【2013】

2013年10月 6日

GT500クラスのミシュランタイヤ装着車3台がすべて10位以内で完走。REITO MOLA GT-Rが今季自己ベストの4位に

2013 AUTOBACS SUPER GT第7戦

SUPER GT in KYUSHU 300km

10月6日(日) 公式予選/決勝レース

オートポリス(大分県日田市):全長4.674km

入場者数:5日(土)11,600人/6日(日)22,100人(主催者発表)

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 SUPER GTシリーズ第7戦オートポリスが開催され、GT500クラスに出場したミシュラン・パートナーチームの3台はすべて10位以内でフィニッシュ。その最上位はMOLAのNo.1 REITO MOLA GT-R(本山 哲/関口雄飛)で、今シーズンにおける同車のベストリザルトとなる4位を獲得しました。続く5位にはウイダーモデューロ童夢レーシングのNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)が入り、NISMOのNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)はドライブスルーペナルティを強いられた影響で8位でのフィニッシュとなりました。

■公式予選

 今大会の公式予選は、悪天候のために10月5日(土)に行うことができず、決勝当日である10月6日(日)の朝に実施されました。

 今シーズンのSUPER GTはシリーズ全戦においていわゆるノックアウト方式で予選が行われていますが、決勝当日の朝に順延された今大会の予選はGT500とGT300の両クラスともに25分間ずつのセッションで実施され、そこで全車のスターティンググリッドを決定するものとされました。また、各クラスのセッションにおいては特別に2セットのタイヤを使用でき、その中から抽選により選ばれた1セットを午後の決勝レーススタート時の装着タイヤとすること、そしてこの予選に出走するドライバーは各車1名でOK、といった特別規則が設けられました。

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 何かとイレギュラーな形態で行われることになった今大会の予選。そのGT500クラスのセッションは午前9時25分に開始されました。曇りながら時々日差しも降り注ぐという天候でしたが、コースの大半には雨の影響が残っていたことから「ウェット宣言」がレースコントロールから出され、各チームはウェット用タイヤの使用が可能に。ただし、実際にそうした種類のタイヤを履いた車両はほとんどなく、GT500のミシュラン勢はすべてスリックタイヤを装着。その仕様の選択は、No.1 REITO MOLA GT-RとNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTがミディアムタイヤ、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはソフトタイヤというものでした。

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 この予選で真っ先に好タイムをマークしてきたのはNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rでした。タイムアタックを担当したロニー・クインタレッリは、このオートポリスにおける従来のGT500クラスのコースレコードを破る1分39秒361をマーク。すると、今度は本山 哲が乗り込んだNo.1 REITO MOLA GT-RがNo.23 GT-Rのタイムを上回る1分39秒347を叩き出してきました。と思いきや、今度はNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTがNo.1 GT-Rのタイムを更新する1分39秒171を出してきて暫定トップに。いずれにせよ、セッション中盤まではミシュランタイヤ装着車3台が次々とトップに立ちながら予選トップ3を独占し続けるという好パフォーマンスを見せたのでした。

 セッションも残り10分ほどになったところで大半の車両は一度ピットへ戻り、最後のタイムアタックに備えてスタンバイ。残り5分となったところでNo.1 REITO MOLA GT-Rが真っ先にコースインしていき、それを契機に他のチームの車両も続々とピットを離れていきました。

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 そして、25分間の予選セッションも残り30秒となったところで、フレデリック・マコヴィッキィがステアリングを握るNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTが1分38秒220を叩き出して一気にトップへ浮上。しかし、その直後にNo.38 レクサスSC430がこのタイムを上回ってきました。

 さらにロニー・クインタレッリが乗るNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rも1分38秒209にまでタイムを詰めて2位に浮上。No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTは予選3位に落ち着くことになりました。また、本山 哲がドライブしたNo.1 REITO MOLA GT-Rも他のミシュランタイヤ装着車2台と僅差の1分38秒346を記録し、予選4位に入りました。

