【レースレポート】

2015年5月 4日

MOTUL AUTECH GT-R&ミシュランタイヤが富士のGW決戦を完全制圧! 故フランソワ・ミシュランに捧ぐパーフェクトウィンを飾る

2015年SUPER GTシリーズ第2戦 FUJI GT 500km Race 決勝レース

  • ■5月3日(日)
  • ■富士スピードウェイ(静岡県駿東郡):全長4.563km
  • ■入場者数:予選日 33,500人/決勝日 58,000人(主催者発表)

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SUPER GT第2戦の決勝レースが晴天の富士スピードウェイで開催され、ポールポジションからスタートしたミシュランパートナーのNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が終始トップを快走。これをブリヂストンタイヤを履くNo.12 日産GT-R GT500が唯一追う形でレースは展開しましたが、ディフェンディングチャンピオンはライバルにつけ入る隙を見せず、最終的には10秒を超えるリードを築き上げての独走状態でフィニッシュし今季初優勝を飾りました。

これによりNo.1 MOTUL AUTECH GT-R&ミシュランタイヤのパッケージは、公式練習、Q1(予選第1セッション)、Q2(予選第2セッション)、決勝日朝のフリー走行、そして決勝レースというこの週末のすべての走行セッションにおいてトップの座をさらい、2日間で9万人を超える大観衆を動員した富士のゴールデンウィーク決戦を完全制圧。ミシュランのスタッフ一同は、4月29日に89歳で逝去したミシュラングループの元最高責任者フランソワ・ミシュランにこの勝利を捧げました。

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【フリー走行】

[セッション時間:30分/天候:晴れ/コース:ドライ/気温:26℃/路面温度:37℃(セッション開始時)]

前日の3つの走行セッションすべてでトップタイムを記録したNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rの速さは、決勝日朝のフリー走行でも飛び抜けていました。午後の決勝レースを見据えて車両状態の確認を行う中で同車がマークした自己ベストタイムは、ロニー・クインタレッリによる1分29秒377。このタイムを上回る車両は他に現れず、結果的にまたしてもNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rがトップタイムを記録することになりました。

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一方、もう1台のミシュランタイヤ装着車であるNo.46 S Road MOLA GT-Rは、9番手グリッドからスタートすることになる決勝レースで巻き返しを図るために車両セッティングを煮詰めることに努め、本山 哲がこのセッションの7番手タイムとなる1分30秒697を記録しました。

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【決勝レース】 500km=4.563km×110周

[天候:晴れ/コース:ドライ/気温:22℃/路面温度:31℃(レーススタート時)]

  

No.1 MOTUL AUTECH GT-R

第1スティント:ロニー・クインタレッリ→第2スティント:松田次生→第3スティント:ロニー・クインタレッリ/レース結果:優勝(110周)

No.1 MOTUL AUTECH GT-Rはポールポジションからのスタートをしっかりと決め、トップで第1コーナーに進入。これに続いたのは予選2位からスタートしたNo.12 日産GT-R GT500でした。トップ2台のペースは他の車両より明らかに速く、500kmという長丁場のレースがこの2台による一騎討ちとなることをスタート直後から予感させました。

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そしてレースはまだまだ序盤の9周目、GT300クラスの車両によるアクシデントが発生し、その処理のためにセーフティカーが導入されました。セーフティカーランは5周にわたって続きましたが、それが解除されてコースが再びレーシングモードになっても、戦いを支配しているのはNo.1とNo.12の2台の日産GT-R GT500であることに変化はありませんでした。

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接近戦を演じているように見えた2台でしたが、しかし周回が進むにつれてクインタレッリが乗るNo.1 MOTUL AUTECH GT-RがNo.12 日産GT-R GT500をじりじりと引き離していきました。そして周回数が30周を超える頃にはリードを3秒以上へと拡大。しかも、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rはスティントの最後の周回に今回のレースにおける自己ベストタイムを記録してみせ、周回を重ねてもパフォーマンスを落とさないミシュランタイヤの性能の高さを見せつけました。

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No.1 MOTUL AUTECH GT-Rは39周をこなしたところでピットに入り、タイヤ交換と給油、そしてクインタレッリから松田次生へのドライバー交替を行いました。その翌周にはNo.12 日産GT-R GT500がピットイン。同車を走らせるチームIMPULが見せた素早いピット作業に助けられ、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rの前でコースに復帰します。ところがNo.12 日産GT-R GT500はピットアウト直後の第1コーナーでタイヤをロックさせてしまいオーバーラン。No.1 MOTUL AUTECH GT-Rがやすやすとトップの座を取り戻しました。

