【Asian LMS 第2戦 富士 (日本): レポート】

2013年9月 3日

9月22日決勝のアジアン・ル・マン富士3時間にスバルBRZ GT300ら11台のJAF-GT300車両が参加

 

 アメリカ、ヨーロッパに続く3つ目のル・マン・シリーズとして今年から始まったアジアン・ル・マン・シリーズ(アジアンLMS)。その第2戦となる富士3時間が9月20〜22日、富士スピードウェイで開催されます(予選:9月21日/決勝:9月22日)。この一戦には「SGTクラス」が特別に設けられ、GT300クラスで唯一ミシュランタイヤを使用しているスバルBRZ R&DスポーツのスバルBRZ GT300をはじめ、SUPER GTシリーズに参戦しているJAF-GT規定のGT300車両11台が出場することになりました。

 

 アジアンLMSは、同じ名称のレースが2009年に岡山国際サーキットで開催されたことがありますが、アジア各国を転戦する本格的なシリーズ戦となったのは今年から。開催スケジュールやクラス編成は当初の計画から変更され、8月4日に韓国のインジェ・スピーディウムで行われた開幕戦を皮切りに、9月22日の富士、10月13日の珠海(中国)、そして12月8日のセパン(マレーシア)と全4戦を実施することに。LM P2、LM PC、そしてGTCの3クラスが開催されています。

 

 このうち、FIA-GT3車両を主なエントラントとするGTCクラスには日本のSUPER GTを走るJAF-GT300車両の参加も認められています。これは、ル・マン24時間の主催者で、アジアンLMSも統括するACO(Automobile Club de l'Ouest=西部自動車クラブ)と、SUPER GTのプロモーターであるGTアソシエイション(GTA)の合意に基づくもので、その背景にはGT300車両によるアジアシリーズ開催を目指すGTAとアジアンLMSの参加台数を確保したいACOという両者の思惑の一致があります。なお、JAF-GT300車両がアジアンLMSのGTCクラスに参加するのにあたっては、ACOによる性能調整を受けることが条件付けられています。

 

 一方、9月22日の富士3時間におけるJAF-GT300車両の参加は、先に記したアジアンLMSのGTCクラスへの参加とはまったく話が異なるものです。つまり、今回の富士に出場するJAF-GT300車両はACOによる性能調整を受けることはなく、SUPER GTと同じ仕様で出走します。出場クラスは今回特別に設けられる「SGTクラス」となります。

 

 そして、これがある意味で一番のポイントとなるのですが、今回の富士3時間に参加したJAF-GT300車両にはその順位に応じてSUPER GTのシリーズポイントが与えられます。SGTクラスの1位から10位までの車両に対して、ドライバーポイント、チームポイントともに、8-6-5-4-3-2-1-1-1-1ポイントが各々付与されることになるのです(通常のSUPER GTシリーズ戦では20-15-11-8-6-5-4-3-2-1ポイント)。なお、SUPER GTシリーズにおけるウェイトハンディはこのレースには適用されません。その一方で、SGTクラスのJAF-GT300各車はアジアンLMSのタイトルやトロフィーの賞典外としての出場となります。

 

 特別開催とはいえSGTクラスもアジアンLMSの競技規則のもとで行われますので、SUPER GTでは全戦でノックアウト方式で実施されている予選は通常の自由なタイムアタックによって行われるほか、レースの中断時の手順やピット作業時のルールなどについてもアジアンLMSのものに従わなければなりません。なお、レース中のピット作業において車両に同時に触れることができるのは、SUPER GTでは5名までであるのに対して、アジアンLMSでは4名までとなります。

 

 他方、アジアンLMSではシーズンを通してひとつのメーカーがレース用市販タイヤを供給する取り決めとなっており、今年はミシュランはそのサプライヤーを務めていますが、富士3時間に参加するGT300車両に関してはSUPER GTシリーズで使用しているタイヤを原則的にそのまま使えることになっています。

 

 アジアンLMSでは、予選で使用できるタイヤは1セット(4本)のみで、決勝レースもそのタイヤを履いてスタートしなければならないことになっています。この規定は富士3時間におけるSGTクラスにも適用されますが、各車のタイヤの持ち込み本数がアジアンLMSのGTCクラスではドライタイヤ新品6セット+前大会で使用した1セット、ウェットタイヤは制限なしと規定されているところ、富士3時間におけるSGTクラスではドライタイヤ8セット、ウェットタイヤ10セットとなっています。

 

 また、アジアンLMSでは戦績によってドライバーのランクがプラチナからブロンズまで4段階に分類され、プラチナとゴールドのドライバーは各車1名のみとされていますが、この規定は富士3時間におけるSGTクラスには適用されず、GTAに公式登録されたドライバーが参加します(未登録ドライバーの参加も可能ですが、シリーズポイントの付与はありません)。さらにGT300車両についてはゼッケンもSUPER GTで使用している番号がそのまま使われることになります。

 

 今回の富士3時間に出場するGT300車両各車の一番の目的はSUPER GTのシリーズポイント獲得にほかなりません。一方、アジアンLMSのGTCクラスを戦う各車としても、特別参加のGT300車両と争う必要はなく、来年のル・マン24時間への参加資格獲得を睨みながら、より多くのシリーズポイントを得ることを目指したレースを行うことになるでしょう。それでも、同じような形をしつつも車両規定が異なるSUPER GTのGT300車両とアジアンLMSのFIA-GT3車両がコース上で交錯するシーンが連続することになる今回の富士3時間は、世界のGTレースの今後を占う上でも興味深い一戦となりそうです。

 

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