 結果的に、ミシュラン・パートナーチームの3台は全車がポールポジション争いに加わりつつ、予選2位から4位までを占めることに。そして、日産GT-RとホンダHSV-010 GTというそれぞれの車種の中での最速タイムをミシュランタイヤ装着車が記録するという形になりました。

■決勝レース

 1周が4.674kmのオートポリスを65周、総走行距離303.81kmで争われる決勝レースは、天候は曇り、気温は20℃、路面温度は22℃、そしてコースにはウェットパッチが点在するものの全車がドライ用のスリックタイヤを装着するというコンディションのもとでそのスタートを迎えました。ミシュラン・パートナーチームの3台は、No.1 REITO MOLA GT-Rは本山 哲、No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTは山本尚貴、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rはロニー・クインタレッリがそれぞれスタートドライバーを務めました。

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 そのスタートで大きな波乱が起こることはありませんでした。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rが2位、No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTが3位、No.1 REITO MOLA GT-Rが4位と、各々の予選順位をそのままキープしてオープニングラップを終了。しかし、3周目にはNo.1 GT-RがNo.18 HSV-010 GTをかわして3位へと上がっていきました。

 スタートから7周をこなしたあたりからGT500クラスのトップグループがGT300クラスの車両を周回遅れにし始めました。その中で、先行車両が周回遅れに詰まるところを巧みに攻めてポジションを上げてきたNo.12 日産GT-Rが10周を終えるまでに2位まで浮上。これにNo.1 REITO MOLA GT-R、No.23 MOTUL AUTECH GT-R、No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTというミシュランユーザー3台が続くというオーダーになりました。

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 その後方からはNo.36 レクサスSC430が良好なペースで迫ってきており、28周目にはNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTを、翌29周目にはNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rをパスしていきます。ただし、その周回の終わりにはNo.23 GT-Rはピットロードへと向かい、ルーティンのピットストップを実施。柳田真孝に交替し、タイヤは第1スティントと同じソフトコンパウンドを再び装着して戦列に復帰していきました。

 さらに、その次の周にはNo.1 REITO MOLA GT-RとNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTもピットへ。関口雄飛が新たに乗り込んだNo.1 GT-Rは第1スティントと同じミディアムハードを選択。一方、フレデリック・マコヴィッキィに交替したNo.18 HSV-010 GTはミディアムからミディアムハードに変えて第2スティントに臨みました。

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 36周を終えてGT500クラスの全車がルーティンのピットストップを終えた時点で、ミシュラン・パートナーチームの3台は、No.1 REITO MOLA GT-R、No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GT、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rのオーダーで2-3-4位を占め、いずれもまだまだトップを狙える位置につけていました。しかし、第2スティントに入ってからのNo.18 HSV-010 GTはペースが伸び悩み、38周目にはNo.23 GT-RとNo.36 レクサスSC430に立て続けにかわされて5位にまで後退。また、No.1 GT-Rのペースもいまひとつで、これにNo.23 GT-Rが追いついてミシュランタイヤを履くGT-R同士が熾烈なバトルを繰り広げましたが、その間隙を突いてNo.36 レクサスSC430がこの2台の前へ出ることに。さらにNo.23 GT-Rにはピット作業違反の裁定が下ってドライブスルーペナルティが課せられ、これで同車はあえなく7位にまでの後退を余儀なくされてしまいました。

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 結局、No.1 REITO MOLA GT-Rは第2スティントでNo.36 レクサスSC430と、さらに後方から追い上げてきたNo.17 ホンダHSV-010 GTの先行を許すことになりましたが、それでもGT500クラスのミシュランユーザーで最上位となる4位に入賞。その持ち前のスピードをリザルトにつなげることがなかなかできずにきた同車にとって、これは今季最上位となる結果でもありました。

