【2015】

2015年11月23日

ドラマに富んだシリーズ最終戦。No.17 ポルシェ 919ハイブリッドのマーク・ウェバー組が世界チャンピオンに輝く!

2015WECFIA世界耐久選手権)第8戦(最終戦) バーレーン6時間

■予選:11月20日(金)/決勝:11月21日(土)

■バーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン):全長5.412km

  

耐久レースの世界最高峰シリーズであるWECの最終戦が中東のバーレーンで行われ、頂点のFIA世界耐久ドライバー選手権のチャンピオンをかけた戦いが目まぐるしく繰り広げられました。ポイントランキングトップでこのレースを迎えたNo.17 ポルシェ 919ハイブリッドは2つの重大なトラブルに見舞われて下位に沈むことになり、No.7 アウディ R18 e-tronクワトロの逆転チャンピオン獲得の可能性がにわかに膨らみました。しかし、レース中盤以降はポルシェ・チームのもう一台、No.18 ポルシェ 919ハイブリッド(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ)が速さを見せて優勝を飾り、No.7 アウディは2位でのフィニッシュとなりました。これにより、今大会は5位に終わったNo.17 ポルシェのティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンドン・ハートレーのトリオがNo.7 アウディのマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエのトリオを5ポイント差で抑えてFIA世界耐久ドライバー選手権タイトルを獲得しました。

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■総エントリー台数:32

  • LMP1クラス:9台(ミシュランタイヤ装着車:全車)
  • LMP2クラス:9台(ミシュランタイヤ装着車:なし)
  • LMGTE Proクラス:7台(ミシュランタイヤ装着車:全車)
  • LMGTE Amクラス:7台(ミシュランタイヤ装着車:全車)

  

今大会が開催されたバーレーン・インターナショナル・サーキットは、短いストレートと低速コーナーが組み合わされ、ハードなブレーキングと加速が繰り返されるレイアウトとなっています。これだけでもタイヤにとっては十分にタフな条件であるわけですが、このサーキットは砂漠の中にあり、絶えず舞い込んでくる砂がタイヤを痛めつけてくるというこのコース特有の問題もあります。また、砂漠の中にあることから日中と夜間の温度差が大きく、午後3時にスタートして日没後の午後9時にフィニッシュするという今大会の場合、レース前半と後半では基本のタイヤコンパウンドを変えていくという難しさにも各チームは対応していくことになります。

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この特殊な環境のコースにおける一戦でミシュランは、トップカテゴリーのLMP1クラスの各車に対して、日中の高温時用として「ソフト・ホットウェザー・プラス」、そして路面温度が下がった日没後用として「ミディアムHT(High Temperatures)」という2種類のスリックタイヤを供給しました。もちろん、チームの戦略に応じてこの2種類はどちらもどのタイミングにおいても使用可能なものとしました。

また、ある程度のウェットコンディションからある程度のドライコンディションまで幅広く対応する「ミシュラン・ハイブリッド」と2種類のレインタイヤも用意していました。

(※LMP1車両用のタイヤのサイズはいずれの種類もフロント用・リア用ともに 31/71-18)

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GTカテゴリーの上位クラスであるLMGTE ProクラスおよびLMGTE Amクラスの各車両には、30℃を超える路面温度に対応する「ミディアムHT」と、25℃以下の路面温度でベストパフォーマンスを発揮する「ミディアムLT(Low Temperatures)を供給しました。

(※LMGTE車両のタイヤのサイズはいずれの種類もフロント用 30/68-18、リア用 31/71-18)

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なお、今大会の決勝レース中に使用できるタイヤの本数は、LMP1クラスが8セット=32本、LMGTE ProクラスおよびLMGTE Amクラスは6セット=24本でした。

  

  

【公式予選】

[11月20日(金)/コース:ドライ/気温:24℃/路面温度:28℃(セッション開始時)]

  

