【GT500】

2014年5月 4日

MOTUL AUTECH GT-R、トップ快走もトラブルにより後退。GW富士ラウンドはミシュラン勢には残念な一戦に

2014 AUTOBACS SUPER GT第2戦
FUJI GT 500km Race
5月4日(日) 決勝レース
富士スピードウェイ(静岡県駿東郡):全長4.563km
入場者数:予選3万2200人/決勝5万7200人(主催者発表)

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シリーズで2番目に長い500kmのレース距離で争われるSUPER GT第2戦の決勝レースが開催され、ミシュランタイヤを履く2台の日産GT-Rがスタートから好走を見せましたが、フロントロウから出たNo.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝)はレース序盤でトラブルによりリタイア。レース半ばにはトップに立ち、今季初優勝に向けてひた走ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も別なトラブルに見舞われて後退し、8位でのフィニッシュに。また、No.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GT(山本尚貴/ジャン‐カール・ベルネ)は終始ホンダ勢の最上位を走り続けたものの10位に終わり、ミシュラン勢にとっては残念なゴールデンウィークの富士ラウンドとなりました。

富士スピードウェイを110周して争われる500㎞の決勝レースのスタートは午後2時。天候は晴れ、気温20℃、路面温度36℃というコンディションでした。

GT500クラスに出場するミシュラン・パートナーチームの3台ですが、予選2位となってフロントロウを獲得したNo.46 S Road MOLA GT-Rは本山 哲、続く予選3位・セカンドロウのNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rはロニー・クインタレッリ、予選11位のNo.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GTは山本尚貴がそれぞれスタートドライバーを務めました。

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今年から導入された新規定のGT500車両はカーボンディスクブレーキを備えており、それは十分なレベルにまで温度が高まらなければ本来の制動力を発揮しません。そこで、車両の隊列を整えるためのフォーメイションラップの前に、ブレーキ他を温めるためのウォームアップラップが今年新たに追加され、都合2周のローリングラップを経てスタートが切られました。

その注目のスタートでは大きな波乱は起こらず、No.46 S Road MOLA GT-Rは2位、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは3位と予選順位をキープしてオープニングラップを終了。ポールポジションから飛び出していたNo.12 日産GT-Rを追いかけました。

ところが、先頭集団が4周を終えたところでGT300クラスの車両がストレートエンドのサイドウォールに激しくクラッシュ。その処理のためにセーフティカーが導入され、9周目に再スタート。レースは仕切り直しとなりました。

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この再スタートでも上位陣にポジションの変動はなく、トップを行くNo.12 日産GT-RをNo.46 S Road MOLA GT-Rが追いかける展開に。ところが、19周目のストレートエンドでシルバー&ブラックの日産GT-Rがパッと炎を吹き出しました。瞬時に異変を察知した本山 哲はすぐにマシンをコースサイドに寄せて脱出。2011年&2012年の2年連続チャンピオンチームであるMOLAとしては久々に勝機をつかみつつあった一戦でしたが、無念のリタイアを余儀なくされてしまいました。

このNo.46 S Road MOLA GT-Rの消火作業などのために再びセーフティカーが導入され、この間にNo.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GTは予定より前倒しでピットストップを実施。山本尚貴からジャン‐カール・ベルネへと交替してコースに戻りました。そして22周目を終えたところでレースは再開されました。

2度目の再スタート後もやはりNo.12 日産GT-Rが逃げを打ち、これをNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが追うというオーダー。その後、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは周回遅れに前を塞がれたところをNo.36 レクサスRC Fに迫られ、ブレーキングで一瞬前に出られるもののクインタレッリが冷静にクロスラインで抜き返すという攻防もありました。

そしてNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rは34周目を終えたところでピットへ。給油、タイヤ交換とともに、クインタレッリから松田次生へとドライバー交替しました。他の日産GT-R勢やレクサスRC F勢もこのタイミングで続々とピットに入り、早くに1回目のルーティンストップを行っていたNo.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GTがトップに立つことになりました。

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もっとも、No.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GTのトップはピットストップタイミングによる暫定的なものであり、加えてホンダNSX CONCEPT-GT勢はレギュレーションに由来する車重のハンデから総じてスピードがありませんでした。そして47周目、No.23 MOTUL AUTECH GT-RがNo.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GTをとらえてトップに浮上。今年から日産のエースチームのマシンをドライブすることになった松田はその後も良好なタイムで周回を重ねていきます。他方、これを追いかけるNo.12 日産GT-RはGT300車両との接触によってスピンを喫し、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rのリードは大きく広がることとなりました。

