【2014】

2014年4月 7日

後続車の追突を受ける残念な一戦に。それでも最後まで走り切り、BRZ R&D SPORTは21位完走からシーズンをスタート

2014 AUTOBACS SUPER GT第1戦
OKAYAMA GT 300km RACE
4月6日(日) 決勝レース
岡山国際サーキット(岡山県美作市):全長3.703km
入場者数:1万8000人(主催者発表)

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0001.jpg

肌寒いコンディションとなった岡山国際サーキットで2014年のSUPER GT開幕戦の決勝レースが開催され、GT300クラスにおいてミシュランタイヤの独占供給を受けるR&DスポーツのNo.61 スバルBRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)はクラス6列目からスタート。ところが、後続車両の追突を受けてリアセクションの破損を喫し、その修理のために長時間のピットストップを余儀なくされ、自ずと上位進出の権利を失うことになってしまいました。それでもBRZは戦列に復帰。クラス21位ながらも開幕戦をきちんと走り切って2014年シーズンを戦い始めました。

■フリー走行

前日の夕方から降り続いた雨は朝方に止みはしたものの、午前9時から始まるフリー走行の30分ほど前から再び降り出しました。結果、フリー走行は各車レインタイヤで走行。No.61 スバルBRZ R&D SPORTは2種類のレインタイヤの履き比べを行い、決勝レースが同じくウェットコンディションとなる場合に備えました。

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0002.jpg

ミシュランのレインタイヤのパフォーマンスの高さは定評のあるところで、佐々木孝太がステアリングを握ったNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは7周目には1分40秒909を刻んでその時点でのトップに。その後、チームは決勝レースに向けたセットアップに集中し、セッション終盤には井口卓人に交替。彼もレインタイヤを履いた状態の確認を行いました。

30分間のフリー走行はその終わり頃には雨が小降りとなり、チェッカーが振られた周回で1分33秒635をマークしてきたNo.10 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3がトップに。No.61 スバルBRZ R&D SPORTのベストタイムは井口が記録した1分36秒250でした。

■決勝レース

それにしても今年の岡山ラウンドは驚くほどに天候が不順でした。フリー走行後に開催されたポルシェ カレラカップ ジャパン(※タイヤはミシュランが一括供給)の第2戦決勝レースではその終盤に天候が急に崩れてみぞれ混じりの雨が降り、セーフティカー先導状態でチェッカーが振られることに。ところが、その後は嘘のように晴れ渡り、太陽が顔を出すという予測不能な空模様だったのです。

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0003.jpg

そして午後2時ちょうどに82周の決勝レースがスタート。晴天でドライコンディションながらも、直前に太陽が隠れたことで気温は8℃に下がり、路面温度は15℃という低さでした。

SUPER GTはペースカー先導によるローリングスタートで始まりますが、今年からスタート前の周回数が2周に増えました。これは新しい車両規定となったGT500マシンが新たに備えることになったカーボンディスクブレーキに熱を入れて作動温度域にまで高める余裕を持たせるためにウォームアップラップをまず行い、続いてスタートの隊列を整えるためのフォーメイションラップを行うことになったものです。

ところが、今回は隊列が整い切らなかったためにフォーメイションラップが2周にわたることに。スタート前に少しでもタイヤに熱を入れておきたいNo.61 スバルBRZ R&D SPORTにとっては好都合でした。なお、フォーメイションラップが2周となったことにより、レース周回数は1周減って81周となりました。

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0004.jpg

GT500クラスの集団からしばらく距離を置いたところで、24台が出場するGT300クラスの一団が一斉にスタート。ここで好ダッシュを決めたのは予選2位のNo.4 BMW Z4 GT3で、ポールポジションのNo.31 トヨタ・プリウスGTの前に出て1コーナーでトップを奪いました。その前方ではGT500車両2台の接触があり、1台がコース上でストップしましたが、後続車両はすべてこれを無事にかわしていきました。

レース序盤はNo.4 BMW Z4 GT3とNo.31 トヨタ・プリウスGTがトップを争い、3秒ほど後方でNo.11 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3とNo.7 BMW Z4 GT3が3位争いを繰り広げるという構図でした。そしてその頃、佐々木孝太がスタートドライバーを担当したNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは予選順位と同じ11位を走行していました。

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0005.jpg

10周目、No.10 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3がGT500車両との接触によりドライブスルーペナルティを受け、これによってNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは10位に浮上。さらに、No.32 BMW Z4 GT3がストップしたことによって9位へとポジションを上げていきました。

2周目以降は大きな波乱もなく進んだレースでしたが、GT300クラスの上位の周回数が15周を超えたあたりからサーキット上空に黒い雨雲が押し寄せ、やがてみぞれ混じりの雨が降り出しました。気温と路面温度はさらに低下。こうしたコンディションの急変の中でNo.11 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3が飛び抜けた速さを見せ、18周目にNo.31 トヨタ・プリウスGTをかわして2位に浮上すると、翌19周目にはNo.4 BMW Z4 GT3まで抜き去ってトップに立ちました。

