【レースレポート】

2015年6月22日

S Road MOLA GT-R、灼熱のタイで快勝! ミシュランユーザーが2戦連続でGT500クラスを制す!

2015年SUPER GTシリーズ第3戦 BURIRAM SUPER GT RACE 決勝レース

  • ■6月21日(日)
  • ■チャン・インターナショナル・サーキット(タイ):全長4.554km
  • ■入場者数:予選日 16,412人/決勝日 38,381人(主催者発表)

  

SUPER GT第3戦の決勝レースがタイのチャン・インターナショナル・サーキットで開催され、ミシュランタイヤを履くNo.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝)が素晴らしいパフォーマンスを見せつけて快勝。ミシュランユーザーが2戦連続でSUPER GTのトップカテゴリーであるGT500クラスを制する結果となりました。なお、2011年と2012年のGT500チャンピオンチームであるMOLAにとっては2012年の第7戦オートポリス以来となる優勝でした。

前戦富士のウィナーであるNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、今回は後方グリッドからのスタートを余儀なくされましたが、このレースにおけるファステストラップを叩き出しながら力強く戦い、最終的には5位でフィニッシュ。チャンピオン争いを優勢に戦うにあたって貴重なポイントを積み上げました。

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【フリー走行】

[セッション時間:30分/天候:晴れ/コース:ドライ/気温:32℃/路面温度:43℃(セッション開始時)]

  

SUPER GTのタイでの開催は昨年に続いて2年目でしたが、昨年は10月の開催であったのに対して今年はより暑さが厳しい6月。ドライバーやマシン、そしてタイヤにさらに大きなストレスを課すコンディションとなっていました。

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そうした中で、決勝レースに先立って行われたフリー走行では、No.46 S Road MOLA GT-Rが本山 哲のドライビングでベストタイムをマーク。S Road MOLA GT-Rは前日の公式練習でもトップタイムを記録していましたが、燃料を多く搭載した状態で車両を走らせて決勝レースに向けたセッティングの最終確認・調整を行うこのフリー走行でも最速タイムを刻み、仕上がりの良さを印象づけました。

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もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは、40㎏のハンデウェイトを搭載して臨む決勝レースに向けての最終調整をこのフリー走行で行いました。自己ベストタイムの順位は12位にとどまりましたが、燃料を多く積んだ状態でのバランスの良さを確認し、決勝を競争力の高いペースで走行できる手応えを得てこのセッションを終えました。

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【決勝レース】 300km=4.554km×66周

[天候:晴れ/コース:ドライ/気温:36℃/路面温度:56℃(レーススタート時)]

  

No.46 S Road MOLA GT-R

第1スティント:本山 哲→第2スティント:柳田真孝/レース結果:優勝(66周)

本山 哲が乗り込んで3番手グリッドからスタートしたNo.46 S Road MOLA GT-Rは、ポジションをキープしてオープニングラップを終了。そして4周目にNo.36 レクサスRC Fをかわして2位に上がり、さらに前を行くNo.38 レクサスRC Fを追いかけていきました。

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10周目を終えた時点で、トップを走るNo.38 レクサスRC FとNo.46 S Road MOLA GT-Rの間には約5秒のギャップがありましたが、本山は長年のライバルである立川祐路の駆るNo.38 レクサスとの差を着実に詰めていき、20周目過ぎにはテールtoノーズの状態に持ち込みます。そして25周目、本山がドライブするS Road MOLA GT-RはついにNo.38 レクサスをオーバーテイク。待望のトップに浮上しました。

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ただし、No.38 レクサスも負けておらず、29周目にNo.46 S Road MOLA GT-Rが周回遅れのGT300車両に詰まったところを突いて再び前に出ました。しかし、レースペースで勝るS Road MOLA GT-Rは34周目に再度No.38 レクサスをパス。勝負のイニシアチブを握っているのがどちらであるのかを見せつけました。

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改めてトップに立ってから2周後、No.46 S Road MOLA GT-Rはルーティンのピットストップを行うためにピットロードへ向かいました。ここでMOLAチームは素晴らしいピット作業を行い、給油とタイヤ交換、そして本山から柳田真孝へのドライバー交替を迅速に実施。結果的にはトップをキープした状態でレース後半を戦える態勢としました。

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一方、レース前半でトップ争いを演じた相手のNo.38 レクサスRC Fはトラブルに見舞われ、代わってNo.36 レクサスRC Fが2位に。そのNo.36 レクサスを今度はNo.6 レクサスRC Fがかわして2位に上がり、トップを行くNo.46 S Road MOLA GT-Rの追撃を試みます。しかし、シルバー&ブラックの日産GT-R GT500とミシュランタイヤのパッケージは快調そのもの。ステアリングを握る柳田は、一時は20秒以上にまで広がった後続に対するマージンを生かしながらペースをコントロールし、背後を脅かされることのないギャップを保ったままの独走態勢で久々のファーストチェッカーをかいくぐりました。