ル・マン24時間を除くWECのシリーズ戦では、予選はプロトタイプカテゴリーとGTカテゴリーに分けて20分ずつのセッションで実施されます。その各セッションの中では各出場車両の2名のドライバーが走行してタイムアタックを行い、両ドライバーのベストラップの平均タイムによって予選順位が決定されるシステムになっています。

  

今大会の予選セッションは午後5時ちょうどに始まりました。サーキット内の照明を点灯させてのナイトセッションとされましたが、先に行われたGTカテゴリーのセッション中に照明システムがトラブルを起こし、17分間にわたって走行が中断されるというハプニングがありました。

  

こうした中、LMP1クラスおよび総合のトップタイムを記録したのはNo.17 ポルシェ 919ハイブリッド(T.ベルンハルト/M.ウェバー/B.ハートレー)でした。前戦の上海6時間まで4連勝を飾っており、ポイントランキングトップで今大会を迎えた同車は、これで3戦連続・今季通算5回目のポールポジション獲得を果たしました。また、ポルシェ陣営としては昨年の上海大会から11戦連続での予選最速奪取。予選2位にはNo.18 ポルシェ 919ハイブリッド(R.デュマ/N.ジャニ/M.リーブ)が続き、ポルシェのフロントロウ独占記録も9戦連続となりました。

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LMGTE ProクラスはAFコルセのNo.51 フェラーリ F458イタリア(G.ブルーニ/T.ヴィランダー)が2戦連続・今季3回目となる同クラスのポールポジションを獲得しました。ただし、同クラスの予選出走ドライバーの中で最速となるタイムは予選2位となったNo.95 アストンマーチン・ヴァンテージV8(C.ニガード/M.ソレンセン/N.ティーム)のマルコ・ソレンセンが記録しており、決勝レースも混戦となることが予想されました。

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公式予選結果(各クラストップ6/トップ3

■LMP1クラス

  1. No.17 ポルシェ 919ハイブリッド(T.ベルンハルト/M.ウェバー/B.ハートレー) 1'39.736
  2. No.18 ポルシェ 919ハイブリッド(R.デュマ/N.ジャニ/M.リーブ) 1'40.100
  3. No.7 アウディ R18 e-tronクワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ) 1'41.303
  4. No.8 アウディ R18 e-tronクワトロ(L.ディ・グラッシ/L.デュバル/O.ジャービス) 1'41.407
  5. No.1 トヨタ TS040ハイブリッド(A.デビッドソン/S.ブエミ/中嶋一貴) 1'42.158
  6. No.2 トヨタ TS040ハイブリッド(A.ブルツ/S.サラザン/M.コンウェイ) 1'42.462

■LMP2クラス

  1. No.36 アルピーヌ A450b・日産(N.パンシアティシ/P.L.シャタン/T.デルマン) 1'49.993
  2. No.26 リジェ JS P2・日産(R.ルシノフ/J.カナル/S.バード) 1'50.102
  3. No.47 オレカ 05・日産(M.ホーソン/R.ブラッドレー/N.タンディ) 1'50.490

■LMGTE Proクラス

  1. No.51 フェラーリ F458イタリア(G.ブルーニ/T.ヴィランダー) 1'58.347
  2. No.95 アストンマーチン・ヴァンテージV8(C.ニガード/M.ソレンセン/N.ティーム) 1'58.659
  3. No.99 アストンマーチン・ヴァンテージV8(A.マクドウォール/F.リース/R.スタナウェイ) 1'58.777
  4. No.92 ポルシェ 911 RSR(P.ピレ/F.マコヴィッキィ) 1'58.988
  5. No.97 アストンマーチン・ヴァンテージV8(D.ターナー/J.アダム) 1'59.111
  6. No.91 ポルシェ 911 RSR(R.リーツ/M.クリステンセン) 1'59.807

