【レースレポート】

2015年11月 2日

MOTUL AUTECH GT-R&ミシュラン、小雨混じりの難コンディションを制して今季2勝目をマーク! ランキングトップと2ポイント差に詰め寄って最終戦へ!

2015年SUPER GTシリーズ第7戦 SUPER GT in KYUSHU 300km 決勝レース

  • ■11月1日(日)
  • ■オートポリス(大分県日田市):全長4.674km
  • ■入場者数:予選日 11,340人/決勝日 22,680人(主催者発表)

  

シリーズ唯一の九州ラウンドとして大分県のオートポリスで開催されたSUPER GT第7戦の決勝は、曇天のもとで始まり、ドライの路面状況で進んでいったものの、中盤以降は小雨がパラつく難しいコンディションでのレースとなりました。

その中で、3番手グリッドからスタートしたNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、序盤から好調な走りを見せてトップ争いに加わると、24周目にNo.38 レクサスRC F、40周目にはNo.12 日産GT-R GT500と、チャンピオン争いにおいても直接のライバルである2台を次々にかわしてトップに浮上。No.12 日産GT-R GT500は首位奪回を諦めることなくチャージし続けてきましたが、これを最後まできっちりと押さえ込んだNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが真っ先にチェッカーフラッグを受け、第2戦富士に続く今季2勝目、ミシュラン勢としては今季通算3勝目を飾りました。なお、同車とミシュランタイヤのコンビネーションはオートポリスでは昨年大会に続いての2年連続優勝となりました。

この結果、ポイントランキングのトップには依然としてNo.12 日産GT-R GT500がつけるものの、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rは2ポイント差のランキング2位に浮上。松田とクインタレッリのコンビは2週間後にツインリンクもてぎで行われるシリーズ最終戦で2年連続チャンピオンをかけた頂上決戦に臨むことになります。

また、もう一台のミシュランタイヤ装着車であるNo.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝)は、予選では10位に終わり、5列目のグリッドからのスタートとなりましたが、決勝では終始力強い走りを披露。着実に追い上げ続けて6位でのフィニッシュを果たし、同車もチャンピオン獲得の可能性を残して最終戦に挑むことになりました。

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【決勝レース】 300km=4.674km×65周

[天候:晴れ/コース:ドライ/気温:15℃/路面温度:17℃(レーススタート時)]

  

SUPER GTでは、参戦6戦目までは前戦までに獲得したシリーズポイントを1ポイント=2kgで換算して算出されたウェイトハンデが各車に課され、参戦7戦目になると換算係数がそれまでの半分の1ポイント=1kgとなり、さらに参戦8戦目ではウェイトハンデは撤回されるという入り組んだ仕組みの独自のウェイトハンデシステムが採用されています。

  

そしてシリーズ第7戦である今大会はGT500各車にとって「参戦7戦目」。したがって、今大会におけるGT500各車は「1ポイント=1kg」で算出されたウェイトハンデを抱えた状態であり、前戦までの獲得ポイントが44ポイントであるNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは燃料リストリクターの装着はなくハンデウェイトを44kg搭載した状態、同じく獲得ポイントが45ポイントのNo.46 S Road MOLA GT-Rは燃料リストリクターなし&ハンデウェイト45kg搭載の状態で今大会に出走しました。

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なお、前戦を終えてポイントランキングでトップに立つNo.12 日産GT-R GT500の獲得ポイントは51ポイントで、GT500クラスの中で同車だけが燃料リストリクターを装着する一方で、搭載するウェイトは1kgのみという状態での出走に。そして結果的には、ウェイトが重くても燃料リストリクターの規制を受けないNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rと、燃料リストリクターによるピークパワーの制限を受けてもウェイトが軽いNo.12 日産GT-R GT500がレースでは真っ向勝負を演じることになりました。

  

  

No.1 MOTUL AUTECH GT-R

第1スティント:ロニー・クインタレッリ→第2スティント:松田次生/優勝(65周)

  

今回、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rはロニー・クインタレッリが第1スティントを担当しました。レースを前半/後半に分けた2スティントとして戦う大会で彼が前半スティントを任されるのは第3戦タイ以来でした。

  

クインタレッリはスタートを順調に決めてポジションをキープ。ポールポジションから出たNo.12 日産GT-R GT500が早速逃げにかかったのに対して、2番手のNo.38 レクサスRC FとNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rはやや間隔を置いてレース序盤を走行することになりました。

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しかし、GT300クラスの車両が周回遅れとなって現れるようになると、前を塞がれがちになったNo.12 日産GT-R GT500との差をNo.38 レクサスRC FとNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが詰めていきました。