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2011年と2012年のGT500チャンピオンチームであるMOLAと、その両年のチャンピオンドライバーである柳田真孝にとっては、2012年の第7戦オートポリス以来となる優勝でした。また、本山 哲にとっては2011年の最終戦ツインリンクもてぎ以来、丸3シーズンぶりとなるうれしい勝利となりました。

なお、昨年のタイ大会にもS Road MOLA GT-Rは本山と柳田のコンビで出場しており、予選ではポールポジションを奪い、決勝でもトップを突っ走りました。ところが痛恨のエンジントラブルに見舞われてリタイアを喫していました。その雪辱戦であった今回は見事に快勝を収め、昨年の苦い思いの払拭を果たしました。

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No.1 MOTUL AUTECH GT-R

第1スティント:ロニー・クインタレッリ→第2スティント:松田次生/レース結果:5位(66周)

7列目・13番手のグリッドからのスタートとなったNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rですが、決勝レースを迎えて俄然強さを発揮しました。第1スティントを担当したロニー・クインタレッリはオープニングラップでひとつ順位を上げたのを皮切りに次々に前走車をパス。7周目には8位、11周目には7位へとポジションを上げていきました。

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その後もNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは安定的にハイペースをキープ。朝のフリー走行で確認した車両とタイヤのバランスの良さを決勝レースにおいても遺憾なく発揮し、クインタレッリはこのレースにおけるファステストラップ1分26秒657をマークします。そして37周をこなしたところでピットイン。NISMOチームは給油、タイヤ交換、ドライバー交替からなるルーティンのピットストップを素晴らしい速さで実施しました。

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GT500クラスの上位車両がルーティンストップを終えて各車の順位が落ち着いてみると、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rは5位へとポジションを上げていました。その後、後半スティントを担当した松田次生は1台をかわして4位に浮上。さらに、3位を走るNo.36 レクサスRC Fの背後に迫りました。このNo.36 レクサスはタイヤ無交換作戦を採っており、ペース的には劣りましたが、ベテランの伊藤大輔が巧みなドライビングを見せてMOTUL AUTECH GT-Rをなかなか前に出してはくれませんでした。

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そうしたところへ、後方から追い上げてきたNo.17 ホンダNSX-CONCEPT GTが迫り、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rのインに飛び込んでくる状況が生まれました。接触を避けようとした結果、バランスを崩して失速してしまったMOTUL AUTECH GT-Rは、No.17 ホンダNSX-CONCEPT GTとそれに続いていたNo.12 日産GT-R GT500の2台に先行されることに。その後、MOTUL AUTECH GT-Rはいよいよタイヤが厳しくなったNo.36 レクサスRC Fをかわして5位に順位を戻し、そのポジションをキープしてフィニッシュを迎えました。

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MICHELIN_2015_SUPER GT_03_Thailand_race_17.jpg本山 哲 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「チームを移籍して初めて、個人的にも久々の優勝で、本当にうれしいです。去年このサーキットではすごく調子が良くてレースでもトップを走っていたのにトラブルで勝ちを逃してしまっていましたから、今年こそリベンジを果たそうという思いでこの週末を迎えました。

 公式練習からクルマやタイヤのパフォーマンスが良くて速いタイムをマークすることができました。ただ、公式予選ではクルマのフィーリングが少し違ってきていて、マー(柳田真孝選手の愛称)がQ1で頑張って僕が走るQ2につないでくれたのにポールポジションを獲れなかったのが残念でした。それもあったので、決勝ではいい状態でマーに渡そうと思ってプッシュしました。

 立川(No.38 レクサスRC Fの立川祐路)をパスするのに手間取って、思ったほどマージンは稼げなかったけど、でもピットワークも完璧だったし、いいレースになりました。僕のスティントでは最初からずっとプッシュしっ放しでしたが、タイヤは最後まで十分なパフォーマンスを発揮してくれました。

 このチームで、マーとのコンビでチャンピオンを獲りたい。その気持ちがとにかく強いです。今回の勝利でその目標に少しは近づけたかな? ともかく、まだまだプッシュしていって、チャンピオンを目指して頑張ります!」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_03_Thailand_race_18.jpg柳田真孝 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「このサーキットでは去年トップを走っていながらトラブルに見舞われた悔しさがありました。でも今日優勝できて、それを吹き飛ばすことができました。

 本山さんが38号車(No.38 レクサスRC F)の前に出ることに成功したのですが、相手もなかなか速くて、自分に交替した後も僅差の戦いになるのだろうなと思っていました。でも、チームが行ってくれたピット作業がとても速くて、おかげで気持ちがずいぶん楽になりました。レース終盤は単独走行になったのですが、クルマもタイヤもパーフェクトでした。そのことから去年の悪夢が頭をよぎって不安になりもしたのですが、チームやニスモのスタッフを信じて走り切ることができました。