一方、順調にロングランを重ねようとしていたNo.61 スバルBRZ R&D SPORTには思わぬアクシデントが降りかかってきました。オフィシャルによる黄旗の振動掲示を確認した佐々木孝太は当然のこととして安全確保のためスローダウンしましたが、そこへ後続車両が減速をかけることなく追突してきたのです。これにより、No.61 スバルBRZ R&D SPORTはリアディフューザーをはじめとするリアセクションを破損。走行は続けられる状態でしたが、破損状態は悪化するばかりで、21周目を終えたところでピットへとマシンを向けざるを得なくなったのでした。

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0006.jpg

レースもまだ4分の1をこなしたばかりというところでNo.61 スバルBRZ R&D SPORTの開幕戦は終わってしまうのかと思われましたが、チームはこれを何とか修復。新たに井口卓人が乗り込んで戦列に復帰しました。この時点で順位はクラス22位まで落ちてしまい、1ポイントを拾うこともできないであろうことは明らかでしたが、それでもNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは最後まで走り続け、クラス21位で波乱のレースをフィニッシュしました。

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0007.jpg

なお、序盤から上位につけ続けたNo.31 トヨタ・プリウスGTはリタイアを喫し、No.11 メルセデス・ベンツSLS AMG GT3もトップ争いから後退。No.4 BMW Z4 GT3が優勝を飾り、これにわずか0.329秒差でNo.7 BMW Z4 GT3が続いて、2014年のSUPER GT開幕戦GT300クラスはBMW勢の1-2フィニッシュに終わりました。

佐々木孝太 (No.61 スバルBRZ R&D SPORT/R&Dスポーツ)のコメント:

「前方で黄旗が出ていたので自分は減速したのですが、後ろがそれを見ていなかったのか......。追突された自分のBRZが前のマシンを追い越してしまうほどの衝撃でした。それからマシンの調子が悪くなっていって、ピットインしました。

 コンディション的には、路面温度がとにかく低くて厳しかったのは事実ですが、そうした条件でも1分30秒530という自己ベストを出せ、それだけのペースを作れたのは良かったです。もし、あのまま周回を重ねられる状況になっていたら、きっとポイント圏内には入れただろうと思います」

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0008.jpg

井口卓人 (No.61 スバルBRZ R&D SPORT/R&Dスポーツ)のコメント:

「マシンを修復して自分がレース後半を走ったのは、タイヤのデータを取りたかったからです。何かを試すというよりは、最後まで走ってグリップの推移を見たかったのです。

 レースの最後は急に路面温度が下がってしまって、そうなるとタイヤかすも余計に多く拾ってしまうので厳しかったのですが、それまでは比較的トラクションも高く、フィーリング良く走り続けられることが分かりました。状況的に今日はあまりにも路面温度が低かったですが、目標にはまた一歩近づけたと思います。当初はピンポイント的だったクルマの操縦性が扱いやすくなっていると感じているので、次回は期待して下さい!」

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0009.jpg

スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏のコメント:

「今日はレースとしては語れる内容はないですね。アクシデントの後、井口には普通に行ってもらいましたけれど、彼にとっては厳しい走行だったはずです。すでに我々は10ラップ以上トップから遅れていたわけですから、順位争いをしているマシンたちの邪魔はできない。つまり、後ろからマシンが来たら、井口はラインを譲らなければならなかったわけです。それまではGT500だけを先に行かせれば良かったところを、今回は同じクラスのマシンにまで譲って走らなければならなかったわけですから、まともなラインなんて取れませんよね。

 そんな中で1分32秒台を出したというのは井口の力だと思います。当たり前ですが、レーシングカーというのは速く走らせるように作られています。それをゆっくり走らせたら、タイヤも十分に発熱しなくて本来の性能を存分に出しにくいですし、タイヤかすを多く拾ってしまうのも当然です。クリアなラインが取れた周回に1分32秒台を出したときでもすでにそうした状況でしたから、普通の状況であればもっと速く走ることは可能だろうと思います」

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0010.jpg

日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

「残念ながらタイヤ的には収穫のないレースになってしまいました。レースを作るところまで走れませんでしたから。チームも言っているように、今年のNo.61 スバルBRZ R&D SPORTのテーマは『強いクルマ』です。つまり、一発の速さではなくアベレージタイムを上げること。そしてその前に、アベレージタイムを作れるようにすることです。ところが、第2スティントでは10周以上も周回遅れとなって、後続車両にラインを譲るよう促すブルーフラッグが常に振られてしまうような状況でしたから......」

MICHELIN_2014_SUPER GT_R1_0406_race_GT300_0011.jpg