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やがてNo.38 レクサスRC FがNo.12 日産GT-R GT500をかわしてトップを狙いにいきます。しかし果たせません。そのNo.38 レクサスRC Fを21周目にはクインタレッリのNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが抜きにかかりましたが、ここではNo.38 レクサスRC Fをドライブするベテランの立川祐路が意地を見せて押さえ込みます。ただし、その後もNo.1 MOTUL AUTECH GT-RはNo.38 レクサスRC Fのテールにつけ続けました。

  

スタートから20周が経過しようとする頃、コースの一部で小雨がパラつきました。しかし、路面が濡れるほどの降り方ではなく、全車そのまま走行し続けます。そして24周目、クインタレッリがかけ続けたプレッシャーに押されたか、No.38 レクサスRC Fがコースオフ。これでNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは難なく2位に上がり、今度はトップを行くNo.12 日産GT-R GT500の追撃にかかりました。

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レースも折り返し点を迎え、35周目を終えたところでNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rがピットイン。タイヤ交換と燃料補給、そしてクインタレッリから松田次生へのドライバー交替を行いました。一方、No.12 日産GT-R GT500がピットに入ったのは39周目終了時。同車がトップをキープしてコースに戻ったときには、2位のNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rとの間にはストレート1本分の差がありました。

ただし、タイヤが冷えた状態のインラップのNo.12 日産GT-R GT500に対して、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rはすでにタイヤが十分に温まった状態。ここが勝負所であることを誰よりも理解していた松田は猛然とプッシュしてNo.12 日産GT-R GT500を一気に追い詰めます。そして翌周に入るストレートで見事にライバルを抜き去ってトップに躍り出ました。

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もっとも、No.12 日産GT-R GT500もすぐに引き下がったわけではありません。この先、同車はレースがフィニッシュを迎えるまでに何度もNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rに勝負を挑んでいきました。しかし、No.1 MOTUL AUTECH GT-Rをドライブする松田はライバルからのアタックをことごとく振り払ってトップをキープし続けました。

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レースも残り10周を切る頃になるとサーキットには再び雨が降り出しました。レース中盤の降り方より強めで、各車が走行するライン上こそドライの状態が保たれるものの、それ以外のコース上は濡れた状態に。周回遅れをかわす際のリスクが一段と高まり、各車のラップタイムが大きく変動する状況になっていきました。

そうした中、最後の勝負に出てきたNo.12 日産GT-R GT500が最終ラップでNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rに迫る形となりましたが、同車をドライブする松田がライバルを前に出すことはなく、背後にしっかりと封じ込めた状態でフィニッシュ。ポールtoフィニッシュを決めた第2戦富士に続いてNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが今季2勝目を勝ち取りました。

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No.46 S Road MOLA GT-R

第1スティント:柳田真孝→第2スティント:本山 哲/2位(65周)

  

いつものレースでは本山 哲が第1スティントを担当するNo.46 S Road MOLA GT-Rですが、今大会では柳田真孝にその役割が託されました。その柳田はスターティンググリッドと同じ10位でオープニングラップを終えると、そのままのポジションをキープして走り続けました。

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このレース前半において、単独で走行している際のNo.46 S Road MOLA GT-Rのペースは良好なものがありました。しかし、抜きにくいコースの中で周回遅れやライバル車両が絡むとその影響を大きく受けてタイムを落としてしまっていました。

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それでもNo.46 S Road MOLA GT-Rはレースが折り返しを過ぎた37周目までルーティンのピットストップを引っ張りました。柳田から本山 哲にドライバー交替して戦列に復帰。そしてGT500クラスの全車両がピットストップを終えた時点でも、No.46 S Road MOLA GT-Rは予選順位と同じ10位につけていました。

  

ただし、レース後半に入ってからはNo.46 S Road MOLA GT-Rのペースは確実にライバルを上回るようになり、43周目には9位に、そして48周目には8位へとポジションを上げていきました。

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そしてレース終盤になるとNo.46 S Road MOLA GT-Rのステアリングを握る本山のドライビングはさらに冴えを見せました。雨で濡れ始めたコースをスリックタイヤで走るという状況の中、レースも残り4周となった61周目にはNo.15 ホンダNSX-CONCEPT GTをかわして7位に浮上。さらに前を行くNo.19 レクサスRC Fに迫っていきました。すると、本山のプレッシャーにさらされてきたNo.19 レクサスRC Fが最終ラップの第1コーナーでコースアウト。これでNo.46 S Road MOLA GT-Rは最後の最後でポジションをさらに上げて6位でのフィニッシュを果たしました。