 また、やはり第2スティントでペースが上がらなかったNo.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTは、一時はNo.24 日産GT-Rにも抜かれて6位にまでポジションを落としましたが、残り2周というところで抜き返してみせて5位でフィニッシュ。トップとは6ポイント差のランキング3位につけ、11月3日決勝のシリーズ最終戦ツインリンクもてぎにはチャンピオン獲得の可能性を十分に残して臨みます。

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 一方、痛恨のドライブスルーペナルティを受けたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは8位完走という結果に。それでも、こちらもランキングトップとは11ポイント差とまだまだ逆転の可能性がある位置につけており、柳田真孝とロニー・クインタレッリのコンビは前人未到の同一コンビによるGT500クラス3連覇を目指してシリーズ最終戦ツインリンクもてぎに挑むことになります。

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本山 哲 (No.1 REITO MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「気温も路面温度も期待したほどには上がってくれなかったのですが、そんな中でもミシュランタイヤは安定したパフォーマンスを発揮してくれました。今回も勝てなかったし、あと一歩のところで表彰台も逃してしまったわけですが、しぶといレースをすることはできたと思います。今シーズンはこれまで何度も苦い経験をしてきましたけど、今回はレース中にペナルティを受けるようなこともなく、きちんと完走することができました。これをひとつのステップにしたいですね。

 次回のレースはいよいよシリーズ最終戦です。今回の経験を糧に、次回こそ表彰台に上ること。そしてできればその一番上を目指して戦って、最高のレースにしたいと思います」

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フレデリック・マコヴィッキィ (No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GT/ウイダーモデューロ童夢レーシング)のコメント:

「他のチームにとっても条件は同じですが、今回はピックアップの問題がすごく大きくて、ペースを上げることができませんでした。ただし、スティントの序盤はすごく速く走れていたので、そのペースがなぜ続かなかったのか、なぜピックアップの問題が大きくなっていったのかを検証しなければいけませんね」

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柳田真孝 (No.23 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「アウトラップで周回遅れのクルマにちょっと引っかかったんですが、タイヤをうまく温めることができ、クルマのフィーリングも良かったので、『これならいける!』と思っていました。気温も路面温度もあまり上がりませんでしたが、今回のような低めの温度域でも十分なパフォーマンスを発揮するタイヤをミシュランが開発してくれて、これが大きな助けになりました。

 その後、No.1 REITO MOLA GT-Rとのバトルが激しくなって、ちょっと当たってしまいました。彼らには申し訳なかったです。で、その間に36号車(No.36 レクサスSC430)に先行されてしまい、その後はペナルティを受けて......。

 今回はとても悔しい結果だし、手にしなきゃいけなかったポイントを逃したのは痛いけど、まだまだ(チャンピオン争いの)権利はあります。最終戦に向けて、もっともっと強くなって、11月のもてぎでは良いレースをしたいですね」

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日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

「我々のパートナーチームの3台とも、第1スティントで選択したタイヤはコンディションに合っていたと思います。特にNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rはソフトコンパウンドのタイヤであるにもかかわらずパフォーマンスがとても安定していましたし、同じタイヤを履いた第2スティントでも安定して走れていたので、クルマとのバランスが良く、タイヤをきちんと使えていたと思います。優勝した車両と比較しても遜色ないタイムで推移していたので、ペナルティがなければ表彰台は狙えたと思います。No.18 ウイダーモデューロHSV-010 GTは、第2スティントでは第1スティントとは異なるタイヤを使ったのですが、思ったよりタイムが伸びなかったので検証が必要ですね。

 このオートポリスというサーキットはトラフィックによるロスも大きいのですが、それにも増して、ピックアップのロスが大きいのが特徴です。トラフィックに巻き込まれ、ラインを変えたときに拾ってしまうんです。何周でピックアップを解消した状態に戻せるかということ、それからGT300車両を抜くときにいかにピックアップの影響を受けないように抜くかということが問題になります。

 一方、今回のレースではデグラデーション(タイヤの摩耗による性能低下)の問題は特にありませんでした」