【第4戦 サン・パウロ6時間】

2013年9月 3日

トヨタは不運なアクシデントにより序盤でリタイア。アウディが開幕4戦連続1-2フィニッシュを達成!

 

  • 2013年WEC(FIA世界耐久選手権)第4戦サンパウロ6時間
  • 予選:8月31日/決勝:9月1日
  • アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ(ブラジル):全長4.309km
  • 決勝レース時間:6時間

 

 6月のル・マン24時間から2カ月以上をおいてWECシリーズ第4戦サンパウロ6時間が開催され、昨年のこのレースでWECシリーズ初優勝を飾ったトヨタ・レーシングは虎の子の1台が突如挙動を乱した他車に押し出される格好になってレース序盤にしてリタイア。アウディ・スポーツ・チーム・ヨーストのNo.1 アウディR18 e-tronクワトロ(A.ロッテラー/B.トレルイエ/M.ファスラー)が今季2勝目を挙げ、2位にはチームメイトのNo.2 アウディR18 e-tronクワトロ(T.クリステンセン/L.デュバル/A.マクニシュ)が入って、アウディは開幕4戦連続となる1-2フィニッシュを果たしました。

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 今大会へのエントリー総数は28台。その内訳は、LM P1クラスが4台、LM P2クラスが9台、LM GTE Proクラスが7台、LM GTE Amクラスが8台というものでした。そのうち、LM P2以外の3クラスでは全車がミシュランタイヤを使用。WECはタイヤをワンメイクとするレギュレーションではなく、ミシュランの実力を見込んだユーザーによる選択の結果でした。

 

 1年前のこのレースでTS030ハイブリッドの初優勝を挙げているトヨタですが、来シーズンに向けての開発により多くのリソースを注ぐため、今シーズン後半のWECシリーズに送り込むのはNo.8 TS030ハイブリッド(A.デビッドソン、S.ブエミ、S.サラザン)の1台のみとすることになりました。一方、ル・マン24時間を含む今シーズンここまでのWECシリーズ3戦すべてを制してきているアウディは第2戦スパまでと同様にR18 e-tronクワトロの2台体制でブラジルに乗り込みました。

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 なお、これらのLM P1車両のタイヤに関してミシュランは、ル・マン後の約2カ月のインターバルの間にさらなる開発を行い、WECシリーズの後半戦に控えるタイヤの摩耗が進みやすいサーキットに合わせて改良を施した新型タイヤを今大会から投入しました。

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■公式予選

 ル・マン24時間を除く今シーズンのWECシリーズでは、予選セッションにおいて各車ドライバー2名がタイムアタックを行い、各ドライバーの自己ベスト2周分×2名=計4周分の自己ベストタイムの平均によって予選順位を決めるという方式が採用されています。

 

 そして今回のLM P1クラスの予選では、アンドレ・ロッテラーとマルセル・ファスラーがタイムアタックを行ったNo.1 アウディR18 e-tronクワトロがポールポジションを獲得。2位にはトム・クリステンセンとアラン・マクニシュがアタックを担当したNo.2 アウディR18 e-tronクワトロが続き、アウディ勢がフロントロウを占める結果となりました。

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 一方、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミがアタックドライバーを務めたNo.8 トヨタTS030ハイブリッドは、アウディ勢とは平均タイムで0.2秒ほどの差で予選3位に。実は予選の終盤、気球に吊されていた広告の旗がストレート上に落下してセッションが中断されるという事態が起こっており、これによってNo.8 トヨタはタイムアタックを阻まれるという不運に見舞われていました。

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 また、LM GTE Proクラスはアストンマーチン・レーシングのNo.98 アストンマーチン・ヴァンテージV8(P.ダッラ・ラナ/P.ラミー/R.スタンアウェイ)が最速。2位にはポルシェAGチーム・マンタイが送り込むポルシェのワークスカー、No.92 ポルシェ911 RSR(M.リーブ/R.リーツ)が0.131秒差で続きました。

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■決勝レース

 6時間のレースは9月1日(日)の正午にスタート。その最初のターン1への進入で予選2位のNo.2 アウディR18 e-tronクワトロがポールスタートのチームメイトをかわしてトップに立ち、そのままレース序盤をリードし続けました。

