【2015】

2015年7月 1日

ル・マン2015フォトレポート 番外編:"ル・マンでピットイン体験"してみました!?

今年のル・マン24時間のレースウィーク中、ミシュランスタッフ(※日本人です)は"ル・マンでピットイン"を経験しました!

......と言っても、サーキットではなくタイヤショップでの話です。実のところを言いますと、レンタカーのタイヤをパンクさせてしまって、止むに止まれず現地でタイヤを交換しなければならなくなったのです。

しかし、ミシュランの人間はタダでは転びません!(理由は後ほど) 訪問したいと前々から思っていたタイヤショップ「ユーロマスター」のル・マン店にこれ幸いと(?)駆け込み、ヨーロッパ最大手のタイヤショップの仕事ぶりを拝見。せっかくですのでその模様をル・マンフォトレポートの"番外編"ということでお届けします!

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"悲劇"はレースウィークの走行初日、サーキットの外の特設駐車場の中で起こりました。駐車エリアを分けるための仮設フェンスが立っていたのですが、それを支えているコンクリートブロックにミシュランスタッフはレンタカーの右フロントタイヤをゴツンと当ててしまったのです。狭い通路の反対方向から車両が来たため、それを避けようしたところでした。徐行速度での走行でしたが、四角いコンクリートブロックの角にサイドウォールを当ててしまったため、タイヤは一発で致命傷を負ってしまったのでした(悪いのはワタシ......)。
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レンタカーはルノー・メガーヌのエステート(ワゴン)でしたが、フルサイズのタイヤがスペアとして車載されていました。ただし、車両装着のタイヤとスペアタイヤとでは、銘柄も摩耗状態も違いましたし、何よりタイヤのサイズ/ロードインデックス/スピードレンジが異なっていました(車両装着のタイヤは205/55R16 91Hであったのに対してスペアタイヤは195/65R15 91T)。

1輪だけ違うタイヤを履いた車両で走り続けることは絶対的に好ましくありません。レンタカーとはいえ、レースウィークの序盤の出来事だったこともあり、できるだけ早くにタイヤを適切な状態にすることとしました。

  
そこでミシュランスタッフが向かったのが「ユーロマスター」のル・マン店でした。ユーロマスター社はフランスを中心にヨーロッパ全土で約1700店のショップを展開しているタイヤ販売店チェーンです。ミシュランスタッフにとっては、ミシュランの地元フランスの最大手のタイヤショップの仕事ぶりを視察できる絶好の機会となったのでした(図らずも、ですが......)。
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ユーロマスターのル・マン店は、ちょっとした体育館ほどの大きさの建物を構えていました。大型トラックや大型建機車両のタイヤサービスも行っているようでしたが、その約3分の2のスペースはタイヤの保管庫となっていて、様々な銘柄・種類・サイズのタイヤをストックされていました。ヨーロッパのタイヤショップはある程度の在庫を抱えながら営業する大型店が主流なのです。そうは言っても、希望する銘柄やサイズのタイヤが必ず在庫されているわけではないので、できれば事前に確認しておきたいところです(このときは飛び込みで店舗を訪れて、幸いにもミシュランスタッフのレンタカーに最適なタイヤがありましたが、もしその在庫がなかったとしたら......)。
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ショップの事務所には「MICHELIN Centre Qualité」の認証ステッカーが。ミシュランが定める高いサービス基準をクリアしたショップであることを示すもの。いわば信頼の証です。
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ユーロマスター社はいろいろなメーカーのタイヤを扱っていますが、やはり主力はミシュランタイヤ。そしてミシュランスタッフが交換するタイヤに選んだのはミシュラン エナジー セイバー プラスです。ダメージを負ったタイヤは1本でしたが、「交換するのは2本ですよ」とユーロマスター ル・マン店の店長さん。「左右バランスをきちんと確保しなければなりませんからね。片側だけ交換なんてあり得ません」と。さすがです。
ちなみに、このタイヤの品代&工賃の支払いはミシュランスタッフの自腹です(ミシュランはそんなに甘い会社ではありません......)。


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タイヤ交換作業に当たってくれたのはジュス・アレクサンドルさん。いざ作業に取りかかると、早い早い。あっという間にホイールからユーズドタイヤを外してしまいました。
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ヨーロッパのタイヤショップだからと言って日本のショップと作業が何か違うわけではありません。ただし、ミシュランスタッフがひとつ「おっ!?」と思ったのが、ゴムエアバルブを問答無用で新品に交換したところでした。ユーロマスター社ではゴムエアバルブ交換をタイヤ交換作業に付随する必須サービス項目のひとつとしているのです。
(実は古くなったゴムエアバルブの付け根から空気が漏れることって意外と多いのです。そこでユーロマスター社では、外見上はまだまだきれいに見えるゴムエアバルブであっても無条件で新品に交換しているのでした。なお、後で納品書を見るとゴムエアバルブ代という項目はなく、工賃に含まれているようでした)

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ビードワックスを塗り、新品タイヤをホイールに組み込み、そしてホイールバランスの調整を行います。レーシングタイヤでも共通の一連の作業ですが、アレクサンドルさんの仕事ぶりは見ていても安心感の高いものでした。
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ハブをブラッシングして浮き錆やダストを払い、防錆のための潤滑剤をスプレーしてからホイールを取り付け。ナットの締付トルクはトルクレンチできちんと管理。当たり前の作業が整然と行われていました。
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新たにルノー・メガーヌのフロントに収まったミシュラン エナジー セイバー プラスとアレクサンドルさん。作業していただいてありがとうございました!
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こちらが今回のタイヤ交換における作業チェックリスト。ちなみに料金は、2本のミシュラン エナジー セイバー プラスの代金と工賃と税金でトータル178.29ユーロでした。リーズナブルな金額ではないでしょうか(ただし、あくまでミシュランスタッフの自腹です......しつこいですね)。
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今回は4輪のうち2輪だけタイヤを新品にしました。作業はすべて高いレベルの内容であり、総じて満足のいくタイヤ交換でした。その上で敢えて言うならば、車両の操縦安定性を考えると、新品タイヤはフロントではなくリアに装着し、そもそもリアに付いていたユーズドタイヤをフロントに取り付ける方が良かったと言えるでしょう。
後日、メールで作業の満足度を確認するアンケートが送られてきましたので、その点だけ返信でお伝えしました。


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というわけで、タダで転んだままで終わらせないために最後の最後にイレギュラーな内容のレポートをお届けしましたが、以上で今年のル・マンのフォトレポートはおしまいです。

  
それにしても、さすがル・マン24時間! レンタカーでもタイヤ交換することになるとは......。

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