■LMGTE Amクラス

  1. No.98 アストンマーチン・ヴァンテージV8(P.ダラ・ラナ/P.ラミー/M.ラウダ) 2'00.522
  2. No.50 シボレー・コルベット C7.R(G.ローダ/P.ルベルティ/K.ポールセン) 2'00.944
  3. No.72 フェラーリ F458イタリア(V.シャイター/A.ベルトリーニ/A.バソフ) 2'00.988

  

  

  

【決勝レース】

[11月21日(土)/コース:ドライ/気温:24℃/路面温度:33℃(レーススタート時)]

  

ホールショットはポールポジションからスタートしたNo.17 ポルシェ 919ハイブリッドが奪取。その後方では、3番手グリッドから出たNo.7 アウディ R18 e-tronクワトロが第1コーナーで予選2位のNo.18 ポルシェ 919ハイブリッドのインに潜り込みます。ただし、前に出ることはかなわず、オープニングラップでLMP1クラスの上位に順位変動はありませんでした。

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しかし、レースがそのまま落ち着いてしまったわけではありません。2周目に入る第1コーナーで今度はNo.8 アウディ R18 e-tronクワトロがチームメイトのNo.7 アウディをかわして3位に浮上します。No.8 アウディのペースは速く、ほどなくトップを行くNo.18 ポルシェ 919ハイブリッドの背後に迫ると6周目にはオーバーテイクを成功させて2位に。シーズン後半に入ってパフォーマンスを上げてきたアウディ R18 e-tronクワトロの決勝レースにおける速さと、今大会におけるアウディ陣営の積極的なレース運びが印象づけられました。

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そしてスタートから30分が経過したとき、サーキットは騒然となりました。18周目に入ったトップのNo.17 ポルシェ 919ハイブリッドが突然スローダウンしたのです。よろよろと進むことしかできなくなった同車はかろうじてピットへたどり着き、メカニックの手によってピットボックスの中へ押し込まれました。

エンジンのスロットルを動かすアクチュエーターのトラブルでした。ポルシェ・チームのメカニックが猛烈な速さで修理作業を行い、No.17 ポルシェは約8分40秒の停車時間を経て戦列に復帰することができました。しかし、トップからはすでに4周遅れとなっており、今大会における上位フィニッシュは望み難いものとなっていました。

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No.17 ポルシェ 919ハイブリッドの後退により、トップにはNo.8 アウディ R18 e-tronクワトロが立ち、2位にNo.18 ポルシェ 919ハイブリッド、3位にNo.7 アウディ R18 e-tronクワトロが続くというオーダーになりましたが、その後の各車のピットストップタイミングの違いによってNo.7 アウディがNo.18 ポルシェの前に出ることになりました。そしてNo.7 アウディは先行するチームメイトのNo.8 アウディに迫っていき、50周目にこれをパス。逆転チャンピオンを狙うNo.7 アウディがついにトップに立ちました。

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このとき、No.17 ポルシェ 919ハイブリッドは猛烈なペースで追い上げを図ってはいたものの、LMP1クラスにおけるポジションは6位でしかありませんでした。しかも、その前の5位を走るNo.2 トヨタ TS040ハイブリッドとは3周ものギャップがあるという状態。もしNo.7 アウディが優勝した場合、彼らを13ポイント上回る状態で今大会を迎えたNo.17 ポルシェは4位以上でフィニッシュしなければチャンピオンを獲得できないという計算であり、優位に立っていたはずのポルシェ陣営が一転して窮地に追い込まれることになったのでした。

  

その後、ピット作業における停車時間の長さの違いからアウディ勢はポジションを再び入れ替え、No.8 アウディ R18 e-tronクワトロがトップ、No.7 アウディ R18 e-tronクワトロが2位を走ることになりました。ところが、スタートから約2時間45分が経過したところで、先頭を行くNo.8 アウディが左フロントブレーキのディスクローターの破損に見舞われてピットへ。同車は左前のサスペンション構成部品をそっくり交換しなければならない状況となり、結果的には19分近いピットストップを余儀なくされます。これでトップには再びNo.7 アウディが立ち、同車とタイトルを争うNo.17 ポルシェ 919ハイブリッドも5位へとひとつ順位を上げることになりました。

