【第2戦】

2012年5月 4日

DENSO KOBELCO SC430が天候に翻弄された一戦を制す!

2012 AUTOBACS SUPER GT第2戦

FUJI GT 500km RACE

2012年5月 4 日 (金)   決勝

富士スピードウェイ( 静岡県駿東郡 ): 全長 4. 563 k m

入場者数:予選26,000人 / 決勝57,000人(主催者発表)

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 2012年SUPER GT第2戦「FUJI GT 500Km RACE」の決勝が開催され、天候が目まぐるしく変わる難しいコンディションの中でミシュランタイヤのパフォーマンスを存分に発揮したNo.39 DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明)が 優勝。ミシュランに 今季初優勝を もたらすとともに、 LEXUS TEAM SARD にとっては2004年以来、実に8年ぶりとなる 待望の 勝利を 挙げました。

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 毎年、ゴールデンウィークの真っ只中に行われているこの大会ですが、今回は2008年以来4年ぶりにレース距離が500kmという長丁場での開催となりました。前日の予選を見舞った雨は上がり、決勝当日の富士スピードウェイは朝から曇り空の中から時々日差しが差し込むという天候に。ドライコンディションでのスタートになるものと各車スリックタイヤを装着してスターティンググリッドにつきましたが、スタート直前になって雨が降り出しました。

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 このコンディションの変化に対応し、レースはセーフティカーの先導によるローリングスタートで幕が切られることに。ローリングラップもレース周回に数えられるわけですが、その間にスリックタイヤからウエットコンディション用のタイヤに交換する車両が続出。ピットは大わらわとなりました。ところが、その刹那にグランドスタンド前には日差しがこぼれてくるという天候の変化の目まぐるしさ。その間もローリングラップは続き、都合3周を先導したセーフティカーがコースから退いたところで、周回数が110周となった本当の戦いの火蓋が切られました。

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 まずトップに立ったのは、いち早くタイヤ交換を行っていたNo.36 Lexus SC430でした。ミシュラン・パートナーチームのNo.39 DENSO KOBELCO SC430に乗る石浦宏明は他車との接触で7位に後退。一方、No.1 S Road REITO MOLA GT-Rのロニー・クインタレッリは9位につけていました。

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 上位集団が10周を終える頃には雨は止み、スリックタイヤに交換する車両の出入りでピットレーンが徐々に慌しくなりました。そして11周を終えたところで No.1 S Road REITO MOLA GT-Rの クインタレッリもピットイン。スリックタイヤに換えてピットアウトしますが、次の周、クインタレッリは右フロントホイールナットのトラブルで再びピットインを強いられ、No.1 GT-Rはここで大きく遅れることになってしまいました。しかし、クインタレッリはそこから果敢な追い上げを展開。滑りやすいコンディションのもと、最速ラップを何度も更新しながら前の車両との差を詰めていきました。一方、 No.39 DENSO KOBELCO SC430 の石浦は、他車との接触による遅れをスピーディ に挽回してレース序盤は4位を走行。そして14周を終えたところでピットインしてスリックタイヤに交換しました。

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 その後、No.1 S Road REITO MOLA GT-Rのクインタレッリは8位まで順位を上げ、50周を終えたところでピットイン。タイヤ交換 と 給油を済ませたGT-Rには今度は柳田真孝が乗り込み、コースへと復帰していきました。

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 レース中盤、ストレートで起きたGT300車両のアクシデントのためセーフティカーが導入され、追い越し禁止のローリングラップが5周にわたって続きました。そして67周目のレース再開時 に トップに立っ てい たのは 、石浦から交替した脇阪寿一が駆る No.39 DENSO KOBELCO SC430でした。 また、 No.1 S Road REITO MOLA GT-R の柳田 は7 位につ けていま した 。

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 その後、 トップを走る 脇阪の No.39 DENSO KOBELCO SC430 の 後方にはNo.17 Honda HSV-010 GTが迫りますが、 脇阪は ベテランの 妙味 を見せつける 巧みなドライビング を披露して これを抑え込みました 。そして82周を終えたところで No.39 SC430 は順位を落とすことなく最後のルーティンストップ を実施 。石浦が乗り込んでゴールを目指します。 No.1 S Road REITO MOLA GT-R も88周を終えたところで最後のピットイン。クインタレッリ に交替してピットを離れていきました。 こうして 上位陣が最後のルーティンストップを終えた時点での順位は 、 No.39 SC430の石浦が3位、No.1 GT-Rのクインタレッリが7位。しかし 、 クインタレッ リは上位陣より速いペース での 走行 を続け、少しでもポジションを上げようと奮闘 してい ました。

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  そして90 周を過ぎる頃、コース上に再び雨が !  しかも 雨脚は少しずつ増して いくという状況 。 何とも気まぐれな天候です。 それでも各車、スリックタイヤのまま走行を続けましたが、 103周を終えたところで トップに 立っていた No.12 Nissan GT-Rが ピットイン。タイヤをウエット用に交換します。これでNo.12 GT-Rは後退し、代わってNo.100 Honda HSV-010 GTがトップに立ちました。

