【GT500】

2013年6月16日

ウイダーモデューロ HSV-010 GT、不運に泣いて4位に終わるも、ファステストラップ連発でスピードを示す

2013 AUTOBACS SUPER GT第3戦

SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA

6月16日(日) 決勝レース

セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア):全長5.543km

入場者数:67,000人(主催者発表)

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 マレーシアのセパン・サーキットを舞台とするSUPER GT第3戦の決勝レースが開催され、ウイダーモデューロ童夢レーシングのNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)が数台をオーバーテイクしたすえにトップに立ち、レース中はファステストラップを何度も更新する速さを披露。ピットアウト時にエンジンがなかなか始動せず、20秒以上もタイムロスを喫するという決定的な不運に見舞われて勝機を失ってしまいましたが、それでも4位でフィニッシュしてみせました。この他、MOLAのNo.1 REITO MOLA GT-R(本山 哲/関口雄飛)は6位、NISMOのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)は9位と、ミシュラン・パートナーチームの3台すべてが10位以内での完走を果たしました。

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強い日差しのピークを避けるため、54周で争われる決勝レースは日本開催の通常のラウンドより2時間遅い午後4時にスタート。天候は曇りでしたが、気温は33℃、路面温度は42℃あり、トロピカルサーキットらしいコンディションでのレースとなりました。

 スタートでは、関口雄飛がステアリングを握ったNo.1 REITO MOLA GT-Rが好ダッシュを決め、予選順位から2つポジションを上げての4位でオープニングラップを終了。山本尚貴がスタートドライバーを務めたNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTは8位、ロニー・クインタレッリが乗り込んだNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは9位でそれぞれ1周目のコントロールラインを通過しました。

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 積極的なドライビングを見せる関口雄飛のNo.1 REITO MOLA GT-Rは5周目には3位に浮上。山本尚貴が乗るNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTも7位へと順位を上げていきます。そして6周目、No.1 REITO MOLA GT-Rは前を行くNo.38 レクサスSC430に仕掛けて2位を陥れようとしましたが、ここで接触。ホイールを傷めてしまい、以後、関口は苦しいドライビングを強いられることになりました。

 同じ6周目、No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTが一気に3位へとポジションアップ。予選で犯したミスの雪辱に燃える山本尚貴はその後もハイペースで飛ばし続け、9周目には2位に、そして18周目にはポールポジションからスタートしたNo.12 日産GT-Rをかわしてトップに立ち、その後は着実にリードを広げていくという素晴らしいドライビングを披露しました。

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 その後方では、ロニー・クインタレッリの駆るNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが安定したペースで徐々に順位を上げ、9周目には6位までポジションを上げてきていました。ところが、22周目にはそのNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとNo.1 REITO MOLA GT-Rというミシュランタイヤ装着のGT-R同士が接触してしまうというハプニングが。これでNo.1 REITO MOLA GT-Rはスピンを喫し、10位まで後退してしまうことになりました。

 レースも折り返しに近づいた頃、トップを走るNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTが26周をこなしてピットに入ってきました。燃料補給、タイヤ交換、そして山本尚貴からフレデリック・マコヴィッキィへのドライバー交替という一連の作業をスムーズに行ってピットを離れようとしたところ、すぐにエンジンが目覚めず大幅にタイムをロスするという不測の事態が発生。結局、No.18 HSV-010 GTは想定より20秒以上も長い55秒にもわたってピットに張り付くことになってしまいました。

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 コースには復帰したものの、トップから一気に8位にまで後退してしまったNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTですが、山本尚貴から交替したフレデリック・マコヴィッキィがここから鬼神の追い上げを披露しました。マコヴィッキィは上位グループより1秒も速いラップタイムを刻み続け、33周目には5位に浮上。この32歳のフランス人ドライバーはその後さらにペースを上げていき、レース中のファステストラップを連続してマーク。ほどなく、4位を走るNo.37 レクサスSC430のテールに迫っていきました。

 スピード的には上回っていることが明らかなNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTでしたが、No.37 レクサスSC430をドライブするベテラン伊藤大輔の巧みなブロックに行く手を阻まれることになりました。両車のバトルは10周以上にわたって続きましたが、No.37 SC430がNo.18 HSV-010 GTを依然として押さえ込む形で最終ラップに突入していきました。

 ところが、この最終ラップにおいて、先行するNo.37 レクサスSC430が周回遅れの車両と接触してコースアウトを喫することに。これでNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTは順位をひとつ上げ、4位でチェッカーフラッグを受けました。

 22周目にNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rと接触して10位まで後退してしまったNo.1 REITO MOLA GT-Rは、23周を終えたところでピットイン。関口雄飛から本山 哲に交替してコースに復帰しました。後半スティントを担当した本山は着実なペースで周回を重ねてポジションを上げていき、最終的には6位でのフィニッシュを果たしました。