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レースも折り返しを過ぎ、夕暮れ時からやがて夜を迎えようという頃になると、路面温度も徐々に下がり、2位を走るNo.18 ポルシェ 919ハイブリッドのペースがNo.7 アウディのそれを確実に上回るようになってきました。そしてスタートからもうすぐ3時間半になろうという110周目、No.18 ポルシェがコース上でのオーバーテイクを成功させてトップに。No.7 アウディを2位に押し留めることで、チームメイトのNo.17 ポルシェは5位のままフィニッシュしてもチャンピオン獲得を果たせる状況になりました。

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No.18 ポルシェ 919ハイブリッドがトップに立ってから約10分後、LMP2車両のコースアウトによりコース全区間が追い越し禁止のフルコースイエローコーションが出され、各車のギャップはなくなります。そしてレース再開後、No.7 アウディ R18 e-tronクワトロがトップ奪還を狙ってアタックしていきましたが、No.18 ポルシェはこれを寄せ付けず、着実にリードを広げていきました。さらに、No.7 アウディはその後のピットストップでタイヤ交換を行ったところ、ホイールのロックナットの締め込みが不十分な状態でピットから送り出され、再度ピットインを強いられて決定的なタイムロスを喫してしまうことに。それでも2位の位置はキープできましたが、トップを行くNo.18 ポルシェとの差は1分以上となり、逆転チャンピオンのためにはどうしても欲しい優勝が遠のくことになってしまいました。

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ただし、これでドラマはまだ続きました。レース終了まで1時間強となった午後7時48分、5位を走行していたNo.17 ポルシェ 919ハイブリッドがまたもスローダウンしたのです。今度はハイブリッドシステムのトラブルでした。

No.17 ポルシェは約5分にわたってピットにとどまった後にコースへ復帰しました。同車に次ぐ6位を走るNo.8 アウディ R18 e-tronクワトロはさらに数周の遅れを取っており、No.17 ポルシェは5位のまま走行を再開。しかし、同車のハイブリッドシステムは機能しておらず、2ℓガソリンターボエンジンの出力だけで最後の1時間を走らなければならない状態となっていました。そして万が一、リタイアを喫するようなことがあればNo.7 アウディが逆転チャンピオン獲得を果たしてしまうだけに、No.17 ポルシェは最後の最後でまたしても厳しい戦いを余儀なくされたのでした。

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砂漠が漆黒の闇に包まれた午後9時、打ち振られるシリーズ最終戦のチェッカーフラッグをNo.18 ポルシェ 919ハイブリッドが真っ先にかいくぐりました。ポルシェにとっては今季6勝目、そしてロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブのトリオにとっては今季初の優勝でした。

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このNo.18 ポルシェがファーストチェッカーを受けてからほんの数秒後、ハイブリッドパワーを失い、ガソリンターボエンジンさえ変調をきたして異音を立てていたNo.17 ポルシェ 919ハイブリッドがコントロールラインを通過。優勝したチームメイトから9周遅れでしたが5位でのフィニッシュを果たしました。そしてこの結果、ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンドン・ハートレーのトリオが今シーズンのFIA世界耐久ドライバー選手権チャンピオンに輝きました。

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ポルシェは耐久レースの最高峰クラスに復帰して2年目でドライバーとマニュファクチャラーのダブルタイトル獲得を達成。ポルシェのドライバーによるスポーツプロトタイプカーレースにおける世界チャンピオンの獲得は、1986年のFIA世界スポーツカー選手権をポルシェ 962Cで戦ったデレック・ベルが制して以来、29年ぶりのことでした。

  

今大会の2位にはNo.7 アウディ R18 e-tronクワトロが入りました。同車をドライブしたマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエのトリオは13ポイント差から逆転してのチャンピオン獲得が見えるところまで戦っただけに、彼らにとっては悔しさが残る結果となりました。しかし、今年大幅にパフォーマンスを上げたポルシェ陣営の一角を崩してのランキング2位は称賛されるべきものと言えるでしょう。