 今日は父の日ですが、この勝利を父親(かつて日産のワークスドライバーだった柳田春人さん)にプレゼント......ではなくて、むしろ僕の子供にプレゼントしたいです。僕も本山さんも父親で、お父さんコンビが頑張って優勝して、お互いの子供に強い父親の姿を見せることができたんじゃないかなと思っています」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_03_Thailand_race_19.jpg松田次生 (No.1 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「13番手グリッドからここ(5位入賞)まできて、6ポイントを稼ぐことができました。シリーズを考えたらそう悪い結果じゃないし、むしろシリーズ連覇に向けて自信も深まりました。でも、僕らのレースペースはとても良かったので、本当は表彰台にも十分乗ることができたと思いますし、そう思うとこの結果は悔しいです。

 36号車(No.36 レクサスRC F)をなかなか抜けなかったのが響きましたね。伊藤さん(No.36 レクサスの伊藤大輔)は、僕が抜こうとしたらキッチリとインを閉めてこられました。17号車(No.17 ホンダNSX-CONCEPT GT)とのバトルのときは僕が少しだけインを開けてしまって、そこにノーズを割り込まれてしまいました。横に並ばれてしまい、ぶつからないようにと避けたら、17号車だけでなく12号車(No.12 日産GT-R GT500)にも抜かれてしまいました。早く36号車をパスできていれば最後まで逃げ切ることはできたと思うので、やはり36号車を抜くのに手間取ったことが反省点です。

 ただ、今日はクルマのフィーリングも良く、タイヤも最後までプッシュできました。そういう意味で、今日のクルマとタイヤは完璧でした」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_03_Thailand_race_20.JPGロニー・クインタレッリ (No.1 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「クルマとタイヤのフィーリングは良かったです。37号車(No.37 レクサスRC F)を抜くのに手間取ってしまいましたが、最初から最後までプッシュしました。そして、最後の最後までタイヤのパフォーマンスが落ちることはなかったですね。予選ではちょっと悩んでいましたが、もともとレースが大事と思っていましたし、今日のような暑いコンディションのレースでちゃんと走り切れたことは大きな収穫だと思います。

 シリーズについては目標がクリアできました。というのは、今回は5位で6ポイントを獲ることができましたが、これが6位フィニッシュで5ポイントしか獲れていなかったとしたら、次のレースでは天と地ほどの違いが生まれることになるんです。というのも、6ポイントを獲ったおかげで合計ポイントが26ポイントとなり、ウェイトハンデが52kgとなったんです。でも、実際には50kg分は燃料リストリクターによる調整になりますから、実際に搭載するハンデウェイトは2kgで済みます。これがもし今回の獲得ポイントが5ポイントで合計が25ポイントになっていたら、ウェイトハンデは50kgで、次のレースにはそっくりそのまま搭載して出場することになるので、不利になったことは間違いありません。次の富士でも何とかポイントを獲ることができたなら、その次の鈴鹿は1000kmの長いレースで与えられるポイントも通常のレースより大きくなります。だから次の富士が重要になるのですが、今回は狙い澄ましたようなポイントを獲ることができて、運も味方してくれたのかなと思います」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_03_Thailand_race_21.jpg日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

「この週末に向けてハードとミディアムの2種類のタイヤを持ち込みました。No.1 MOTUL AUTECH GT-RとNo.46 S Road MOLA GT-Rの2台とも、予選、決勝を通してハードタイヤを選択しています。今日のレースを見るかぎり、それらのタイヤの想定した性能はきちんと発揮できたと思います。1号車のレース結果は、もう少し上位に行ける可能性があっただけに残念でしたが、これもレースです。2台が使用したタイヤはどれも使い終わりの外観も摩耗状況も良好で、ラップタイムの低下や性能低下も特に問題になるところなく終わっています。

 この後、真夏の鈴鹿1000kmが控えていますが、鈴鹿サーキットとこのチャン・インターナショナル・サーキットではタイヤにかかる負荷が違いますので、単純な比較はできません。ただ、路面温度が60℃以上で推移するこのサーキットにおける課題が今回また分かったので、来年に向けての開発に有効な材料を得ることができました。

 前回の富士スピードウェイとこのチャン・インターナショナル・サーキットは、タイヤ的観点からすれば、特徴のまったく違う、環境の違うコースです。その両方で我々のタイヤを履く車両が勝てたということは自信になりました。また、GT500クラスに4台出場している日産GT-Rの中には他メーカーのタイヤを装着している車両もある中で、我々のタイヤを装着したGT-Rが2戦連続で勝ち続けるという結果になり、そのタイヤを開発している私たちとしては本当にうれしいかぎりです」