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  ところが、滑りやすい路面にペースを落とした No.100 HSV-010 GT に 、 No.39 DENSO KOBELCO SC430の石浦が急速に接近 。両車はともに スリックタイヤ のまま での走行 でしたが、 少し雨に濡れたコンディシ ョンで ライバルを 圧倒するパフォーマンスを持つミシュランタイヤの強みを生かした No.39 SC430 が 106周目の第1コーナーでNo.100 Honda をオーバーテイク 。石浦が ついにトップに躍り出ました。その後、石浦 の No.39 SC430 は2位以下を 着実に 引き離し ていき 、 数周のうちに10秒以上の リードを築き上げて真っ先にチェッカーフラッグを受けま した 。

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 一方、 No.1 S Road REITO MOLA GT-R は クインタレッリ が 1分35秒189というレース中の最速ラップ を 記録。しかし 、レース序盤での 予定外のピットイン に よる 遅れが最後まで響き 、7位で の フィニッシュとなりました。

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脇阪  寿一 ( No.39 DENSO KOBELCO SC430 / LEXUS TEAM SARD) のコメント:

「 レースでは、ぶっつけ本番でドライコンディションで走ることになって、 正直言って よ く分からないまま始まった 感じでした (笑) 。本当ならこんなときはドキドキしたりするんですが、最近の SUPER GTは こんなレースが多いから、もう慣れっこで、いい意味で開き直っています(苦笑)。

  それにしても、 今年の 僕の 最大の武器は、 やはりミシュランタイヤ ですね 。いろんなコンディションに対して非常に幅の広い適応力があります 。それにミシュランは2 チームにしか供給していないから、タイヤ エンジニアと密接なコミュニケーションを 取る ことができる。だから 、 喜びを分かち合えるし、悔しさも共有できる。これは僕にとっても、とても刺激になっています。

  今日はスタートで 数十秒 のロスがあって、気がついたら3位 になっていて 、 『 このままかな ......』 とも思っていたんですが、最後の最後に、レースの神様が雨を降らせて勝たせてくれたんじゃないかな、と思っています。去年 の僕はずっと悔しい思いをしてきたものですから、この優勝は 本当に嬉しいです。去年の LEXUS TEAM SARD は石浦と井口 (卓人) が頑張って、チームを上昇ムードにしていた。そこに僕が入れてもらっ たというわけです 。 今回は、 チーム力が高 い TEAM SARD と 石浦に優勝させてもらったと思っています」

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石浦 宏明 ( No.39 DENSO KOBELCO SC430 / LEXUS TEAM SARD) のコメント:

「スタートで雨が降ってきて 、 1周目で接触されてコースアウトしてポジションを落としました。そこから猛プッシュしたんですが、途中からは 『 今日のレースは何があるか分からないから、無駄な接触は絶対に避けよう 』 と思って集中して走りました。ピットインしたときにはトップだと思っていたのですが、 実際には トップからかなり離された3位で、それに レース途中に セーフティカー が入ったタイミング も不利に働いて、 『 優勝したかったのに、また今回も無理だったか ......』 と思い始め てい たんですが、最後になって、また雨が降ってきて ...... 。

  走っている時には自分のペースが速いのか遅いのかも分からなかったんですが、残り周回数も10周を切っていたし、ミシュランタイヤは少しぐらい濡れていてもスリックのまま い いペースで走れるんです。その後、前を行くクルマより数秒速いと 無線で 聞かされて、 『 これはもう 、 い くしかない !』 と。そう思って走っていたら 、よ く分かんないうちにトップに立っていて (笑) 、またミシュランタイヤの強さを見せ つ けることになりました。予選でも深溝 のレインタイヤ であそこまで い け て 、本当に今回はタイヤに助けられました し、寿一さんにも助けてもらいました 」

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日本ミシュランタイヤ(株)  モータースポーツマネージャー   小田島広明 のコメント:

「スタートは天候に翻弄されました。タイヤメーカーからの意見として 、 推奨スペックはどれが良いのか、空を見ながらぎりぎりまで考えていました。今回持ち込んだドライタイヤはソフト目とハード目の2種類で、レースでは2台ともソフト目のタイヤを全スティントで使いました。

 周回数が 90周を過ぎたあたりで雨が降り出しましたが、少し 濡れて いるところでも走れてしまうということが 、 ああいう状況では 有利に働く 我々のタイヤの特性 として 挙げ ることができます 。いかにオーバーラップした部分を作るかというのが 、 我々ミシュランのタイヤ 開発のひとつの課題になっているのです 。

  いずれにせよ、 天気に翻弄さ れながらも、 タイヤ選択 は 適切に判断できました。特に第 1 スティントでは クインタレッリ 選手 も石浦選手も適切なタイミングでタイヤを換えてくれたので、これは大きなポイントだと思います。第2スティントは完全にドライとはいえ、特に脇阪選手が後ろをうまく抑えてくれました。あれは技と 言う べきでしょう。そういう部分の 巧さ を 見せて ポジションをキープして、最後のスティントではラスト10数周で雨が落ちてきてそのまま降り続いたんですけど、我々も自信はあったし、チームもこのまま雨でもスリックで い けると信じて使ってくれましたし、ドライバーも信じてプッシュしてくれました。あの雨がなければ3位だったので 、 その意味では よ かったと思います。

  長丁場になればなるほどコンディションが変化する可能性が多くなるわけで、そこで我々の持つタイヤの特性がうまく機能した象徴的なレース になったと思います」


PHOTO by Junya Sasaki