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MICHELIN_2015_SUPER GT_07_Autopolis_race_15.jpgロニー・クインタレッリ (No.1 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「予選では3番手と良い結果で終わることができましたが、レースに向けては少し不安もありました。でも、走り始めてみると前の2台(No.12 日産GT-R GT500とNo.38 レクサスRC F)にもタイヤのグリップダウンがあったし、スティントの後半では僕の方が速く走れていました。タイヤが持ってくれたこととチームのピット作業、そしてツギオさんのアウトラップに感謝しています。今回優勝したことで流れを変えることができたのが一番うれしいですね!」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_07_Autopolis_race_16.jpg松田次生 (No.1 MOTUL AUTECH GT-R/NISMO)のコメント:

「レース前半はロニーが頑張ってJP(No.12 日産GT-R GT500のJ-P.オリベイラ)に食らいついていってくれました。チームのピットワークもすごく良かったです。だから勝負は相手のアウトラップしかないと思っていたので、そこで全力でプッシュして、安田君(No.12 日産GT-R GT500の安田裕信)の背後に迫ることができ、最終コーナーで彼が姿勢を乱したこともあってストレートでスリップストリームを使って抜くことができました。路面温度の低さからタイヤのピックアップがひどくて、最後には雨まで降ってきて大変でしたが、優勝できて良かったです。このいい流れを最終戦につなげたいと思います!」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_07_Autopolis_race_17.jpg柳田真孝 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「10番手からのスタートだったので、なかなか自分のペースで走れなくて、そこでのタイムロスが大きかったですね。でも、自分のペース自体は悪くなかったですし、タイヤのパフォーマンスも良かった。ピックアップには少し手こずりましたが、心配していたほどではなかったです。今回はやはり、予選で下位に沈んだことがすべてでしたね。でも、チャンピオン争いの権利はまだ残っているので、次回のもてぎではまた優勝を目指して頑張ります!」

  

  

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本山 哲 (No.46 S Road MOLA GT-R/MOLA)のコメント:

「決勝を見越してタイヤを選んだので予選は厳しかったのですが、今日のレースではそれが功を奏しました。スターティンググリッドが後方だったこともあって前半でのタイムロスは痛かったけど、ペース自体は決して悪くありませんでしたからね。それは自分が担当した後半のスティントでも同じです。レース終盤には雨が落ち始めて路面が滑りやすくなっていって、その状況下でだいぶ消耗した状態のクルマで戦うのは楽ではなかったけど、小暮(No.15 ホンダNSX-CONCEPT GTの小暮卓史)や寿一(No.19 レクサスRC Fの脇阪寿一)とできたバトルは面白かったです。結果的には6位でしたが、10番手グリッドから追い上げての6位だし、何よりもチャンピオンの権利を最終戦までつなぐことができたのは良かったですね!」

  

  

MICHELIN_2015_SUPER GT_07_Autopolis_race_19.jpg日本ミシュランタイヤ(株) モータースポーツマネージャー 小田島広明のコメント:

「今回のレースでは、1号車(No.1 MOTUL AUTECH GT-R)が予選と決勝の第1スティントでミディアムハードタイヤを使用し、第2スティントではミディアムに変更しました。46号車(No.46 S Road MOLA GT-R)は予選、決勝を通してミディアムタイヤで走行しました。

予想どおり、予想できないレース展開でした(笑)。第1スティントは荒れることなく、落ち着いたレース展開となりました。トップ3が先行し、後続はトラフィックに引っかかることはありましたけど、大きなサプライズはなく推移しました。

第2スティントも大きく状況が変わったとは思いませんが、No.38 レクサスRC Fの脱落によって、2台の日産GT-Rの一騎打ちになった。その後、レースのスタートから1時間あたりのところで雨が降り始めて、そこから先はタイヤの特性うんぬんというより、トラフィックと路面の状況、そしてドライバーの頑張りがレースの行方を左右する状況となりました。特に最後の10周は、タイヤの純粋なパフォーマンスというより、ドライバーのガマン比べの様相を呈していたと思います。

46号車は予選のポジションが10番手だったので苦労するとは思っていたのですが、第1スティントで単独走行している際には良いタイムが出ていました。ただ、前に遅いクルマがいるとなかなか抜けない。その時間がかなり長くなり、そこでのタイムロスが響きましたね。第2スティントを担当した本山選手がタイヤをマネージメントしながらトップより速いタイムを刻んで追い上げてくれました。結果は6位ですが、速さに関しては表彰台も見えるものがあったと評価しています。それに、10位から6位まで上がり、タイトル獲得の可能性も残したというのは良かったと思っています」