【GT300】

2013年9月21日

スバルBRZ GT300、エクストライベントのアジアン・ル・マン第2戦富士の予選はクラス3位で通過

2013年Asian LMS(アジアン・ル・マン・シリーズ)第2戦

3 Hours of Fuji

9月21日(土) フリープラクティス2/公式予選

富士スピードウェイ(静岡県駿東郡):全長4.563km

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 SUPER GTにシリーズ参戦中のGT300車両を対象とする「SGTクラス」が特別に設けられたアジアン・ル・マン・シリーズ(アジアンLMS)第2戦の公式予選が富士スピードウェイで行われ、その「SGTクラス」に唯一のミシュランタイヤ装着車として出場するスバルBRZ R&DスポーツのNo.61 スバルBRZ GT300(山野哲也/佐々木孝太)は同クラスの3位で予選を通過しました。なお、予選クラストップはSUPER GTのGT300クラスで目下ポイントリーダーであるNo.16 ホンダCR-Z GT。そして、ル・マン・プロトタイプカテゴリーの2台に続く予選総合3位から10位までをSUPER GTのGT300車両が占める結果となりました。

■フリープラクティス2

 2回目となるフリープラクティスは午前10時15分から1時間にわたって行われました。天候は快晴で、気温は前日より若干低い25℃、路面温度は35℃でのスタートとなりました。

 セッション序盤で4台のマシンが1分39秒台の好タイムをマークしてきた中、まず山野哲也が乗り込んだNo.61 スバルBRZ GT300は決勝レース用のセッティングやタイヤ選択などを詰めていくためにピットインを繰り返しながら走行。1分40秒673、そして1分40秒236と、少しずつタイムアップしていきました。

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 セッション開始から19分過ぎ、前日はトラブルによって走行できなかったNo.55 ホンダCR-Z GTが、前日のフリープラクティス1でNo.61 スバルBRZ GT300がマークしたトップタイムを上回る1分39秒010を叩き出して一気にトップに躍り出てきました。その後、No.11 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3やNo.16 ホンダCR-Z GTなどもタイムを上げてきて、トップから8位までが1分39秒台に突入。一方、No.61 スバルBRZ GT300は1分40秒台を出したきりで、ついにはマシンをピットの中に戻してしまいました。

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 比較的長い時間ピットの中で様々な調整作業を受けた後、ドライバーが佐々木孝太に替わってコースに戻ったNo.61 スバルBRZ GT300は、ここから一気にタイムを上げていきました。まずは1分39秒118を出してクラス3番手にジャンプアップ。そして次の周にはついに1分39秒台の壁を破り、この時点でのトップタイムとなる1分38秒996を叩き出しました。

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 しかしその直後、No.2 マクラーレンMP4-12C GT3がNo.61 スバルBRZ GT300のタイムをさらに上回る1分38秒861をマークしてきて、結局これがフリープラクティス2のトップタイムに。BRZ GT300のベストタイムはこのセッションで2位につけるものとなりました。

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏のコメント:

「このフリープラクティス2では走行のほとんどを決勝レースを闘うためのマシン造りに費やしました。今回のレースでは、タイヤは2回交換しますし、周回数も100ラップ以上はこなすことになります。あまりコーナリング重視のセッティングをしてしまうと、タイヤの消耗が激しくなってしまう。今回はタイヤを持たせることをいつものSUPER GTのシリーズ戦以上に意識しなければならないレースなんです。ただし、このセッションで孝太が乗った最後のスティントだけは、予選を若干意識したものにしました。

 今回のアジアン・ル・マンへの出場は、我々のBRZがチャンピオン争いができる位置に立ってから急遽決まったものなのですが、エントリーしたのは良かったと考えています。SUPER GTはテストの回数が多くありません。そこへきて、この週末の昨日、今日で計2時間を使って、これまでにない仕様にトライすることができたのは非常に有意義でした」

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山野哲也 (No.61 スバルBRZ GT300/スバルBRZ R&Dスポーツ)のコメント:

「明日の決勝では、自分が昨日走らせた『ロー・ダウンフォース仕様』をベースにして、スティントの後半でもタイヤのパフォーマンスが発揮できるようなセッティングを考えています。予選ほどではないですが、若干のダウンフォースをつける方向ですね。

 タイヤは2種類あって、今回のレースでは全部で3つあるスティントのうち、どこでソフト方向のものを使うかがポイントになると思います。第1スティントを長くして第2スティントで投入するのか、第2スティントも長くして最後のスティントを短くし、ここでソフトを使ってアタックするのか......様々なやり方が考えられると思います。天候も考えながら、一番効率良くいける方法をこれからチームと話し合うつもりです」