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松田が乗り込んだ第2スティントにおいてもNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rのペースは好調で、2位のNo.12 日産GT-R GT500をじりじりと引き離していきました。そして79周目をこなしたところで2度目のルーティンストップを行うために同車はピットロードへ。タイヤ交換と給油を行い、松田からクインタレッリへと交替してピットアウトしました。

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その翌周、2位のNo.12 日産GT-R GT500もピットストップを行いましたが、同車のコースへの復帰はNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rがすでにピットロード出口を通過した後でした。そして、このレースで2度目の走行となったクインタレッリは意欲的なドライビングを見せ、コース上の誰よりも速いペースで周回。2位のNo.12 日産GT-R GT500に対するリードはどんどん広がっていきました。

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そしてスタートからやがて3時間になろうという午後5時すぎ、500㎞レースのほとんどをトップで走り抜いたNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが真っ先にチェッカーフラッグをかいくぐりました。最終的には2位のNo.12 日産GT-R GT500に11.559秒差をつけての独走優勝。待望の今季初優勝をマークしました。

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No.46 S Road MOLA GT-R

第1スティント:本山 哲→第2スティント:柳田真孝→第3スティント:本山 哲/レース結果:10位(108周)

スタート後の混乱の中でNo.46 S Road MOLA GT-Rは他車と接触。オープニングラップは11位で終了することになりました。しかし、ペースそのものは非常に速く、2周目以降は着実に先行車を捉えてポジションを上げていきました。

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ところが、8周目を終えたところでNo.46 S Road MOLA GT-Rに対してドライブスルー・ペナルティ(一度だけメインストレートではなくピットロードを通過することを課すもの)の裁定が下ってしまいました。1周目での他車との接触に対してのものでした。

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ドライブスルー・ペナルティをこなしたNo.46 S Road MOLA GT-Rは14位にまで順位を落としました。しかしながら、その後の同車はレース前半の見どころのひとつとなる追撃を見せました。先行車両に相次いで発生したアクシデントもあってNo.46 S Road MOLA GT-Rはほどなく11位にポジションを上げ、そして19周目にはNo.19 レクサスRC Fをかわして10位に。その次の周にはNo.100 ホンダNSX-CONCEPT GTを、さらに2周後にはNo.37 レクサスRC Fを捉えて8位にまで順位を上げていきました。

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本山の猛攻はまだまだ続きました。32周目の第1コーナーではNo.15 ホンダNSX-CONCEPT GTをアウトからかぶせてかわすというアグレッシブなオーバーテイクを披露して6位に。その翌周にはNo.39 レクサスRC Fを抜き去って5位に浮上しました。

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そしてNo.46 S Road MOLA GT-RはNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rと同じく39周目をこなしたところで1回目のルーティンストップを実施。タイヤ交換と給油、そして本山から柳田へのドライバー交替を行いました。

  

柳田が担当した第2スティントでのNo.46 S Road MOLA GT-Rは5位のポジションをキープする形で走行を続けました。ところが、そのスティントもまだ前半の段階の53周目、ヘアピンカーブの手前の中速コーナーである100RでNo.46 S Road MOLA GT-Rは突如姿勢を乱してコースから外れました。

実はこのとき、同車の左リアタイヤは何らかの不運な原因によってスローパンクチャーを喫していました。タイヤの内圧が低下していることはセンサーの検出によって把握されており、その周の終わりにはピットに入ってタイヤ交換を行おうとしていたところでした。

  

幸いだったのは大きなアクシデントにつながることなく切り抜けられたことで、No.46 S Road MOLA GT-Rはスロー走行でピットへ帰り着き、タイヤ交換と給油を実施。12位で戦列に戻りました。

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その後、No.46 S Road MOLA GT-Rは84周目をこなしたところで再びピットイン。柳田から本山に交替します。もっとも、先にイレギュラーなタイミングで交換していたタイヤはここでは換えることなくピットを後にしました。

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第3スティントを担当した本山のペースは第1スティント同様に速く、特に周回数が100周を超えたあたりからのペースは優勝したNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rのそれに迫るものがありました。レース結果は2周遅れの10位となりましたが、レースにおけるパフォーマンスに関しては確かな手応えを得てNo.46 S Road MOLA GT-Rは第2戦を終えました。