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 この2台のアウディの背後にはNo.8 トヨタTS030ハイブリッドがつけていました。しかし、スタートから35分というところでトヨタ陣営を思わぬアクシデントが襲います。LM P2クラスの車両がターン3でコントロールを失い、No.8 トヨタは同車によってコース外へと押し出される格好になってタイヤバリアに激突。虎の子のTS030ハイブリッドは再スタートできぬほどのダメージを負ってしまい、レース序盤にしてあえなくリタイアとなってしまいました。

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 このアクシデントによりセーフティカーが導入されましたが、ここでトップが入れ替わり、No.1 アウディR18 e-tronクワトロがレースをリードすることに。A.ロッテラー/B.トレルイエ/M.ファスラーのトリオはその後、チームメイトのNo.2 T.クリステンセン/L.デュバル/A.マクニシュのトリオを着実に引き離していきました。

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 そしてレースもやがて3分の2を消化しようという頃、ピットアウト直後のNo.2 アウディから右リアホイールが脱落するというハプニングが。3輪状態となった同車はスローペースで1周してピットに戻り、ホイールを付け直して戦列に復帰できましたが、No.1 アウディとの差は決定的に広がることに。さらにNo.2 アウディにはストップ&ゴー・ペナルティが2度も課せられることになりました。

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 この結果、No.1 アウディR18 e-tronクワトロ(A.ロッテラー/B.トレルイエ/M.ファスラー)が圧倒的なリードを築いて独走で今季2勝目をマーク。不本意なレースとなったル・マンの雪辱を果たしました。2位には3周遅れながらもNo.2 アウディR18 e-tronクワトロ(T.クリステンセン/L.デュバル/A.マクニシュ)が入りました。

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 また、トヨタ・レーシングのリタイアもあって、LM P1プライベーターの雄であるレベリオン・レーシングのNo.12 ローラB12/60クーペ・トヨタ(N.プロスト/N.ハイドフェルト/M.ベシュ)が3位に食い込み、アウディワークスの2チームと並んで表彰台に立ちました。

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 LM P2クラスはGドライブ・レーシングのNo.26 オレカ03・日産(R.ルシノブ/J.マーチン/M.コンウェイ)がポールtoフィニッシュ。同クラス唯一のミシュランユーザーで、第2戦スパのクラスウィナーでもあるペコム・レーシングのNo.49 オレカ03・日産(L-P.コンパンク/N.ミナシアン/P.カファー)は今回は3位でした。

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 なお、OAKレーシングのNo.45 モーガン・日産を駆ってこのLM P2クラスに出場した井原慶子は、J.ニコレ、J-M.メルリンとのトリオで力走を続け、クラス5位でのフィニッシュを果たしました。

 

 LM GTE Proクラスは、AFコルセのNo.51 フェラーリ458イタリア(G.ブルーニ/G.フィジケラ)とアストンマーチン・レーシングのNo.97 アストンマーチン・ヴァンテージV8(S.ミュッケ/D.ターナー)が序盤からフィニッシュまで延々接近戦を展開。わずか1.4秒差で相次いでチェッカーフラッグをかいくぐり、No.51 フェラーリが今季2勝目を挙げました。2位は僅差で敗れたNo.97 アストンマーチン、3位にはポルシェAGチーム・マンタイのNo.91 ポルシェ911 RSR(J.ベルグマイスター/P.ピレ)が入りました。

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 なお、同じくAFコルセから出場のNo.71 フェラーリ458イタリア(小林可夢偉/T.ヴィランダー)は、序盤は3位を走行していましたが、ヴィランダーのドライブ中に出火。リタイアに終わりました。

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 LM GTE Amクラスはアストンマーチン・レーシングのNo.96 アストンマーチン・ヴァンテージV8(S.ホール/J.キャンベル・ウォルター)が8スター・モータースポーツのNo.81 フェラーリF458イタリア(V.ポトリッキオ/R.アグアス/D.リゴン)に1周差をつけてクラス優勝を決めました。

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ジェローム・モンダン(ミシュラン・エンデュランス・レースプログラム・マネージャー)のコメント:

「LM P1クラスの車両の進化には目覚ましいものがありますが、それに対して我々ミシュランはさらなる改良を加えた新型タイヤを投入することで応えました。この新型タイヤは、今回のようなツイスティでタイヤが摩耗しやすい路面のサーキットにおいても2スティント連続走行を可能にしました」

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