝を飾り、総合でも5位に入りました。

 

 高いエネルギー効率を示したチームを表彰する『ミシュラン・グリーンXチャレンジ』は、プロトタイプカテゴリーではコンクエスト・エンデュランスのNo.37 モーガン・ニッサン、GTカテゴリーではコルベット・レーシングのNo.3 コルベットC6 ZR1がそれぞれ受賞しました。

 

 次戦のALMS第8戦は8月31日〜9月1日にメリーランド州ボルチモアの市街地コースで2時間レースとして開催されます。

 

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