【2015】

2015年10月21日

人、クルマ、そしてタイヤの総合性能が問われるシーズン唯一のミックスサーフェイスイベント

2015年WRC(FIA世界ラリー選手権)第12戦ラリー・スペイン プレビュー

「ラリー・カタルニア」の名で知られるWRCのスペイン大会では、未舗装のグラベル路におけるスペシャルステージとアスファルト舗装のステージの双方がひとつのラリーの中で実施されます。こうしたミックスサーフェイスイベントとして開催されるラリーは、今シーズンのWRCでは今大会のみ。この特殊な一戦にミシュランは、グラベル用の「ミシュラン LTXフォース H4」/「S4」とアスファルト用の「ミシュラン パイロットスポーツ H5」/「S5」の双方を用意し、各パートナーチームの戦いを支えます。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_01.jpg※写真は2014年大会

  

  

開催地/ルート

■スタート:10月22日(木)/フィニッシュ:10月25日(日)

■スペシャルステージ:23本(331.25km)/総走行距離:1280.72km

  

「ラリー・カタルニア」は今年で51回目の開催を迎える歴史あるイベントです。長年にわたって、すべてのスペシャルステージが舗装路に設けられるラリーとして行われてきましたが、2011年大会からはアスファルト舗装のステージと未舗装のグラベルステージの双方をこなすミックスサーフェイスイベントとして開催されています。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_02.jpg※写真は2014年大会

  

今大会は、10月22日(木)の夕方に大都市バルセロナのど真ん中で行われる3.20kmのスーパースペシャルステージで幕を開けます。その舞台は、教会や美術館、オリンピックスタジアムなどが点在するモンジュイックの丘。かつてはF1のスペインGPや二輪のバルセロナ24時間耐久レースなどが開催されたストリートサーキットを現代に蘇らせた形のコースを使用するもので、ここを今大会の出場車両各車はグラベル仕様のサスペンションとタイヤでアタックします。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_03.jpg※写真は2014年大会

  

バルセロナ・スーパーSSを終えた各車は、高速道路を使いながら100km強のリエゾン(移動区間)を走行してタラゴナ県のサロウという街に移動。10月22日(木)の晩のうちに、海沿いにあるリゾートエリアに設けられたサービスパークに入ります。そして明くる23日(金)は8本、計128.60kmのスペシャルステージにアタック。基本的にはすべてグラベルステージとなります。ただし、SS5とSS9として行われる35.68kmの「Terra Alta」には途中にアスファルト舗装の区間が2カ所あり、各エントラントは路面条件の大きな変化に何度も対応する必要に迫られます。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_04.jpg※写真は2014年大会

  

23日(金)の全ステージを乗り切った各車は、この日の最終サービスにおいて舗装路仕様からグラベル仕様への変更作業を受けます。フォルクスワーゲン・ポロR WRCの場合、サスペンションやLSD(リミテッド・スリップ・デフ)など計13のコンポーネントをここで換装します。大掛かりな作業が必要になるため、通常のデイ1やデイ2の最終サービスは60分間とされているところ、今回は特別に75分間のサービス時間が確保されています。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_05.jpg※写真は2014年大会

  

続く24日(土)と25日(日)の2日間はアスファルト舗装のスペシャルステージばかりが計14本実施されます。25日(日)にSS20と最終のSS25として実施されるステージ「Duesaigües」にはラウンドアバウト(環状交差点)をあえて2周させる設定の箇所があり、ワールドラリーカーであれば4輪をパワースライドさせる派手なドーナッツターンを見ることができるポイントとなります。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_06.jpg※写真は2014年大会

  

  

  

路面/タイヤ

■ステージ路面:グラベル/アスファルト

■ワールドラリーカー用ミシュランWRC公式タイヤ:

  • ミシュラン LTXフォース H4(ハードコンパウンド)
  • ミシュラン LTXフォース S4(ソフトコンパウンド)

(以上、サイズ:205/65R15)

  • ミシュラン パイロットスポーツ H5(ハードコンパウンド)
  • ミシュラン パイロットスポーツ S5(ソフトコンパウンド)

(以上、サイズ:235/40R18)

■ラリー中に使用できるタイヤ本数の上限:

SS1〜SS9 グラベル用タイヤ 12本

SS10〜SS23 アスファルト用タイヤ 16本

  

10月23日(金)のデイ1で行われる8本のスペシャルステージの路面は、赤っぽい土に角の尖った石が混じるグラベルが大半。ドライコンディションであればタイヤの摩耗は早く進みがちです。また、ラリーカーが1台走行するたびに猛烈な土埃が舞い上がるのが常。昨年大会では、2番手以降の出走順であったドライバーたちはことごとく視界不良に苦しめられ、1番手スタートだったセバスチャン・オジェが路面の掃除役を強いられながらもただひとりクリアな視界を得ることができたことで大きなリードを築くという事態が生じています。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_07.jpg※写真は2014年大会

  

一方、24日(土)と25日(日)の2日間に行われる計14本の舗装路ステージは、タイヤに高いコーナリングフォースを発生させて旋回する中速コーナーが多く、アベレージスピードも高め。アスファルト路面は概してスムーズながら、タイヤへの攻撃性は高いものがあります。また、最短距離を走るために道路の内側の未舗装部分にまでイン側のタイヤを落としていく「イン・カット」が可能な場所が多く、そのためホイールリムやタイヤのサイドウォールにダメージを負ってしまうリスクもはらんでいます。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_08.jpg※写真は2014年大会

  

舗装路で行われるバルセロナでのオープニングステージと23日(金)の8本のグラベルステージにおいて使用できるタイヤの数は12本まで。これに対してミシュランがパートナーチームの各ワールドラリーカーに用意するのは、グラベル用WRC公式タイヤ「ミシュラン LTXフォース」のハードコンパウンド「H4」が12本と、ソフトコンパウンドの「S4」が8本です。その中から各車のクルーは実際に使用できる12本のタイヤのコンパウンドの配分を任意に決定します。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_09.jpg※写真は2015年ラリー・オーストラリア

  

同様に、24日(土)と25日(日)に行われる14本の舗装路ステージに向けては、アスファルト用WRC公式タイヤ「ミシュラン・パイロット スポーツ」のハードコンパウンド「H5」を16本、ソフトコンパウンド「S5」を12本、合計28本を用意します。その中から、この2日間で実際に使用できる16本を選ぶことになります。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_10.jpg※写真は2014年大会

  

未舗装路と舗装路というまったくタイプの異なる路面をひとつのラリーの中でこなすミックスサーフェイスイベント。これを制するには、ドライバー&コ・ドライバー、マシン、タイヤといったすべての要素のトータルパフォーマンスが高くなければならず、まさに底力が問われる一戦として注目されます。

なお今大会では、激しい雨が降り、WRCを統括するFIA(国際自動車連盟)がそれを認可した場合に限って、各チームはタイヤのトレッドパターンに手作業によりグルーブ(溝)を追加する、いわゆる「ハンドカット」を行うことができることになっています。ただし、ワールドラリーカー、グループR5車両、スーパー2000車両の場合、ハンドカットできるタイヤはソフトコンパウンドに限られます。

MICHELIN_2015_WRC_12_Spain_preview_11.jpg※写真は2014年大会