【2014】

2014年5月 3日

快晴の富士で快走! スバルBRZ R&D SPORT、予選2位を奪い、決勝レースはフロントロウからスタート!

2014 AUTOBACS SUPER GT第2戦
FUJI GT 500km Race
5月3日(土) 公式予選
富士スピードウェイ(静岡県駿東郡):全長4.563km

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快晴に恵まれた富士スピードウェイでSUPER GT第2戦の公式予選が行われ、GT300クラスにおいてミシュランタイヤを履くR&DスポーツのNo.61 スバルBRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)は予選2位を獲得。決勝レースは前年大会に続いて同クラスの最前列から戦いを始めることになりました。

■公式練習

午前9時から2時間の枠で行われた公式練習は、路面温度が30℃を超える暖かいコンディションのもとで始まりました。今年、No.61 スバルBRZ R&D SPORTが目指すものは"速さ"以上に"強さ"。予選での上位を狙いつつも、決勝レースを存分に戦い抜けるセッティングがこのセッションでは模索されました。

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FIA-GT3規定の車両を使う各チームがセッションの早い段階から次々と速いタイムを刻んできた中、佐々木孝太が乗り込んだNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは今回のレースに合わせて開発されたミシュランタイヤの感触をまずは確かめるためにマイペースで走行。それでも10周目には、24台が出走したGT300クラスの中で暫定の3位につける1分39秒319をマークしてきました。

しかしこのとき、BRZ GT300は小さな問題を抱えていました。今年から追加装備されたABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の作動状態が若干悪く、そのために佐々木はマシンのセッティングを進めることができなかったのです。そこでNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは一端ピットに入り、走行を仕切り直すことに。ところがその後も感触は直らず、当座はABSを切って走行を続けることになりました。

このため、佐々木の後に乗り込んでロングランを行う予定だった井口卓人の走行時間は若干減ってしまいましたが、それでも満タン状態で1分39秒台後半〜40秒台のタイムをコンスタントに刻み、決勝レースに向けての明るい材料を増やしました。また、井口の走行の際には再び作動させたABSに不具合は出ず、無事に公式練習を終えることができました。

なお、この公式練習におけるトップタイムはNo.3 日産GT-R GT3の1分38秒835でした。昨年のこのレースの同じセッションで最速だったのはNo.61 スバルBRZ R&D SPORTで、そのときのタイムは1分38秒880。そして予選でもBRZが最も速く、1分37秒610をマークしてポールポジションを獲得しています。

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏とのQ&A:

Q:最高速が重要となるこの富士スピードウェイでのレースにおいて、昨年はダウンフォースを減らした仕様を試されていましたが、今回も同じような仕様なのでしょうか?

「いいえ、今年はレス・ダウンフォース仕様にはしていません。むしろダウンフォースは増えていると思います。BRZはコーナーが速いマシンです。それを最高速方向に振ったところで、ライバルたちとの差は埋まらないうえに、自分たちの持ち味をも減らしてしまうということに気付いたんですね。強いBRZを作るためには『得意分野をもっと伸ばすこと』が大切だとチームで結論を得ました。ですから、マシンは昨年以上にコーナリング重視にしています。そのうえで、ミシュランタイヤを長持ちさせるセッティングを探しています」

Q:今回の公式練習はどのような感触をつかまれましたか?

「ABSのトラブルは予想外でしたが、井口のときには症状が出ませんでしたし、最悪ABSをオフにしても昨年と同じですから大きな問題はないと考えています。

 今年は、昨年よりもセクター3(テクニカルなコーナーが続くコース後半区間)が速くなっています。コーナリング速度が確実に上がっている証拠ですね。先ほどの公式練習でもトラブルなく走れていればタイムはもう少し行けたと思います。ただし、昨年のようにそれを必死で追いかけているわけではありません。午後の予選は、決勝用にタイヤを温存できるセッティングで走り、そのうえで可能なかぎり前に行くことが目標です。それができれば、BRZが苦手としているこの富士スピードウェイでもポイントを取れると思います」

■Q1(予選第1セッション)

午後2時ちょうどから始まったGT300クラスのQ1。No.61 スバルBRZ R&D SPORTは井口卓人がそのステアリングを握りました。そしてこのセッションにおけるトップ争いは"ハイブリッドマシン対決"からスタート。4周目にNo.31 トヨタ・プリウスGTが1分39秒030をマークすると、これをNo.55 ホンダCR-Z GTが抜き返していきました。やがて、ここにNo.9 ポルシェ911 GT3 R、No.3 日産GT-R GT3、No.7 BMW Z4 GT3といったFIA-GT3車両勢が割って入ってきました。

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15分間のQ1も残り5分となった時点でNo.61 スバルBRZ R&D SPORTがにわかにタイムを上げてきました。じっくりと熱を入れてタイヤがフルにパフォーマンスを発揮できる状態にまで持っていくと、井口は鋭いタイムアタックを敢行、計測周回の5周目には1分38秒394という好タイムを刻んで暫定の2位に躍り出たのです。その後、No.2 マクラーレンMP4-12CがBRZを上回るタイムをマークしてきましたが、Q2進出は確実と見たチームは井口をピットに呼び戻し、No.61 スバルBRZ R&D SPORTは3位という上々のポジションでQ1通過を果たしました。

■Q2(予選第2セッション)

GT300クラスのQ1に続いて行われたGT500クラスのQ1が終わり、午後2時40分からはGT300クラスのQ2が行われました。このセッションは12分間と短く、各車はそれぞれのクリアラップを作るべく、独自の間合いでピットアウトしていきました。

