【レースレポート】

2015年8月 9日

MOTUL AUTECH GT-Rがハンデを乗り越えて4位入賞を果たす

2015年SUPER GTシリーズ第4戦 FUJI GT 300km Race 決勝レース

  • ■8月9日(日)
  • ■富士スピードウェイ(静岡県駿東郡):全長4.563km
  • ■入場者数:予選日 20,400人/決勝日 36,400人(主催者発表)

  

SUPER GT第4戦の決勝レースが晴天に恵まれた富士スピードウェイで開催され、52kg分のウェイトハンデを課された状態で今大会に臨んだミシュラン・パートナーチームのNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が4位入賞を果たしました。11番手グリッドからスタートしたNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rでしたが、レース序盤から見事なペースで走行してポジションを上げていき、レース後半にはウェイトハンデの軽いライバルを相手に堂々のトップ争いを展開。最終的には4位に入り、高ポイントの加算に成功しました。

一方、もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝)は48kgのハンデウェイトを搭載して10番手グリッドからスタート。全体的に苦しいレースを余儀なくされ、トップから1周遅れの14位でのフィニッシュとなりました。

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【決勝レース】 300km=4.563km×66周

[天候:晴れ/コース:ドライ/気温:32℃/路面温度:46℃(レーススタート時)]

  

前日は曇天だった富士スピードウェイですが、決勝日は朝から青空が広がり、気温も上昇。レース距離300km=66周で争われるレースは夏の強い日差しのもとでスタートしました。

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No.1 MOTUL AUTECH GT-R

第1スティント:松田次生→第2スティント:ロニー・クインタレッリ/4位(66周)

  

これまでのレースではクインタレッリがスタートドライバーを務めてきたNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rですが、今回は出走順を変えて松田が第1スティントを担当。50kg分の燃料リストリクターによってエンジン出力を絞られた上に2kgのハンデウェイトを搭載しての出走となりましたが、レース序盤は予選順位と同じ11位前後を走行しました。

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やがてGT500クラスの車両がGT300クラスの車両を周回遅れにし始めてコース上が混戦模様になります。その中でNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは前を行くライバル車両を1台、また1台とかわしていき、10周目には8位へと順位を上げていきました。

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その後も松田は巧みなドライビングでトラフィックをすり抜けながら、一時は20秒以上あったトップとの差を徐々に詰めていきました。そして32周を終えたところでピットイン。No.1 MOTUL AUTECH GT-Rはタイヤ交換と給油、そして松田からクインタレッリへのドライバー交替を実施しました。

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松田の好走に、NISMOチームの迅速なピットワークも手伝い、GT500クラス全車両がルーティンストップを終えた36周終了時点でNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは3位に浮上していました。そして、第2スティントを担当したクインタレッリは前を行くNo.36 レクサスRC Fに迫っていき、39周目にこれをかわして2位に。今度はトップを行くNo.38 レクサスRC Fに照準を合わせました。

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周回数が50周目を過ぎる頃には、No.1 MOTUL AUTECH GT-RはNo.38 レクサスRC Fのテールを完全に捉えました。そしてトップを奪うべく、クインタレッリはコーナーでライバルに果敢に並びかけていきます。しかし、燃料リストリクターによってパワーを絞られているNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rに対して、No.38 レクサスRC Fは22kgのハンデウェイトを搭載するのみの状態であり、富士スピードウェイの長いストレートではライバルに対して決定的なハンデを持つNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rはなかなか前に出ることができませんでした。

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この2台がつばぜり合いを繰り広げているうちに、やがて後方からNo.24 日産GT-R GT500が追い上げてきました。同車は今シーズンこれまで1ポイントも獲得していないことからウェイトハンデを一切搭載しておらず、明らかにスピード的に優勢でした。そして60周目、No.1 MOTUL AUTECH GT-RはこのNo.24 日産GT-R GT500にかわされて3位へと後退しました。

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No.1 MOTUL AUTECH GT-Rの受難はまだ続きました。後方からさらなる刺客、No.12 日産GT-R GT500が迫ってきたのです。No.1 MOTUL AUTECH GT-Rにとってはシリーズチャンピオンを争うライバルでもあるNo.12 日産GT-R GT500のレース後半のペースが特別速いものだったわけではありませんでしたが、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rのタイヤは最も高いパフォーマンスを発揮できる能力を先のNo.38 レクサスRC Fとのトップ争いにおいてかなり使ってしまっており、苦しい状態にありました。そして最終ラップの後半区間でNo.12 日産GT-R GT500がついに前へ。No.1 MOTUL AUTECH GT-Rは最後の最後で表彰台を逃すことになりましたが、しかし11位に終わった予選結果から考えれば上々の4位でチェッカーフラッグを受けました。

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No.46 S Road MOLA GT-R

第1スティント:本山 哲→第2スティント:柳田真孝/14位(65周)

  

前戦タイにおいて2012年の第7戦オートポリス以来となる優勝を飾ったNo.46 S Road MOLA GT-R。今回も本山がスタートドライバーを担当し、予選順位と同じ10位をキープしてレース序盤の戦いを進めました。

