【GT300】

2014年5月31日

スバルBRZ R&D SPORT&ミシュランタイヤ、圧倒的スピードで今季初のポールポジションを奪取!

2014 AUTOBACS SUPER GT第3戦
SUPER GT in KYUSHU 300km
5月31日(土) 公式予選
オートポリス(大分県日田市):全長4.674km
入場者数:予選日 1万3800人(主催者発表)

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真夏を思わせる晴天に恵まれたオートポリスでSUPER GTシリーズ第3戦の公式予選が開催され、GT300クラスで唯一ミシュランタイヤを使用するR&DスポーツのNo.61 スバルBRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)が圧倒的なスピードを見せて今シーズン初めてとなるポールポジションを獲得。昨年、シリーズ戦8戦のうち5戦で予選最速を奪った速さを改めて示すとともに、スタートが重要なこのサーキットで最高のポジションを手に入れることに成功しました。

なお、GT500クラスにおいてもミシュランタイヤ装着のNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが最速タイムを記録しており、ミシュランは昨年の第5戦鈴鹿以来となるGT300とGT500の両クラスにおけるポールポジション獲得を果たしました。

■公式練習

梅雨入り前の開催となった今年のSUPER GTオートポリス大会は予選日の朝から晴れ渡り、公式練習が始まった午前9時の時点で気温はすでに24℃に達していました。

10月に開催された昨年のオートポリス大会におけるGT300クラスのポールポジションタイムはNo.3 日産GT-R GT3がマークした1分47秒222。その後、このサーキットは路面が再舗装されたことから、車両規定に大きな変更のなかったGT300クラスでも各車軒並みタイムを向上させてきました。

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中でも目覚ましい速さをこの公式練習の段階から見せてきたのがNo.61 スバルBRZ R&D SPORTでした。まずは佐々木孝太が乗り込み、16周目には1分46秒146をマーク。同車の昨年大会における予選タイムは1分48秒408でしたから、公式練習の段階で2秒をゆうに超えるタイム短縮という恐るべき速さです。また、このセッションの後半でステアリングを握った井口卓人も1分46秒387という自己ベストを合計11周と比較的少ない周回数の中でマーク。No.61 スバルBRZ R&D SPORTの好調さを印象付けました。

結局、この公式練習では佐々木が記録した1分46秒146をもってNo.61 スバルBRZ R&D SPORTがトップ。2位にはNo.2 マクラーレンMP4-12Cが1分46秒941、3位にはNo.9 ポルシェ911 GT3Rが1分46秒944で続き、1分46秒台にタイムを入れたのはこの3台だけ。その中でもNo.61 スバルBRZ R&D SPORTの突出ぶりが印象的でした。

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏とのQ&A:

Q:今回の公式練習ではどのようなメニューをこなされたのでしょうか?

「ひとつは午後の予選と明日の決勝に向けたタイヤの選定です。あとは、空力パーツを若干変えましたのでその確認。セッティングは、タイヤを持たせることを第一に考えて行いました」

Q:空力パーツの若干の変更とは?

「後付けパーツのリファインです。具体的には、フロントまわりのスポイラー形状や、ルーフまわりのドラッグ低減処理を行いました。コンセプトは、空気抵抗を増やさずにダウンフォースを得ること。最高速が落ちないギリギリの範囲でダウンフォースを増やしていくことを狙いました。ダウンフォースだけにとらわれると、どうしてもCD値(空気抵抗係数)が大きくなりますから。空力もタイヤを持たせるセッティング材料のひとつですので」

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Q:公式練習では佐々木選手が走行の大半を担当しましたが、これはどのような理由から?

「セッティングの方向性を決めるのには、ひとりのドライバーの意見でまとめるのが時間を一番短縮できるからです。たとえば3つのメニューがある場合、これをふたりに確認させるだけでものすごく時間がかかってしまいます。ひとりのドライバーの意見でまとめるには、ふたりのドライバーが同じレベルにいなければなりませんが、我々のドライバーの佐々木孝太と井口卓人の方向性は非常に似ていて、それができるんです。井口はセッションの終盤に少し乗っただけですが、さっとタイムを出したところはさすがです」

Q:今回は非常に天候が良いですが、路面温度的には想定したとおりですか?

「実はもっと涼しいだろうと予想していました。だから"今回は苦戦するだろう"という覚悟もありました。この公式練習の走り始めで路面温度はすでに30℃以上あり、セッションの中盤以降は40℃を超えていましたから、むしろ暑すぎるくらいですね。ところがこれだけタイムが良かったというのは、そうした厳しい条件の中でミシュランタイヤの性能が抜きん出ていたからだと思います」

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Q:1分46秒146というベストタイムについてはどう考えていますか?