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ポールポジション争いが本格化したのは3周目からでした。まずはNo.30 日産GT-Rが1分38秒479でトップに立つと、その後すぐにNo.7 BMW Z4 GT3が1分38秒495でこれを逆転。しかしNo.30 日産GT-Rがすぐさまこれを抜き返す、という激しい争いが繰り広げられました。そしてその頃、佐々木孝太が乗り込んだNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは6位につけるタイムをマークしていました。

セッションも残り4分を切った頃、No.3 日産GT-Rがついに1分37秒台にタイムを突入させ、1分37秒841でトップに立ちました。一方、2位以下は1分38秒台に8台がひしめく大接戦で、その中にはNo.61 スバルBRZ R&D SPORTも含まれていました。そして残り時間が1分を切ったところで佐々木は再び6位につける1分38秒515をマーク。これでBRZは決勝レースをクラス3列目からスタートすることになるかと思われました。ところが、その後さらにタイムを上げてきた車両が現れたことにより、BRZは7位へと後退しました。

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しかし、セッションが残り1分を切ったところでコントロールラインを通過していた佐々木はここで最後のタイムアタックに出ていました。そしてチェッカーフラッグが振られる中で叩き出してきたタイムは1分38秒034。これによりNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは最後の最後で予選2位を奪うことになりました。ストレートスピードがライバルたちより10km/h以上遅いBRZですが、高速コーナーが続くセクター2とテクニカルセクションのセクター3では最速で駆け抜けていました。

なお、ポールポジションはNo.3 日産GT-Rが獲得、予選3位にはNo.55 ホンダCR-Z GTがつけました。

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏のコメント:

「Q1での井口のアタックは完璧でした。もう1周行くこともできましたが、1分38秒3が出た時点でOKを出しました。一方、孝太が担当したQ2はもう少し早い段階からマシンを走り出させても良かったですね。これはライバルとの関係も見ながらの作戦だったので何とも言えない部分もありますが、他より2分くらい遅くアタックさせましたから。

 結果的に予選2位というのは上出来です。『できれば2列目に行きたいな......』ということは孝太とも話していましたが、まさかフロントロウが獲れるとは思っていなかった。あくまで決勝レースを考えたうえでこの結果が出せたことが何より嬉しいですね」

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井口卓人 (No.61 スバルBRZ R&D SPORT/R&Dスポーツ)のコメント:

「朝の公式練習から乗れていたので、予選もそのままの気持ちで行くことができました。サポートレースのアクシデントなどで路面が汚れていたところもありましたが、ミシュランタイヤの良さを引き出して走れたと思います。ストレートではFIA-GT3のマシンに負けますが、コーナーではBRZが確実に速い。また、タイヤも比較的温存できていると思います。

 明日もこのくらいに気温が高いのであれば確実に良いパフォーマンスを出せるはずです。3回のスティントがあるので、その都度良いタイヤを選んで、ピット作業も含めてトータルでしっかりとタイムを稼ぎ、そして自分の走りをすれば、結果は出せると思います」

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佐々木孝太 (No.61 スバルBRZ R&D SPORT/R&Dスポーツ)のコメント:

「井口が良いタイムを出してくれたので、そのコメントを参考に自分の走り方も考えていきました。そしてミシュランタイヤが持ち前のグリップを発揮してくれました。

 セッションの最後の最後で自己ベストを出すことになりましたが、僕たちは決勝を見据えて、かなりしっかりめのタイヤを選んでいたので、自分が思ったよりもグリップの立ち上がりが遅かったということがあります。そういう意味では、僕ももう少し早くアタックを開始するべきでした。まだまだタイヤの特性をつかみ切れていなかったという反省があります。ただし、その分、決勝ではミシュランタイヤが素晴らしいグリップをもっともっと発揮してくれて、さらにそのグリップを長持ちさせることができると思っています」

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日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明とのQ&A:

Q:今回の予選結果についての評価を聞かせてください。

「非常に素晴らしい結果だと思います。富士はBRZが得意とするコースではありませんから、6位以内であれば十分な結果だと言えると思うのですが、そこで2位を獲得できたのは、チームとドライバーが素晴らしい働きをしたからでしょう。井口選手は最小限のアタックでタイヤを温存しましたし、佐々木選手は素晴らしいタイムを出しました」

Q:タイヤを温存するというのは、具体的にどういうことを言うのですか?

「適切でない状況で使われることによってタイヤは傷みます。過度に荷重をかけてスライドさせてしまったり、ブレーキをロックさせてしまったりと、本来与えてもいいレベルを超えた入力を与えれば、偏摩耗も進みますし、構造も壊れてしまうんです。つまり、『タイヤを温存する』ということは、タイヤを本来あるべき使い方で使うということなのです」

Q:チームは「ミシュランタイヤを使い切ることが今年のテーマ」だと言っています。エンジニアから見て、これまでのところ、それができていると思いますか?

「そうですね。新品のタイヤを入れたときにタイムが出るのはある程度は当たり前のことで、タイヤが摩耗してきたときでも安定して速いタイムを刻めるのが本当に良いクルマです。今年、チーム(R&Dスポーツ)はそれを目指しています。もしくは『タイヤが安定して摩耗するようなセッティング』をつかもうとしています。No.61 スバルBRZ R&D SPORTは昨年に比べて確実に良い状態でタイヤを使っていると言えると思います」