■公式予選

 一時的に雲が太陽を覆い隠し、空は薄曇りとなった中、午後1時55分から30分間の公式予選がスタートしました。気温は29℃、路面温度は39℃まで上昇し、午前中よりも蒸し暑い陽気でした。

 真っ先にコースへ飛び出していったのはNo.5 日産GT-R GT3でした。最初の計測周回から1分39秒781を記録し、4周目には1分38秒880まで伸ばしてきました。

 他の車両はしばらく様子を見守っていました。そしてセッション開始から10分過ぎにようやく次のGT300車両がピットアウト。それがNo.16 ホンダCR-Z GTでした。同車は、この時点でのセカンドベストを大きく上回る1分38秒362というタイムを叩き出してきました。そのしばらく後には、同じくCR-ZのNo.55 ホンダCR-Z GTがわずか0.001秒差の1分38秒363をマークしてきたほか、SUPER GTのGT300クラスでランキング2位につけるNo.11 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3がこの時点での3番手タイムとなる1分38秒880を刻んできました。

 ここまで上位陣がタイムアタックを行ったところで、ようやくNo.61 スバルBRZ GT300もコースに出ていきました。佐々木孝太が乗り込み、1回目のアタックラップでは1分38秒528をマーク。この周回では1コーナーでややオーバーランしていたことから、佐々木は間合いを計って再びアタックしていきました。しかし前走車に行く手を阻まれてしまいます。結局、2周を費やしてもうまくクリアラップを取ることができず、タイヤを温存するために佐々木とチームはそれ以上のアタックは行わないこととしました。それでもBRZ GT300は予選でクラス3位、総合でも5位のポジションを獲得し、決勝レースを好位置からスタートすることになりました。

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏のコメント:

「あともう1回アタックすれば、もう少しタイムアップできたかな......とは思いますが、予選で使ったタイヤは決勝レースのスタートで履くタイヤでもあるので、温存することを選びました。

 予選ではフリー走行中よりも少しだけダウンフォースを増やしてみましたが、それでもストレートは伸びていたので、決勝での好材料が増えましたね。また、ロー・ダウンフォースの状態でもコーナーではミシュランタイヤが踏ん張ってくれるため、予想よりも落ち幅が少なかったです。

 レースでの最初の見どころはスタートですね。どれだけ置いていかれずに済ませ、逆にどれだけ食い付いていけるか。トップ2台との間に他のマシンを入れないことが大切ですね」

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佐々木孝太 (No.61 スバルBRZ GT300/スバルBRZ R&Dスポーツ)のコメント:

「タイヤの温まるタイミングとのかねあいで、タイムアタックでうまくいかないところがあり、仕切り直しをしたんですが、(他車に)引っかかってしまいました。ただ、アタックできたとしてもあとコンマ2秒くらいの伸び幅だったと思うので、トップを獲るほどではなかったかな......。

 ともあれ、無駄なアタックを控えてタイヤを温存できたおかげで、明日の決勝の第1スティントはしっかり走れると思います。ここを引っ張ることができれば、No.16 ホンダCR-Z GTとの闘いも変わってくるはずです。

 今日トップを獲れなかったのは正直言って悔しいですけど(笑)、明日は十分闘える状態だと思います」

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日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明とのQ&A:

Q:クラス3位となったこの予選をどう評価されますか?

「昨日のフリープラクティス1ではトップ、今朝のフリープラクティス2でも2位と好調でしたから、予選でもトップ3にはいられるだろうと考えていました。何らサプライズはなく、安心して見ていることができましたね。確かにアタックラップで引っかからなければもう少しタイムを上げられたかもしれないですが、それでも2台のCR-Zが速いのは分かっていたことですし、BRZとしては通常のSUPER GTシリーズでの予選と変わらない速さを発揮できたと考えています」

Q:これまでとは違った「ストレート重視のセッティング」での3位という結果については?

「今までとは『犠牲にしていたところ』と『得られたところ』が違う状態、重視するポイントが変わったマシンで3位を獲れたのは良い結果だと思います。よりレースに強いクルマになった上で予選でも速さを見せることができた、と言えますね」

Q:決勝に対するイメージは?

「今回は決勝レースが楽しみですね。今までは、予選でどんなに速くても、セクター1のストレートで抜かれてしまう苦しい状況が続いていました。しかし今回のマシンなら、レースでのアベレージタイムも上がる可能性が高い。ストレートで抜かれることがなければ、コーナーの速さもレースで活かせますから。以前のようなジレンマを感じないで、レースを見ていられるのではないでしょうか」