【ALMS 第1戦 セブリング 12時間: レポート】

2013年3月21日

ALMS Rd.1 アウディR18 e-tronクワトロが圧倒的な1-2フィニッシュ。ミシュランは伝統のセブリングで15年連続優勝を達成!

 

  • 2013年ALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)開幕戦セブリング12時間
  • 予選:3月15日/決勝:3月16日
  • セブリング・インターナショナル・レースウェイ(アメリカ・フロリダ州):全長6.017km
  • 決勝レース時間:12時間

 

 今シーズンも全10戦で争われるALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)の開幕戦セブリング12時間の決勝レースが3月16日に開催され、ミシュラン・パートナーチームであるアウディ・スポーツ・チーム・ヨーストのハイブリッド・プロトタイプレーシングカー、アウディR18 e-tronクワトロが1-2フィニッシュを達成。これによりミシュランは、今回で61回目の開催となった伝統のセブリングにおいて15年連続で総合優勝を飾りました。

 

 昨年はWEC(FIA世界耐久選手権)とALMSのダブルタイトル戦として行われたこのセブリング12時間ですが、今年はALMS単独での開催になりました。とはいえ、アメリカでは最も注目度の高い耐久レースのひとつということで、ALMSのレギュラーエントラントだけでなく、アウディワークスをはじめとするいくつもの有力チームがヨーロッパから参加しました。

 

 エントリー台数はトータルで42台。プロトタイプカテゴリーでは、上位クラスであるP1が7台、下位クラスのP2が5台、シャシー/エンジン/タイヤのすべてがワンメイクとなるチャレンジクラスのPCが7台。そしてGTカテゴリーでは、メインのGTクラスが12台、やはり車両とタイヤがワンメイクとなるチャレンジクラスのGTCが11台という内訳でした。そして、タイヤがワンメイクとなるPCとGTCを除いた3クラスの計24台のうち20台がミシュランタイヤを装着して今大会に臨みました。

 

 

■公式予選

 今大会は予想どおり、昨年のWECでドライバー、マニュファクチャラーの両タイトルを獲得したアウディR18 e-tronクワトロが他を圧倒する内容となりました。3月15日(金)に行われた公式予選では、昨年仕様のNo.1 アウディ(M.ファスラー/B.トレルイエ/O.ジャービス)がマルセル・ファスラーのアタックにより予選ラップレコードを塗り替える1分43秒886を叩き出してポールポジションを獲得。これにアラン・マクニシュのドライブで僅差の1分43秒895を記録した今年仕様No.2 アウディ(L.ディ・グラッシ/T.クリステンセン/A.マクニシュ)が続きました。

 

 予選3位となったのは、今年はALMSとWECの双方にシリーズ参戦するレベリオン・レーシングのNo.12 ローラB12/60・トヨタ(N.プロスト/N.ハイドフェルト/N.ジャニ)。続く予選4位は昨年のALMSチャンピオンであるマッスルミルク・ピケット・レーシングのNo.6 HPD ARX-03c・ホンダ(K.グラフ/L.ルーア/R.デュマ)で、この2台もともにミシュランタイヤを使用します。

 

 ミシュランは今年、P2クラスにおいてもタイヤ供給を行いますが、その予選トップはレベル5モータースポーツのNo.551 HPD ARX-03b・ホンダ(S.タッカー/M.フランキティ/R.ブリスコ)が奪取しました。また、GTクラスではリーズィ・コンペティツィオーネのNo.62 フェラーリF458イタリア(G.ブルーニ/O.ベレッタ/M.マルチェッリ)がトップタイムを叩き出し、両クラスともにミシュランユーザーが予選最上位を奪う結果となりました。

 

 

■決勝レース

 12時間にわたる決勝レースは3月16日(土)の午前10時45分にスタート。天候は晴れ、気温20℃、路面温度22.8℃という良好なコンディションでした。

 

 まずトップに立ったのはポールポジションからスタートしたNo.1 アウディR18 e-tronクワトロのブノワ・トレルイエで、これをNo.2 アウディのトム・クリステンセンが追う形に。アウディ・モータースポーツのヴォルフガング・ウルリッヒ代表は、彼の指揮下にある2台のマシンに対してフィニッシュまで「戦う」ことを許可していました。その結果、2台のアウディのハイブリッドマシンはレース中に20回も順位を入れ替え合う熾烈なトップ争いを演じてみせました。

 

 ターニングポイントとなったのはレース中盤にNo.2 アウディが周回遅れの車両との接触によってペナルティが課せられ、1分間のピットストップを余儀なくされたことでした。そして、No.1 アウディは最後にトレルイエが2スティントを連続してドライブ。フィニッシュの20分前に給油だけのためのピットインを行いましたが、全力で追撃を続けてギャップを縮めてきたNo.2 アウディよりも前で戦列に復帰。最後は7.679秒差でチームメイトを振り切り、No.1 アウディがトップでチェッカーフラッグを受けました。アウディにとってはこれがセブリング12時間で通算11回目の勝利。ファスラー、トレルイエ、ジャービスの3選手にとってはセブリング12時間およびALMSにおける初優勝となりました。

 