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MICHELIN_2015_SUPER GT_02_Fuji_GT500_race_20.JPGロニー・クインタレッリ (No.1 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「朝のフリー走行ではトップタイムをマークしていましたが、レースのスタートで使用することになるユーズドタイヤではマージンがありませんでした。それに満タンでスタートしたときには12号車(No.12 日産GT-R GT500)を抑えるのに精一杯でした。でもセーフティカー後のリスタートでは、燃料が減ってクルマが少し軽くなっていたからかフィーリングも良くなって、スティントの終盤までタイムは落ちませんでした。

 今回は、クルマのセットアップを変更したことに加えて、ミシュランタイヤがライバルと比較してもプラスαのパフォーマンスを発揮してくれました。最後のスティントのインラップ(ピットアウト直後の周回)では温まっていない状態のタイヤでも全力でプッシュして、それで何とか12号車の前に出ることができました。優勝できてうれしいです。本当にクルマもタイヤも良くて、チームも完璧なサポートをしてくれました。だから、僕も次生さんも頑張って、この先もたくさん優勝したいです」

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_02_Fuji_GT500_race_21.JPG松田次生 (No.1 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「今回は12号車(No.12 日産GT-R GT500)が予選から速かったし、今朝のフリー走行では36号車(No.36 レクサスRC F)も速くて、僕らを入れた3台の争いになると思っていました。序盤は12号車をなかなか引き離せなかったけど、ペース的には安定していたので、ミスさえしなければ守り切れると信じていました。

 今回は持ち込んだタイヤが良くて、クルマとタイヤのマッチングも最高でした。ただし、大きく変えたクルマのセットアップはぶっつけ本番だったので、土曜日に走り始めるまでは心配で、正直、夜眠れないこともありました。でも、走り始めたらクルマもタイヤもすべて良くて安心しました。

 決勝ではコース上に出ているデブリ(タイヤかすをはじめとするゴミのこと)が多く、見つけたときにはGT300のバックマーカーを抜くのを我慢して、デブリのないところで抜くよう気を遣いました。ルーティンのピットインではチームが完璧な仕事をしてくれたし、ミシュランタイヤも最後までタレることがなかった。チームにもミシュランにも感謝したいですね。これで良い流れを作ることができたと思うので、この流れを手放すことなくチャンピオンを狙っていきます」

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_02_Fuji_GT500_race_22.JPG本山 哲 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「スターティンググリッドが後方だったこともあって、スタートまでにうまくタイヤを温め切ることができませんでした。それで、オープニングラップの団子状態の中で前のクルマに接触してしまいました。不運だったと言ってくれる人もいたけど、自分の方が後ろにいたのだから、前のクルマにはやはり申し訳なかったです。

 タイヤのパフォーマンスについては申し分ありませんでした。余計なタイムロスはあったけど、最後尾の方からバンバン追い上げることができました。ドライブしていて楽しかったです。結果的には悔しいレースになったけど、速さはアピールできました。次につながるレースになったと思います」

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_02_Fuji_GT500_race_23.JPG柳田真孝 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「悔しいですね。最初から違和感はあったんですけど、タイヤが温まって内圧も上がってきて、これからタイムを出しにいこうとしていたときにスローパンクチャーになってしまいました。ですから、結果を見ると今回は良いところがないレースになってしまいましたけど、速さは確認できました。特に決勝レースの中での速さには手応えがありました。次回は予選から速さを見せて、決勝でもスタートからゴールまで、今日快調に走っていたときのようなペースで走って優勝を目指したいです」

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_02_Fuji_GT500_race_24.JPG日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

「持ち込んだタイヤは、分かりやすく言えばミディアムとミディアムハードと呼べる2種類でした。予選には1号車(No.1 MOTUL AUTECH GT-R)と46号車(No.46 S Road MOLA GT-R)の2台ともミディアムハードで臨みました。当然、レースのスタートも同じタイヤです。そして1号車は全スティントを同じスペックのタイヤで走行しました。一方、46号車は第2スティントと第3スティントではミディアムタイヤを使用しました。

 1号車は、クルマの仕上がりとドライバーの頑張りで、予選ではテスト時の予想以上のパフォーマンスを見せてくれ、良い位置からレースをスタートすることができました。レースでの安定性についてはそもそも自信がありましたので、今回は両方で良い結果が得られました。46号車についても、タイヤのパフォーマンスは十分発揮したと思いますし、持ち込んだ両方のタイヤに十分な性能があったことを確認することができました。

 最後に、4月29日に急逝したミシュランの元最高責任者であるフランソワ・ミシュランに今回の勝利を捧げたいと思います。フランソワ・ミシュランは技術の会社としてミシュランをここまで築き上げた人で、我々社員全員の祖父のような存在でした」