【2015】

2015年9月26日

7年ぶりのWRC開催となる「ツール・ド・コルス」に新型「ミシュラン パイロットスポーツ H5」/「S5」が挑む

2015年WRC(FIA世界ラリー選手権)第11戦ラリー・ド・フランス プレビュー

WRCのフランス大会が7年ぶりに地中海に浮かぶコルシカ島で開催されます。そのラリーの固有の名は「ツール・ド・コルス」。この伝統の一戦にミシュランは、先のラリー・ドイツでデビューさせた新型アスファルト用WRC公式タイヤ「ミシュラン パイロットスポーツ H5」(ハードコンパウンド)および「ミシュラン パイロットスポーツ S5」(ソフトコンパウンド)を投入。数々の名勝負が繰り広げられてきた島での久々のWRCイベントに挑みます。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_01.jpg※写真は2014年ERCツール・ド・コルス

  

  

開催地/ルート

■スタート:10月2日(金)/フィニッシュ:10月4日(日)

■スペシャルステージ:9本(332.73km)/総走行距離:984.68km

  

WRCのフランス大会はシリーズがスタートした1973年から2008年までナポレオンの生誕地として知られるコルシカ島で開催されましたが、2010年大会から昨年大会までは前人未到の9年連続チャンピオンに輝いたセバスチャン・ローブの出身地であるアルザス地方で行われてきました。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_02.jpg※写真は2014年WRCラリー・ド・フランス

  

ローブは2012年をもってWRCのレギュラードライバーを引退。それを機に、WRCフランス大会の開催地がコルシカ島に戻ることを望む声がどんどん高まってきました。そして、2009年以降はIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)およびERC(ヨーロッパ・ラリー選手権)の一戦として開催されてきたツール・ド・コルスが、今年、7年ぶりにWRCカレンダーに返り咲いたのでした。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_03.jpg※写真は2014年ERCツール・ド・コルス

  

久々にツール・ド・コルスをWRCイベントとして開催するにあたって、主催者はスペシャルステージの構成を実に意欲的なものとしてきました。3日間のラリーで実施されるステージはたったの9本。連日3本ずつしかタイムトライアルが行われないのです。

もっとも、トータルのステージ距離はWRCイベントとしては標準的なものが確保されています。つまり、1本1本のステージの距離が長く、計9本のうちの8本は長さが30km以上のロングステージばかりという設定となっているのです。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_04.jpg※写真は2014年ERCツール・ド・コルス

  

なお、4大ワークスチームのドライバーで、2008年以前のツール・ド・コルスにワールドラリーカーで出場した経験を持つドライバーは、フォルクスワーゲンのヤリ‐マティ・ラトバラとヒュンダイのダニエル・ソルドの2人だけ。その彼らにしても各スペシャルステージのペースノートは今回イチから作り直さなければならず、どのドライバー&コ・ドライバーのコンビも、2回のレッキ(コースの事前試走)でいかに高い精度のノートを作り上げることができるかが問われることになります。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_05.jpg※写真は2014年ERCツール・ド・コルス

  

ちなみに、ERCとして開催された昨年のツール・ド・コルスを制したのは、フォード・フィエスタRRCで出場したステファン・サラザンでした。彼はそもそもはサーキットレースを主戦場とするドライバーで、昨年も今年もWEC(FIA世界耐久選手権)のトップカテゴリーであるLMP1クラスにトヨタ TS040ハイブリッドでフル参戦しています。その一方で彼は優れたラリードライバーでもあり、2004年にはフランス・ラリー選手権でチャンピオンを獲得、2005〜2006年はスバルにワークスドライバーとして起用されてWRCに参戦していたという経歴の持ち主なのです。そのサラザンは今大会にワールドラリーカーのフォード・フィエスタRS WRCでスポット参戦することになっており、彼がレギュラードライバーたちを相手にどこまで戦ってくるかも今大会の注目どころのひとつです。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_06.jpg※写真は2014年ERCツール・ド・コルス

  

  

  

路面/タイヤ

■ステージ路面:アスファルト/コンクリート

■ワールドラリーカー用ミシュランWRC公式タイヤ:

  • ミシュラン パイロットスポーツ H5(ハードコンパウンド)
  • ミシュラン パイロットスポーツ S5(ソフトコンパウンド)

(以上、サイズ:235/40R18)

■ラリー中に使用できるタイヤ本数の上限:30本

  

ツール・ド・コルスのスペシャルステージの大半はコルシカ島の山岳路に設けられます。とにかく曲がりくねっていて、直線らしい直線はほとんどありません。また、路面はすべて舗装ですが、概して荒れ気味でバンピー。つまり、加減速による縦方向の負荷とコーナリングによる横方向の負荷、そして上下動による垂直方向の負荷が絶えずかかり、さらに路面そのものが荒れ気味であることから、タイヤが非常に過酷な条件にさらされるラリーなのです。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_07.jpg※写真は2014年ERCツール・ド・コルス

  

おまけに、スペシャルステージの数を絞ったことと引き換えにロングステージばかりとした今大会の構成もタイヤに厳しい使用条件を課します。特に試練となりそうなのはデイ1とデイ2の双方で実施される43.69kmの「Casamozza- Ponte Leccia」と36.43kmの「Francardo - Sermano」の2本のロングステージを立て続けにこなすセクションです。合計80.12kmとなるタフなステージを車両装着4本+2本までの車載スペアでこなさなければならず、タイヤの限界性能が問われる局面になると見込まれます。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_08.jpg※写真は2014年ERCツール・ド・コルス

  

WRCに返り咲いたこのツール・ド・コルスにミシュランは、先のラリー・ドイツで初投入し、今大会がデビュー2戦目となる「ミシュラン パイロットスポーツ H5」(ハードコンパウンド)および「ミシュラン パイロットスポーツ S5」(ソフトコンパウンド)をパートナーチームの各ワールドラリーカーに供給します。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_09.jpg※写真は2015年WRCラリー・ドイツ

  

この新型アスファルト用WRC公式タイヤは、前作の「ミシュラン パイロットスポーツ H4」/「S4」で大幅に高めたウェット性能を落とすことなく、ドライコンディションにおけるパフォーマンスとグリップ感覚をさらに高めることに主眼を置いてミシュランが開発したものです。縦のグルーブラインによって分けられたトレッド接地面の横幅の変更などによってトレッドの強度が引き上げられたこのタイヤは、初陣であったラリー・ドイツでは開発陣が狙ったとおりのパフォーマンスを発揮しており、ドイツより各段にタイヤに厳しいコルシカでの戦いにもミシュランは自信を持って投入します。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_10.jpg※写真は2015年WRCラリー・ドイツ

  

今回のツール・ド・コルスにおけるプライマリータイヤ(主タイヤ)はハードコンパウンドの「ミシュラン パイロットスポーツ H5」で、ミシュラン・パートナーチームのワールドラリーカー各車に30本ずつ用意。また、オプションタイヤ(別案タイヤ)としてソフトコンパウンドの「ミシュラン パイロットスポーツ S5」も24本ずつ用意します。つまりワールドラリーカー各車にはトータルで54本のタイヤが用意されることになりますが、各車両のドライバー&コ・ドライバー自らの戦略を踏まえて「H5」と「S5」の配分を考え、ラリー本番において使用できる30本のタイヤを競技開始前に選ぶことになります。

MICHELIN_2015_WRC_11_France_preview_11.jpg※写真は2014年WRCラリー・ド・フランス