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そして3位には、アレクサンダー・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイの3人が駆ったNo.2 トヨタ TS040ハイブリッドが入りました。トヨタ陣営にとっては開幕戦シルバーストーン6時間以来となる今季2度目の、そして同車にとっては今季初の表彰台獲得でした。

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また、No.2 トヨタ TS040ハイブリッドのドライバーのひとりであるブルツはこのレースを最後にプロフェッショナルレーシングドライバーとしての活動にピリオドを打ちました。F1を4シーズンにわたってフルに戦い、ル・マン24時間では総合優勝を2回手にしている41歳のオーストリア人は、レーシングドライバーとして臨んだ最後のレースで表彰台に上り、鮮やかにそのキャリアを締めくくりました。

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LMGTE Proクラスは、予選は4位に終わっていたポルシェ・チーム・マンタイのNo.92 ポルシェ 911 RSRが決勝レースでは序盤から速さを見せました。同車はスタートからほどなくしてNo.97 アストンマーチン・ヴァンテージV8をかわして2位に浮上。そしてポールポジションからスタートしたAFコルセのNo.51 フェラーリ F458イタリアを9周目の最終コーナーでかわしてトップに立ちました。

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No.51 フェラーリ F458イタリアはその後もNo.92 ポルシェ 911 RSRに大幅な遅れを取ることなく2位を走り続けましたが、しかしトップを攻略する材料もないという状態でした。結局、No.92 ポルシェはNo.51 フェラーリに約40秒のリードを保ってフィニッシュし、パトリック・ピレ/フレデリック・マコヴィッキィのフランス人コンビが今季初優勝を達成。ポルシェはLMGTE Proクラスで今季4勝目を飾り、FIA世界耐久GTマニュファクチャラーカップでフェラーリを4ポイント差ながらも下してタイトルを獲得しました。

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今大会をポイントランキングトップで迎えたリヒャルト・リーツがミケール・クリステンセンとのコンビで走らせたNo.91 ポルシェ 911 RSRは、予選ではクラス最下位に終わり、決勝レースでもトップから1周遅れの5位に終わりました。しかし、わずかながらも逆転王座の可能性の残していたジャンマリア・ブルーニ/トニ・ヴィランダーのNo.51 フェラーリ F458イタリアが2位、ダビデ・リゴン/ジェームズ・カラードのNo.71 フェラーリ F458イタリアは6位に終わったことにより、No.91 ポルシェのリーツがFIA世界耐久GTドライバーカップのチャンピオンに輝きました。これにより、今シーズンはポルシェがプロトタイプカテゴリーとGTカテゴリーの双方の上位クラスのタイトルを総なめにする結果となりました。

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3位にはNo.97 アストンマーチン・ヴァンテージV8(D.ターナー/J.アダム)が入り、アストンマーチン・レーシングは第2戦スパ・フランコルシャン6時間でNo.99 アストンマーチン・ヴァンテージV8(A.マクドウォール/F.リース/R.スタナウェイ)が優勝を飾って以来の表彰台登壇を果たしました。

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LMGTE Amクラスは、アストンマーチン・レーシングのNo.98 アストンマーチン・ヴァンテージV8(P.ダラ・ラナ/P.ラミー/M.ラウダ)がポールtoフィニッシュを果たし、開幕戦シルバーストーン6時間以来となる勝利を飾りました。

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そしてLMGTE Amクラスの出場ドライバーによって争われるGT AMドライバーFIA耐久トロフィーは、今大会を5位で終えたSMPレーシングのNo.72 フェラーリ F458イタリアをシーズンを通じてドライブしたヴィクトール・シャイター/アンドレア・ベルトリーニ/アレクセイ・バソフのトリオが獲得しました。