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ところが、この第1スティントも中盤に入るとNo.46 S Road MOLA GT-Rのペースが大きく低下。立て続けに後続車両にかわされて14位にまで後退してしまいました。

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どうにもペースが上がらないNo.46 S Road MOLA GT-Rは、まだレース前半の3分の1を超えたところの26周目終了時にはピットへと向かいます。そしてタイヤ交換と給油、本山から柳田へのドライバー交替を実施しました。

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戦列へと復帰したNo.46 S Road MOLA GT-Rは、トップランナーを上回るハイペースでの走行を開始し、追い上げが期待されました。ところがこの後半スティントにおいても中盤からペースが上がらなくなり、最終的にはトップから1周遅れの14位という結果に終わりました。

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MICHELIN_2015_SUPER GT_04_Fuji_race_14.jpg松田次生 (No.1 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「僕たちは昨日の予選で、今回用意された中では硬めのタイヤを選んでいました。その昨日に比べて今日は路面温度が上がり、それが好結果につながりました。昨日の予選では悔しい思いをしましたが、それで下向きになるのではなく前を向いて頑張っていこうという気持ちで追い上げることができました。勝てなかったから『勝因』と言うのはおかしいかもしれませんが、今日の『勝因』は本当にチームの努力の賜物です。予選11位からスタートして4位でフィニッシュできて、ランキングでも2位につけることになりましたので、ある意味、最高の週末になりました」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_04_Fuji_race_15.jpgロニー・クインタレッリ (No.1 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「チームが最高のピットワークを見せてくれて、そして僕が乗り込んでピットアウトしたら、ちょうどトラフィックのないところに入ることができたので、タイヤをスムーズにウォームアップさせることができました。それで猛プッシュして38号車(No.38 レクサスRC F)に追いつくところまでは行けたのですが、抜くことはできませんでした。コーナーで頑張って真後ろにつけても、燃料リストリクターを絞られているのでストレートでは離されてしまいました。最後はちょっとタイヤがきつくなったのですが、これは実は予想外でした。僕としてはプッシュしすぎたことでタイヤが厳しくなったのではないと思っています。次のレースまでに分析する必要がありますね。

 ともあれ、これでまたウェイトハンデが増えることになりますが、それでも去年と同じようなレベルなので、次の鈴鹿では去年のレースのようにまた表彰台を狙っていきたいですね」

(※昨年の鈴鹿でのMOTUL AUTECH GT-Rはウェイトハンデ84kgで2位表彰台を獲得)

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_04_Fuji_race_16.jpg本山 哲 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「今回用意された中では柔らかめのタイヤを予選で選んでいたのですが、それが昨日に比べて路面温度が上がった今日のコンディションには合っていませんでした。スタートした直後はまだ良かったのですが、すぐに厳しくなってきて、ポジションを下げてしまいました。前回のタイでの優勝で良い流れをつかんだと思っていましたが、残念です。でも次のレースは3週間後。気持ちを切り替えて、クルマが重いなりの作戦で頑張ります」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_04_Fuji_race_17.jpg柳田真孝 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「本山さんが柔らかめのタイヤで行って厳しかったので、僕に代わるときには硬めのタイヤに交換しました。走り始めはフィーリングも良くて、いいペースで走れましたが、5周を過ぎたあたりからリアのグリップが足りない感じになり、10周を過ぎたあたりからはコントロールするのが難しいくらいの状況になってしまいました。データを分析して検討する必要がありますね。次のレースには気持ちもリセットして臨みます」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_04_Fuji_race_18.jpg日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

「今回、我々のパートナーチームが使用したタイヤですが、1号車(No.1 MOTUL AUTECH GT-R)は予選、決勝を通じてミディアム、46号車(No.46 S Road MOLA GT-R)は予選と決勝のスタートをミディアムソフト、そして後半スティントではミディアムでした。

 タイヤのパフォーマンスに関しては予選の段階から悪いものではなかったと思っています。1号車に関しては、最後は淡々と追い上げてきた12号車(No.12 日産GT-R GT500)を抑える力もなくなってしまったわけですが、これは38号車(No.38 レクサスRC F)を追う中でかなりタイヤを使わざるを得なかったことが大きく、タイヤのパフォーマンスに関してはライバルのタイヤとほぼ互角だったと見ています。

 一方、46号車に関しては、詳細な分析はこれからですが、重さ(ハンデウェイト)がすごく響いたかなと思います。ウェイトハンデの大きさでは1号車の方が上でしたが、1号車は燃料リストリクターで50㎏分を調整し、実際に搭載したウェイトは2kgでした。それに対して46号車は48kgのハンデをそのままウェイトとして積みました。タイヤにとって48kgのインパクトはやはり大きい。第2スティントでは1号車と同じタイヤに変えたにもかかわらずパフォーマンスに大きな違いが出たのは、やはり実際に搭載したウェイトの重さの違いによるところが大きいだろうと見ています」