 No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは、ロニー・クインタレッリから柳田真孝に交替した後にNo.1 REITO MOLA GT-Rとの接触に対するドライブスルーペナルティが課されてトップ10圏外に後退することになりました。しかし柳田は諦めずに追撃を続け、残り3周というところで1台をかわして10位に浮上。そして最終ラップでもさらに1台攻略して9位でフィニッシュ。貴重なポイントを獲得して、今回のマレーシア遠征を締めくくりました。

山本尚貴 (No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GT/ウイダーモデューロ童夢レーシング)のコメント:

「今日のレースは、昨日の予選とはまた違った意味で悔しいものになってしまいました。クルマは昨日の走り始めから好調で、今日も完璧でした。8番手グリッドと後方からのスタートでしたが、最初からプッシュしていって早めにポジションアップでき、自分のスティントの中でも早めにトップに立つことができました。

 フレッド(※フレデリック・マコヴィッキィのこと)に交替したルーティンのピットストップでもチームは素晴らしいピットワークを見せてくれたんですが、エンジンの再スタートで少しタイムロスがあり、ピットアウトしたフレッドは集団の中に入っていくことになりました。それでも彼が素晴らしいドライビングをしているのはピットのモニターでも確認できましたが、前を行くマシンに引っかかってしまい、なかなかペースアップできずに苦しんでいましたね。

 チームやミシュランさんがせっかくいいマシンやいいタイヤを用意してくれていたのに、昨日の予選で自分がミスをしたばかりに、いい流れを途絶えさせたんじゃないかと反省しています。それでも、決勝の自分のスティントの中ではまずまずの仕事ができたんじゃないか、クルマとタイヤのパフォーマンスはしっかり引き出せたんじゃないか、とは思っています。

 結果的には今日も悔しい一日になってしまいましたが、フレッドもいい走りをしていたし、自分自身の走りに対しても自信を持つことができました。次回こそ、この自信を結果につなげたいですね」

柳田真孝 (No.23 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「パーフェクトではありませんでしたが、クルマもタイヤも良かったと思います。ペースも、優勝したクルマとそれほど変わらなかったと思うので、僕らのベースの状態は決して悪くなかったのですが、スタートの位置(が後方であった)といったところが今回の結果につながってしまったのだと思います。これを受け止めて、今回自分たちの足りなかった部分を見直して、次のレースにつなげたいです。

 ただ、1点でも多くポイントが獲れたことは良かったです。どのポジションを走っていたとしても、最後まであきらめない走りをしようと思っていたし、チームもそう言ってくれていました。このポイントを獲れて良かったと言えるように、このポイントを生かせるシーズンにできるように、次戦以降を戦っていきたいと思います」

ロニー・クインタレッリ (No.23 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「昨日のクルマの状態から少し変えたところ、フリー走行からとても調子が良くなりました。コンスタントに走ることができましたし、自分のスティントでポジションアップすることもできました。次のレースに向けては、予選からもっと強くて速いクルマを作ることが課題です。今回ももっと上の順位を狙えそうだったので、No.1 REITO MOLA GT-Rとの接触があったのは残念でしたが、大変な週末に貴重なポイントを獲得できたのは良かったと思います」

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日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

No.18 ウイダーモデューロ HSV-010 GTはピットで25秒は失っていますので、普通なら十分勝てたレースだったとは思います。他の2台は、ぶつかってスピンしたり、ペナルティを受けてしまったり、ということがあったので、それらがなければ5位や6位には入れたのではないかと見ています今回の結果がこうなったのは不運やアクシデントによるところが大きく、全体としてはそんなに悪い展開ではなかったと思いますが、予選のポジションの影響が大きいと思います。

 今回、レース中に各車が履き替えたタイヤはそれぞれスタート時に装着していたものと同じタイプでした。

 タイヤ性能をラップタイムのピークで比較すると、ウェイトの差がない今回優勝したNo.12 日産GT-Rに対してNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのタイムは遜色なく、ほとんどイーブンでした。3位に入ったNo.100 ホンダHSV-010 GTとNo.18 ウイダーモデューロ HSV-010 GTのタイムを比べると、(主にハンデウェイトによる)重量の違いがあるのでその部分を補正しても、No.18のドライバーは2人共ライバルを上回っていたので、ライバルに対してタイヤ性能は同等か上回ったものは提供できていたと思います。

 今回はNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rに対するタイヤ選択を間違えたのかというと、そうではないと思っていますが、予選ポジションの影響を考慮すると、特にNo.18 ウイダーモデューロ HSV-010 GTが見せたレース展開から考えるに、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rにはもう少し攻めた、つまりパフォーマンス側に振ったタイヤを履かせても、優勝したNo.12 GT-Rに対してもより良い結果が得られた可能性はあります。