【GT300】

2013年4月28日

俊足スバルBRZ GT300、開幕2戦連続ポールポジションを獲得!

2013 AUTOBACS SUPER GT第2戦

FUJI GT 500km Race

4月28日(日) 公式予選

富士スピードウェイ(静岡県駿東郡):全長4.563km

WT2_0519.JPG  快晴のもと予選日を迎えたSUPER GT第2戦。GT300クラスで唯一ミミシュランタイヤシュランタイヤを装着するNo.61 スバルBRZ GT300(山野哲也/佐々木孝太)は、午前中に行われた公式練習で出走26台の中でトップタイムをマーク。午後の公式予選においても引き続き速さを見せて、開幕戦に続いてポールポジションを獲得しました。

■公式練習

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 午前9時からGT500クラスとGT300クラスを合わせて2時間にわたって行われた練習走行。No.61 スバルBRZ GT300を走らせるスバルBRZ R&Dスポーツは、開幕戦岡山で課題とした「ドライ路面での車両とミシュランタイヤとのマッチングの向上」を図るために、サスペンションと空力のセッティングに努めました。

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 その結果、まず山野哲也が1分39秒台を記録。このときのデータをもとに再びニュータイヤを投入し、佐々木孝太が1分38秒886という好タイムを記録してトップに立ちました。このセッションで1分38秒台をマークしたのはNo.61 BRZ GT300とNo.16 ホンダCR-Zの2台だけでした。

■予選第1セッション(Q1)
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 午後2時からスタートした予選は、ノックアウト方式で13位までがQ1通過となります。その序盤は1分39秒台の攻防。1分39秒1を出した昨年王者のNo.0 ポルシェ911 GT3Rがトップに立ち、続いてNo.52 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3が続くなど、パワーサーキットといえる富士スピードウェイらしい展開となり、その中から真っ先に1分38秒台への扉を開いたのはNo.48 日産GT-R NISMO GT-3でした。

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 Q1も残り5分を切った段階で山野哲也がドライブしていたNo.61 スバルBRZ GT300の順位は14位。そこから各車がスパートをかけ出したとき、同時に山野も9位へとジャンプアップしました。その後、ライバルたちも順位を上げましたが、No.61 BRZ GT300は1分39秒592で10位に踏みとどまり、Q2への進出を果たしました。

■予選第2セッション(Q2)
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 Q2は非常に白熱したセッションとなりました。まず1分38秒912で暫定のトップタイムを刻んできたのは2011年のシリーズチャンピオンであるNo.4 BMW Z4 GT3。その後にNo.52 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3が1分38秒618をマークしてトップが入れ替わり、No.3 日産GT-R NISMO GT3が続きました。

 ここまではFIA GT3勢が速さを見せる展開が続いてきましたが、その流れを変えたのは2台のハイブリッドマシンでした。No.16 ホンダCR-Zが2位以下に大差をつける1分38秒144を叩き出して首位を奪取。それに続くようにしてNo.55 ホンダCR-Zが2番手タイムをマークしてきました。

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 その間に割って入ったのが佐々木孝太がステアリングを握っていたNo.61 スバルBRZ GT300でした。タイムは1分38秒119と、わずか1000分の5秒差の2番手タイムを記録してトップに詰め寄ります。しかし、No.16 ホンダCR-Zがさらにベストタイムを更新し、ついに1分37秒台へ突入していきました。

WT1_3919.JPG  CR-Zの今回のポールポジション獲得は盤石と思われたそのときでした。最終アタックに臨んだ佐々木のNo.61 BRZ GT300は、セクター1を全体ベストとなる0分22秒272で駆け抜けると、セクター2ではライバルを1秒以上引き離す0分37秒850でやはり全体ベストを記録。最終的には1分37秒610をマークし、開幕戦に続いてポールポジション獲得を果たしました。しかも佐々木が記録したタイムは富士スピードウェイにおけるGT300クラスの新しいコースレコードとなるものでした。

WT2_9776.JPG なお、明日4月29日に行われる決勝レースは、SUPER GTシリーズの中では2番目に長いレース距離500kmで開催されます。

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰巳英治氏のコメント:

「開幕戦ではミシュランのレインタイヤが抜群に良く、マシンもこれを活かし切ることができました。そして今回我々が取り組んだのは、ドライ路面でミシュランタイヤの性能を発揮し切ることでした。ミシュランのスタッフと協議し、その意見を大きく取り入れながらセッティングを変更しました。練習走行時はエンジンの調整など足まわり以外にもやらねばならないことがありましたのでなかなか思うように走行距離を伸ばすことができませんでしたが、それでもその感触から1分38秒台前半は出ると思っていました。しかし、37秒台に入ってしまったのはうれしい誤算でした!」