「タイムを出すだけなら、もっと行けます。単独で走っているかぎり、BRZ GT300は速いんです。また、ミシュランタイヤの性能があれば、そのくらいのタイムが出るのは当たり前だと思います。しかし、何度も言いますが、大切なのは決勝レースでミシュランタイヤの本来の性能を引き出し続けることです。したがって、この公式練習でも決勝を考えてセッティングを出して行きましたが、それでもこのタイムは十分出すことが可能でした」

■Q1(予選第1セッション)

午後2時ちょうどから始まったGT300クラスのQ1。No.61 スバルBRZ R&D SPORTは井口卓人がアタックドライバーを務めました。

このセッションではNo.88 ランボルギーニ・ガヤルドGT3が真っ先に仕掛け、1分46秒台半ばのタイムで暫定トップに立ちました。しかし、2周をかけてタイヤに熱を入れた井口がアタックに入ると、2位以下を大きく突き放す1分45秒717という圧倒的なタイムを叩き出してきました。

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その後はNo.55 ホンダCR-Z GTが1分46秒を切ってきましたが、それでも1分45秒969止まり。かたや、Q1通過は確実と判断したR&Dスポーツは、決勝にタイヤを温存するため井口に早々とピットインを指示。走行は全部で4周、わずか1周のアタックラップでNo.61 スバルBRZ R&D SPORTはQ1をトップで通過しました。

■Q2(予選第2セッション)

午後2時48分から12分間で争われたQ2には、Q1を通過した13台が出走。このセッションでNo.61 スバルBRZ R&D SPORTのステアリングを握った佐々木孝太は最初から意欲的にアタックの機会をうかがっていきましたが、コース状況から思うようなタイムを出せずにいました。それに対して、このセッションでも好調のNo.55 ホンダCR-Z GTは、Q1でのNo.61 スバルBRZ R&D SPORTのタイムを上回る1分45秒503を叩き出してきました。

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一時はこのタイムで決まりかと思われましたが、まったくそんなことはありませんでした。まずまずのクリアラップを得たNo.61 スバルBRZ R&D SPORTは佐々木のアタックによって1分45秒335をマーク。No.55 ホンダCR-Z GTのベストタイムをさらに0.168秒上回ってトップに躍り出たのです。

これに触発されたのか、No.55 ホンダCR-Z GTは再びアタックに突入。各セクターでベストタイムを更新する走りを見せましたが、最後にトラフィックにつかまって万事休すとなりました。これにより、No.61 スバルBRZ R&D SPORTは今シーズン初の、そして佐々木孝太はGT300クラス歴代最多となる通算11回目のポールポジション獲得を果たしました。

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井口卓人 (No.61 スバルBRZ R&D SPORT/R&Dスポーツ)のコメント:

「タイヤの温まりが良いことは分かっていたので、一発で決めようと思っていました。ただ、本当にタイヤを温め切る前に目標にしていた1分45秒台が出てしまった、というのが正直なところで、次の周も走っていればもう少しタイムは縮められたと思います。

 今回はタイヤとマシンのマッチングがテーマです。マシン自体は速く、タイヤも良い。でもこれまでは、その両者を高い次元でまとめることができていませんでした。今日の予選に関してはそれができたので、最高のパフォーマンスが出せたのだと思います。

 明日の決勝については不安もあるのですが、自分たちでうまくコントロールしていけば、きっと良い結果を出せると思っています」

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佐々木孝太 (No.61 スバルBRZ R&D SPORT/R&Dスポーツ)のコメント:

「4月に行ったタイヤテストでの結果も良く、今朝の公式練習でも良かったので、この予選結果は予定どおりかな、と思います。ミシュランタイヤがすごくいいグリップを出してくれたので、セットアップも楽でした。

 ただ、ポールポジションは獲れましたけど、最後のアタックではやっぱりトラフィックに引っかかっていました。『もう一回アタックに行くことになるのかな......!?』と思っていたのですが、それでも十分なタイムが出たのでチームからOKが出て、無事ポール獲得となりました。

 最多ポールポジション獲得ということについては、もちろん素直にうれしく思います。けれど、今回は自分の記録以上に、レースで勝つためにこの位置(ポールポジション)が欲しかった。ポールも欲しいけれど、いまはとにかく勝ちたいんです!

 ミシュランタイヤのグリップは本当に素晴らしいです。これをいかにキープするかが大切なので、スタートドライバーのタイヤマネージメントが明日の決勝レースのひとつの見どころになると思います」

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スバルテクニカインターナショナル(株) モータースポーツプロジェクト室 辰己英治氏のコメント:

「このオートポリスではポールポジションを獲る以外に我々には勝つチャンスがないと考えていましたので、ポール獲得は最低条件であり、ベストな結果だと言えます。今年は全般的には『タイム狙いではないセッティング』を目指していますが、このオートポリスでは予選で前に行っておかないと勝てません。チームとしてもここは端から『ポールから逃げ切る!』ということを目標としていたので、勝つために必要な一手をまずは確実に押さえたという感じです」

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日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明とのQ&A:

Q:今日の内容についての評価を聞かせてください。

「オートポリスで5月にSUPER GTのレースが開催されるのは初めてのことですが、気温・路面温度ともに予想以上に高くなりました。また、コースは路面が改修されて新舗装となっており、タイヤにかかる負荷が一段と高まっています。したがって、条件的にはかなり厳しく、想定していた範囲の中ではかなり上限の部分まで行っていたことは確かです。しかし、たとえそういった状況であっても我々のタイヤが安定した性能と安全性をきちんと発揮することが確認できました」

Q:このオートポリスは、タイヤにとってはどういったコースですか?

「コーナーの数が多く、常にタイヤが左右へ動かされる厳しいコースです。ストレートはひとつしかありませんから、『タイヤが休んでいるヒマがないコース』だと言うことができます。そういうコースの中で、コーナリングが得意だということもありますが、BRZがポールポジションを獲得できたのは素晴らしいことだと思います。

 ただ、4月にこのサーキットで行ったタイヤテストの段階から、BRZの速さに関してはまったく心配はしていませんでした。そういう意味では、予選でポールポジションを獲ったことは通過点だと思います。決勝レースでは、チームが考えているとおりの『強いBRZ』としての戦い方ができるかがカギになると思います」