【2013】

2013年9月 8日

ハンディウェイト88kgが響きスバルBRZ GT300は9位にとどまるも、逆転タイトルに望みをつなぐ

2013 AUTOBACS SUPER GT第6戦

FUJI GT 300km RACE

9月8日(日) 決勝レース

富士スピードウェイ(静岡県駿東郡):全長4.563km

入場者数:予選日19,500人/決勝日32,800人(主催者発表)

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 SUPER GTシリーズ第6戦の決勝レースが曇天の富士スピードウェイで開催され、GT300クラスで唯一ミシュランタイヤを使用してシリーズ参戦しているスバルBRZ R&DスポーツのNo.61 スバルBRZ GT300(山野哲也/佐々木孝太)は9位でフィニッシュ。レース半ばには4〜5位あたりの好位置につけていましたが、今回搭載した88kgものハンディウェイトが響いてレース終盤にポジションダウンを余儀なくされました。しかし、今回の上位入賞車両の多くがシリーズ成績で10位前後以下の車両が多かったことから、No.61 スバルBRZ GT300はポイントランキング2位をキープ。残り2戦での大逆転によるチャンピオン獲得に望みをつなげました。

■フリー走行

 気温23℃、路面温度24℃、コースは雨が降り落ちてウェットとなったコンディションのもと、30分間のフリー走行が行われました。ところが、その開始直後にGT300車両がピットロード付近でストップしたほか、GT500車両が1コーナーでコースアウトしてサンドトラップにスタック。これによりセッションは早々に赤旗中断となりました。

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 そして走行が再開されると、No.61 スバルBRZ GT300がいきなりトップタイムをマークしてきました。ここで山野哲也が刻んできたタイムは1分49秒281で、この時点での2位との差は実に1秒932もあるという驚異的なものでした。


WT1_8103.JPGのサムネール画像

 その後はNo.11 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3とNo.4 BMW Z4 GT3が1分50秒台にタイムを入れてきましたが、佐々木孝太にドライバー交替したNo.61 スバルBRZ GT300は1分48秒830にまでタイムを更新。最終的にこのセッションで2位となったNo.11 メルセデス・ベンツに1秒543の大差をつける圧巻のトップタイムで雨のフリー走行を終えました。

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏のコメント:

「とにかく、ミシュランのレインタイヤの性能が素晴らしかったですね。もちろんマシンも雨に合わせてセッティングしていましたが、仮にマシンをまとめ切れていなかったとしても、そこそこ以上に走れてしまう懐の深さがミシュランのレインにはありました。計測してすぐにタイムが出せたのを見ても分かるとおり、このレインタイヤはウォームアップ性能が非常に高い。ブレーキングも、ABSを装備しているFIA-GT規定のマシンよりも奥まで行けました。我々のマシンはターボエンジンなので、ストレートの後半でスピードが伸びてくる傾向なんです。そこでブレーキングを遅らせることができるなら、トップスピードにも非常にいい影響があるわけです。とにかく、このレインタイヤのパフォーマンスを目の当たりにしてしまうと、午後の決勝レースでも雨が降ってくれる方がうれしいですね」

■決勝レース

 スバルBRZ R&Dスポーツが降り続くことを願った雨は止んでしまい、薄曇りの空の下、ドライコンディションで午後2時ちょうどに決勝レースは開始。予選4位、2列目のグリッドからスタートするNo.61 スバルBRZ GT300の前半スティントは山野哲也が担当しました。

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 今回、No.61 スバルBRZ GT300はGT300車両の中で2番目に重い88kgものハンディウェイトを搭載しての出走であり、その足かせがスタートダッシュとその直後の混戦の中での走りに直接的に影響。オープニングラップを終えたBRZ GT300は7位にまでポジションを下げていました。

 そしてGT300クラスのトップが15周目に差しかかった頃、1台のGT500車両がメインストレートでクラッシュ。これによってセーフティカーが入り、そしてピットロードがオープンになったところで1台を除くすべてのGT500車両が一斉にピットイン。また、GT300クラスでもかなりの台数がピットへと滑り込んでいきました。その中にはNo.61 スバルBRZ GT300も入っており、当初の計画よりかなり早い段階ながら、スバルBRZ R&Dスポーツはここでタイヤ交換を行い、ドライバーも佐々木孝太へと交替しました。

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 このピットインラッシュの中から最初にコースへの復帰を果たしたGT300車両はNo.4 BMW Z4 GT3で、これにNo.31 トヨタ・プリウスGT、そしてNo.61 スバルBRZ GT300が続きました。

 30周終了時点での気温は26℃で、路面温度は29℃。空には雲が立ち込め、パラパラと雨が降ってきていました。そして35周目、佐々木孝太がドライブするNo.61 スバルBRZ GT300はコカコーラコーナーでスピン。幸い車両にダメージはなく、7位で戦列に復帰しました。

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 やがて、先のセーフティカー導入時にピットインせずに走行を続けていたGT300車両が次々にルーティンのピットストップを行いました。そして全車がドライバー交替を終えたところでトップに立っていたのはNo.4 BMW Z4 GT3でした。このとき、No.61 スバルBRZ GT300は4位にまで順位を上げてきていました。

 しかし、レース終盤に入るとNo.61 スバルBRZ GT300は思うようなタイムで走り続けることができなくなっていきました。後方から追い上げてきた車両に対して防戦一方となる中で徐々にポジションを落としていき、最終的には9位でのフィニッシュとなりました。

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 もっとも、ポイントランキングの上位を争うライバルたちもまた今回のレースではおしなべて苦戦しており、No.61 スバルBRZ GT300はNo.11 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3と同点で並ぶ形ながらもランキング2位をキープしました。

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山野哲也 (No.61 スバルBRZ GT300/スバルBRZ R&Dスポーツ)のコメント:

「ピットストップを行うタイミングが予定よりだいぶ早いことになりましたけど、セーフティカーが入って、そしてピットレーンがオープンになった以上、時間を節約するという意味では最も効率の良い出方だったと思います。実際、順位もかなり上げることができました。

 今回の問題は、狙っていたペースでコンスタントに周回できなかったことですね。原因はまだはっきりとは言えません。雨がいくらか降る状況もありましたけど、それは大きな問題ではないと思います。とにかく、今回思いどおりには走れなかった原因をこれからきちんと突き止めないといけないですね」

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏のコメント:

「神様に見放されたとしか言いようがないですね(苦笑)。雨はポツポツ降っているのに、雨足はそれ以上強くならない。BRZにとってはあまり良い状況ではありませんでした。降るならもっとたくさん降ってほしかったところです。最後に(ポイントランキングでトップの)No.16 ホンダCR-Z GTが我々の前に出ていってしまうことになったことも非常に悔しい。どうもこういう曖昧なコンディションではうまくいかないですね」

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日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

「今日は雨がパラつく状況でしたが、それがレースには良い方向にも悪い方向にも作用しなかったため、純粋なドライ路面でのレースという捉え方で評価していいと思います。使用したタイヤは2スティントとも同じものです。決勝での気温および路面温度で作動レンジには入っており、問題はなかったと考えています。

 コーナーでタイムを稼ぐBRZにとって、ウェイトハンディが88kgに達した今回のレースについてはそもそも厳しい展開を予想していました。実際には混沌としたレース展開となったわけですが、その中でもドライバーがポジションを維持して走ってくれたことが今回一番評価できるポイントだと思います」