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WECもこれで4年目のシーズンが無事終了しました。自由なタイヤ競争が約束されているWECですが、今シーズンもLMP1、LMGTE Pro、LMGTE Amの3クラスの全出場車両がミシュランタイヤを選択してすべてのレースに出場しました。競争原理が働かない中では進歩は滞りがちになるのが一般的ですが、ミシュランは高い安全性を確保した上で性能向上を追求し続け、バーレーンでの今大会には一段階広いレンジのタイヤを持ち込みました。その結果、ポルシェ陣営とアウディ陣営はそれぞれの車両の特性や状況に応じた独自のレース戦略を描くことが可能となり、戦前の予想以上に白熱した戦いが実現しました。

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ミシュラン・グループ コンペティションディレクター パスカル・クアノンのコメント:

「ポルシェ・チームのタイトル獲得を祝福するとともに、その勝利にミシュランが貢献できたことを誇りに思います。競技/技術の両面において非常に高いレベルにあった今シーズンのWECを、私たちは常にパートナーとの緊密な連携を保ちながら戦ってきました。特にLMP1クラスの車両の今シーズンにおける進化は著しく、パワーとエアロダイナミクスの両面において耐久レース史上かつてないレベルにまで到達したものとなりました。

そしてミシュランは来る2016年に向けた準備をすでに進めています。その作業メニューは多岐にわたります。LMGTE Proクラスの車両は大幅に変更され、パワーアップするとともにダウンフォースが10〜15%増大することになっています。もちろんLMP1クラスの車両もまた大きく進化します。これらの車両の進化に対応するため、我々ミシュランのエンジニアたちは来シーズン投入するタイヤの開発に全力であたっています」

  

  

決勝レース結果(各クラストップ6/トップ3

■LMP1クラス

  1. No.18 ポルシェ 919ハイブリッド(R.デュマ/N.ジャニ/M.リーブ) 199周
  2. No.7 アウディ R18 e-tronクワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ) +1'25.310
  3. No.2 トヨタ TS040ハイブリッド(A.ブルツ/S.サラザン/M.コンウェイ) - 3周
  4. No.1 トヨタ TS040ハイブリッド(A.デビッドソン/S.ブエミ/中嶋一貴) - 3周
  5. No.17 ポルシェ 919ハイブリッド(T.ベルンハルト/M.ウェバー/B.ハートレー) - 9周
  6. No.8 アウディ R18 e-tronクワトロ(L.ディ・グラッシ/L.デュバル/O.ジャービス) - 11周

■LMP2クラス

  1. No.26 リジェ JS P2・日産(R.ルシノフ/J.カナル/S.バード) 183周
  2. No.47 オレカ 05・日産(M.ホーソン/R.ブラッドレー/N.タンディ) +0'25.591
  3. No.28 リジェ JS P2・日産(G.ヤカマン/L.F.デラニ/R.ゴンザレス) - 1周

■LMGTE Proクラス

  1. No.92 ポルシェ 911 RSR(P.ピレ/F.マコヴィッキィ) 173周
  2. No.51 フェラーリ F458イタリア(G.ブルーニ/T.ヴィランダー) +0'39.316
  3. No.97 アストンマーチン・ヴァンテージV8(D.ターナー/J.アダム) +1'14.060
  4. No.95 アストンマーチン・ヴァンテージV8(C.ニガード/M.ソレンセン/N.ティーム) +1'20.014
  5. No.91 ポルシェ 911 RSR(R.リーツ/M.クリステンセン) - 1周
  6. No.71 フェラーリ F458イタリア(D.リゴン/J.カラード) - 1周

■LMGTE Amクラス

  1. No.98 アストンマーチン・ヴァンテージV8(P.ダラ・ラナ/P.ラミー/M.ラウダ) 170周
  2. No.88 ポルシェ 911 RSR(M.マペッリ/K.アル・クバイシ/K.バシェラー) +0'14.486
  3. No.77 ポルシェ 911 RSR(C.リート/P.ロング/M.シーフリート) +0'39.539