待望の今季初優勝へと突き進みつつあったNo.23 MOTUL AUTECH GT-R。ところが、このマシンを69周目に突如トラブルが襲いました。ハイスピードで駆け抜けていくはずの300Rで一時ストップし、その後スロー走行でピットへ。チームは素早く修理作業を行ってマシンを戦列に復帰させましたが、それでも9位へと大幅な後退を余儀なくされていました。

その後、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rは他の車両より1秒以上速い1分30秒台のタイムを並べながら猛烈に追い上げ、86周を終えたところでピットイン。ドライバー交替して最後の第3スティントを担当したロニー・クインタレッリもやはり1分30秒台を刻みながら周回を重ね、最終的には8位でフィニッシュしました。

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No.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GTのレース後半はさらに多難でした。63周目に2度目のピットストップを行い、ジャン‐カール・ベルネから山本尚貴に交替しましたが、10位走行中の83周目に電気系トラブルを抱えてストップ。このトラブルは他の4台のホンダNSX CONCEPT-GTにも発生しており、彼らは例外なくリタイアに追い込まれていました。他方、No.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GTは再スタートを切るとピットに戻り、修理作業を経て戦列に復帰。その後も同じトラブルが再発すると、ピットに滑り込んで来ては修理を行ってコースに戻ることを繰り返しました。そして苦しい走行を続けたすえに、ゼッケン15のホンダNSX CONCEPT-GTはトップから15周遅れながらも10位で完走、貴重な1ポイントを手にしました。

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松田次生 (No.23 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「朝のフリー走行からクルマのバランスが良くて、トップタイムもマークできていましたから、レースには自信を持って臨むことができました。ロニーが2位でつないでくれて、僕のスティントではトップに立つこともできました。でも、優勝も見えてきたところでステアリング系にトラブルが出てしまい、残念で悔しい結果になってしまいました。ただ、次のオートポリスについては、先日のテストでも良い手応えを得ていて、一発の速さだけでなくロングランでも速いことが確認できているので、気持ちを切り替えて今度こそ優勝を狙っていきます」

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ロニー・クインタレッリ (No.23 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「今日は勝てたレースだっただけに残念です。でも、完走して3ポイントを獲ることができたのは良かったです。それに、予選、決勝と、GT-Rとミシュランタイヤのパッケージが速いことは証明できたと思っています。次のオートポリスは、去年までのGT-Rも得意としていましたが、新しいGT-Rでも速いことはテストで確認済みです。優勝できるよう、気持ちを切り替えて頑張ります」

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山本尚貴 (No.18 ウイダー モデューロNSX CONCEPT-GT/ウイダー モデューロ 童夢レーシング)のコメント:

「今回はスピードが足りませんでしたね。戦略的な狙いから、2度目のセーフティカーがコースインしたところで最初のルーティンピットストップを行ったため、JK(ジャン‐カール・ベルネ)がドライブした第2スティントでは燃費を稼ぐためにペースを上げられなかった、ということもありました。いずれにしてもこの先は、ミシュランタイヤのポテンシャルに相応しいタイムで走れるようにクルマを速くしていきたいと思います」

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本山 哲 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「スタートからずっと調子が良くて手応えもあったから、今回はとても期待していたんです。序盤を過ぎてレースが落ち着いてきて、"これからペースを上げていこう!"ってときにマシンにトラブルが出てしまいました。手応えがあっただけに悔しさも大きいけど、これはもう仕方ない。来週の菅生でのテストで良いマシンを仕上げて、次のオートポリスでは開幕戦と今回の2レース分の悔しさをぶつけて頑張ります」

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日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

「GT500が新型車両になってから500kmという長丁場は走ったことがなかったので、車両側のトラブルはいろいろ出ることになりましたが、全般的には大きな事故なく安全に終わったので良かったと思っています。

 今回は、レース結果はともかく、我々の製品に競争力があること、勝つために十分な性能を持っていたことは証明できましたし、タイヤにおいてはトラブルを出すことはありませんでしたので、製品の性能と安全性は発揮できたと考えています」