 P1クラスのガソリンエンジン車最上位争いでは、レース序盤はマッスルミルク・ピケット・レーシングのNo.6 HPD ARX-03c・ホンダ(K.グラフ/L.ルーア/R.デュマ)が先行しましたが、同車はスタートから約1時間半が経ったところでアクシデントにより左フロントホイールを失うダメージを負います。それでも何とかピットに戻ることができ、大幅な遅れを喫しながらもレースに復帰しましたが、その後2度にわたって周回遅れの車両と接触し、ペナルティストップを課せられました。一方、レベリオン・レーシングのNo.12 ローラB12/60・トヨタ(N.プロスト/N.ハイドフェルト/N.ジャニ)は堅調で、コンスタントに周回を重ね、事実上のプライベーター最上位となる総合3位でフィニッシュしました。

 

 P2クラスは、レベル5モータースポーツのNo.552 HPD ARX-03b・ホンダ(S.タッカー/R.ハンター・レイ/S.パジュノー)、グリーブス・モータースポーツのNo.41 ザイテックZ11SN・日産(T.キンバー・スミス/C.ズーゲル/E.ルックス)、そしてエクストリーム・スピード・モータースポーツのNo.01 HPD ARX-03b・ホンダ(S.シャープ/G.コスモ/D.ブラバム)の3台が僅差の争いを繰り広げましたが、やがてレベル5モータースポーツのNo.551 HPD ARX-03b・ホンダ(S.タッカー/M.フランキティ/R.ブリスコ)が序盤の遅れを挽回。逆にNo.01 HPDやNo.41 ザイテックはトラブルなどにより後退していき、ミシュランタイヤを使用するレベル5モータースポーツがNo.551、No.552の順でクラス1-2フィニッシュを果たす結果となりました。

 

 激戦のGTクラスは、コルベット・レーシングのNo.4 コルベットC6 ZR1(O.ギャビン/T.ミルナー/R.ウェストブルック)がまずリードしましたが、スタートから間もなく1時間になるところで予選で最速だったリーズィ・コンペティツィオーネのNo.62 フェラーリF458イタリア(G.ブルーニ/O.ベレッタ/M.マルチェッリ)が逆転してトップに。そして、チーム・ウェスト/AJR/ボードウォーク・フェラーリのNo.23 フェラーリF458イタリア(B.スウィードラー/T.ベル/L.キーン)やポール・ミラー・レーシングのNo.48 ポルシェ911 GT3 RSR(B.ミラー/M.ホルツァー/R.リーツ)が追いついてきて、トップ争いは4台に膨れ上がりました。

 

 その後、No.4 コルベットはスタートからやがて3時間というところで電気系統のトラブルに見舞われ、さらにピットロードにおける通過速度違反によってストップ&ゴー・ペナルティを課せられ、一気にクラストップから2周遅れとなります。しかしながら、No.4 コルベットはその後、速いラップタイムをコンスタントに刻み続け、レース中盤にはクラストップと同一周回に戻し、さらにスタートからやがて7時間になろうというところでトップへと返り咲いてみせました。ただし、No.62 フェラーリもNo.4 コルベットに食い下がり、この2台はレース後半の数時間にわたって延々接近戦を展開。それでも最後はNo.4 コルベットが2.72秒という僅差ながらもNo.62 フェラーリを振り切って先にフィニッシュし、ALMSのGTディフェンディングチャンピオンが開幕戦を幸先よく制することになりました。

 

 なお、このGTクラスにおいて今年からミシュランタイヤを履くことになったBMWチームRLLは、昨年までのBMW E92 M3からBMW Z4 GTEに車両を変更して開幕戦に臨み、No.55 B.オーバーレン/M.マルタン/J.ミュラーはパワーステアリングのトラブルに見舞われながらも表彰台まであと一歩のクラス4位に。もう1台のNo.56 D.ミュラー/J.ハンド/J.エドワーズも左フロントストラットの修復に3時間半を要したもののクラス7位での完走を果たして、この先の活躍に期待をつなぎました。

 

 この他、オフシーズンの間に積極的な開発が進められたSRTモータースポーツの2台のSRTバイパーGTS-Rも今後に期待を抱かせる開幕戦を戦いました。No.91 R.ダルジール/D.ファーンバッハー/M.グーセンは一時クラストップを走行し、最終的にはクラス5位に。もう1台のNo.93 J.ボマリート/T.ケンダル/K.ウイットマーもクラス10位で完走しました。

 

 また、アストンマーチン・レーシングは今大会に2台のアストンマーチン・ヴァンテージGTEを送り込み、No.97 D.ターナー/S.ミュッケ/B.セナがクラス8位、No.007 P.ダララナ/B.ジョンソン/P.ラミーはクラス9位となりました。レース中のGTクラスのファステストラップはNo.97 アストンマーチンのダレン・ターナーが記録しており、同車がスタートから1時間で周回遅れと接触してラジエターを壊して遅れたこと、そして僚友もスロットルケーブルのトラブルによって遅れを取ったことが悔やまれる結果となりました。

 

 かくして、2013年のALMS開幕戦セブリング12時間は、P1クラスでは1位から5位までを、そしてP2クラスとGTクラスでは1-2位をミシュランタイヤ装着車が占めるという上々の結果で終了しました。

 

 

ケン・ペイン(ミシュラン・ノースアメリカ・モータースポーツ・テクニカルディレクター)

「素晴らしいレースを戦うことができました。セブリングで参加全3クラスで優勝できたというのは2013年シーズンのスタートとしては完璧です。とりわけ、P1クラスでアウディ・スポーツ・チーム・ヨースト、レベリオン・レーシング、そしてマッスルミルク・ピケット・レーシングがそれぞれ非常にいい走りを見せてくれたことを喜んでいます」

 

 

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