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佐々木考太 (No.61 スバルBRZ GT300/スバルBRZ R&Dスポーツ)のコメント:

「朝の練習走行で調子は良かったのですが、予選では周りもタイムを上げてくるので、1分38秒台前半には入れなければいけないな、と考えていました。でも、1回目のアタックではAコーナーではみ出てしまって......。そこで仕切り直して、もう一度アタックしたら37秒台が出ました。セクター2(※注:Aコーナーから100Rにかけての区間)は、僕らのクルマにとっては一番タイムを稼げるポイントなんです。だからこそプッシュしたんですけど、2回目のアタックではタイヤもだんだんクルマに合ってきて挙動が安定していました。このアタックをうまくまとめることができたのでタイムが出たんだと思います。

 明日は、勝つというよりも、まず500kmを走り切ることが大切です。決勝に向けて硬めのタイヤを選んだこともあるので、安心感はありますね」

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山野哲也 (No.61 スバルBRZ GT300/スバルBRZ R&Dスポーツ)のコメント:

「僕の役割は、まずQ1を通すこと、そしてタイヤを温存することでした。今年のSUPER GTのレギュレーションでは、決勝のスタートで使うタイヤはQ1かQ2で使ったタイヤのどちらかを抽選で決めることになっています。少なくとも(佐々木)孝太には全力でアタックさせなければいけないのですが、そこで僕がタイヤを温存できていたら、50%の確率で決勝が有利になるんです。だから、本当だったらもっとタイヤに熱を入れてプッシュすることもできたけれど、実際には『優しく走ること』を目標としました。優しく走るというのは、アンダーステアやオーバーステアを出してタイヤを滑らせないこと。ブレーキングでフラットスポットを作るのも当然いけない。そして練習走行後にクルマのセットアップを変えたことに関して、孝太にはその情報をなるべく多く伝えました。

 それにしても、SUPER GTで2戦連続でポールポジションを獲るというのはすごいことです。孝太の走りは素晴らしかったし、信じられないくらいうれしいです!」

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日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明とのQ&A:

Q:岡山での開幕戦とは対照的に天候も良く、タイヤには有利な状態だったのではないでしょうか?

「非常に天気が安定していて、順調に進んだ予選だったと思います。正直、富士スピードウェイではもう少し苦戦するかと思っていましたが、朝の練習走行で1分38秒台が出ていたので、『これはいけるな』と思いました。トップ3には入れると思いましたが、(それ以上に)佐々木選手が頑張ってくれてポールポジションを獲得することができました。BRZ GT300の特性として、セクター2でのタイムが断トツに速かったですね。鈴鹿などではこの速さが活かされるでしょう」

Q:JAF GT300規定の車両であるスバルBRZ GT300は、レイアウト的に見ても他のGT300車両とはまったく違うクルマだと思いますが、それに対するタイヤ開発の難しさはありますか?

「確かに世界的に見てもまったくオンリーワンのクルマです。GT500とタイヤが同サイズであり、そのデータを活かしながら開発をしている、というのは前回お話しましたが(※注:開幕戦岡山の予選レポートを参照)、GT500ではこういう反応を示したタイヤがBRZではどのように反応するのか、というところを現在勉強しているところですね。開発自体は難しいとは思いません。テストの絶対数が少ないだけです。BRZ GT300は昨年型から車両が一新されたのですが、それが仕上がったのは合同テストの直前でした。我々もGT300用のタイヤは今年から改めてやり始めたばかり。現在は、いわばまっさらな状態なんです。そうした状態でレースが始まり、岡山を終えて富士に至った。クルマの作り込みをしながら走らせている状況なので、タイヤをクルマに合わせ込むのはこれからなんです」

Q:そんな状況で今回もポールポジションを獲得できたとなれば、先行きは明るいのではないでしょうか?

「一発の速さだけでしたら、すぐにでも出ます。それはもうある程度見えている。しかし我々は、レースで安定して走れるようにしていきたいんです。予選タイムとレース中のアベレージのラップタイムの差がだいたい2秒以内であってほしい。それが前回の岡山では実現できなかったんですね」

Q:ミシュランが今回のレースに用意しているタイヤはどのような性格のものなのでしょうか?

「この時期の富士というのは、涼しくなったり暑くなったりと、気温や路面温度の変化が激しい傾向があります。GT500もGT300も、その両方をカバーできるようなタイヤを2種類ずつ持ち込みました。想定している温度域は比較的高いもので、『ミディアムレンジ』と呼んでいます。それは、特別柔らかいわけでも硬いわけでもない性格です。予選では、その中でも高い温度レンジのタイヤが良かったようですね。しかし、ポールポジションは獲りましたが、使ったタイヤは決して一発のタイムだけを狙ったものではないんです」