【2015】

2015年9月14日

今季最も過酷な路面掃除ハンデすら克服。セバスチャン・オジェがシーズン7勝目を挙げ、3年連続WRCチャンピオン獲得を決定!

2015年WRC(FIA世界ラリー選手権)第10戦ラリー・オーストラリア

■スタート:9月11日(金)/フィニッシュ:9月13日(日)
■スペシャルステージ:17本(311.36km)/総走行距離:1023.70km
■ステージ路面:グラベル

  

今シーズンのWRCで最後のヨーロッパ圏外でのラウンドとなる第10戦ラリー・オーストラリアが開催され、フォルクスワーゲン・モータースポーツのセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)がこれを制して今季7勝目をマーク。これによりオジェは、この先にまだ3戦を残す段階で3年連続・3度目のWRCチャンピオン獲得を決めました。同時に、オジェとコンビを組むジュリアン・イングラシアのコ・ドライバーズチャンピオン獲得、ならびにフォルクスワーゲンのマニュファクチャラーズタイトル3連覇も決定しました。

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2位以上でのフィニッシュ、あるいは3位フィニッシュ&最終ステージ(パワーステージ)制覇によるボーナスポイント3点獲得という結果を得られれば自力でのタイトル決定を果たせる......そうした状況でオジェは今大会に臨んでいました。

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ただし、このラリー・オーストラリアのグラベルステージは柔らかなダストが表面に堆積した状態の路面が多く、ドライコンディションのもとでの開催となった場合、各ステージを真っ先に走るドライバーは乾いたダストにトラクションを奪われて後から走るライバルたちより断然前に進みにくい状態での走行を強いられます。

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また、今年のWRCでは、そのラリーをポイントランキングトップで迎えたドライバーがオープニングからデイ2の最後までのすべてのスペシャルステージを原則的に1番手でスタートしなければならないというルールになっています。そして今年のラリー・オーストラリアは完全なドライコンディションのもとでの開催となりました。

そんな今大会をポイントランキングトップで迎えたのがオジェでした。彼は今シーズンこれまでのグラベルラリーの中でも最も過酷と言える条件での砂利掻き役を延々強いられることになり、やはりと言うべきか、デイ1午前の4本のステージを終えたところでは6位という不本意なポジションに沈んでしまっていたのでした。

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しかし、午前に走行した各ステージを再走する午後に入ると様相が変わります。路面上の柔らかなダストは午前の一走目で吹き飛ばされており、1番手スタートのハンデはなくなったのでした。事実、オジェはここで着実な追い上げを果たし、この日最後のSS8では今大会で初めてのトップタイムをマーク。首位にはチームメイトのヤリ‐マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン)が立っていましたが、彼に遅れること4.6秒の3位につけてオジェはデイ1を乗り切ったのでした。

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明くるデイ2の午前も再び砂利掻き役を余儀なくされたオジェでしたが、彼はここでのタイムロスを最小限に抑えて切り抜けてみせました。そして、路面掃除の役割から解放されたこの日の午後のステージ2本では連続ベストをマーク。0.3秒差ながらも一躍首位に躍り出てラリー最終日のデイ3を迎えました。

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つまり、デイ3の前半におけるオジェはまたしても1番手走者となり、路面の掃除役を引き受けたのでした。それにもかかわらず彼はここでの3本のステージすべてでトップタイムを叩き出し、追いすがるチームメイトを引き離していきました。

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さらにオジェは、ダストの掃けた路面での走行となったデイ3後半の2本のステージをいずれも制覇。最終的には、デイ2半ばのSS11から7ステージ連続でトップタイムを奪うという王者にふさわしいパフォーマンスを見せて快勝。今シーズン7度目の勝利を飾り、文句なしの内容と結果で3年連続・3度目となるWRCチャンピオン獲得を決定しました。

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2位にはラトバラが入り、フォルクスワーゲンは今シーズン6度目の1-2フィニッシュを達成。そして、このドイツの自動車メーカーはWRC参戦を開始した2013年から土つかずの3年連続・3度目となるマニュファクチャラーズタイトル獲得を決めました。

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3位にはシトロエン・レーシングのクリス・ミーク(シトロエンDS3 WRC)が入りました。ミークは、トップタイムを奪ったステージこそ1本にとどまりましたが、ラリー序盤からコンスタントに上位タイムを並べ、ただひとりフォルクスワーゲン勢と互角に戦い続けました。

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そうした中、マニュファクチャラー選手権においてヒュンダイとランキング2位を熾烈に争っているシトロエンは、確実に上位で走り切って高ポイントを稼ぐようチームのドライバーに対して指示。これに応えてミークは最終日のデイ3では安全マージンを確保したドライビングに切り替え、狙いどおりに3位でゴール。結果的に、キャリア初優勝を飾った第4戦ラリー・アルゼンチン以来となる今シーズン2度目の表彰台に上りました。

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また、今大会ではヒュンダイ勢が上位争いを大いにかき回しました。デイ1前半では、先に走行するポイントランキング上位陣が路面のダストに悩まされていた中、ダニエル・ソルド(ヒュンダイ i20 WRC)が3ステージ連続でトップタイムをマークするという華々しい活躍を見せました。

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その後、ソルドはトラブルに見舞われて後退していきましたが、デイ2前半では今度はヘイデン・パッドン(ヒュンダイ i20 WRC)が50.80kmのロングステージ「Nambucca」を含めた2本のステージで最速タイムを記録。今大会の開催国オーストラリアの隣国ニュージーランド出身であるパッドンは最終的には5位でフィニッシュし、観客からひときわ大きな声援を受けていました。

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2015年WRC(FIA世界ラリー選手権)第10戦ラリー・オーストラリア

[最終結果]

  1. セバスチャン・オジェ(フランス) フォルクスワーゲン・ポロR WRC
  2. ヤリ‐マティ・ラトバラ(フィンランド) フォルクスワーゲン・ポロR WRC
  3. クリス・ミーク(イギリス) シトロエン DS3 WRC
  4. アンドレアス・ミケルセン(ノルウェー) フォルクスワーゲン・ポロR WRC
  5. ヘイデン・パッドン(ニュージーランド) ヒュンダイ i20 WRC
  6. オット・タナク(エストニア) フォード・フィエスタRS WRC
  7. ティエリー・ヌービル(ベルギー) ヒュンダイ i20 WRC
  8. ダニエル・ソルド(スペイン) ヒュンダイ i20 WRC
  9. エルフィン・エバンス(イギリス) フォード・フィエスタRS WRC
  10. ナッサー・アル‐アティヤ(カタール)(WRC2優勝) フォード・フィエスタRRC