ミシュランの技術 TECHNOLOGY

知られざる、技術の塊がある。

今や交通の世界で無くてはならない存在のタイヤ。その誕生は1世紀以上も前にさかのぼり、タイヤが無くては移動の自由も、クルマの進化も実現できません。これほどの重要性を持っているにも関わらず、その技術的側面は高度でありながら見過ごされがちです。タイヤは常に進化を続けている工業製品であり、工学・物理・化学といった高度なテクノロジーの結晶です。そしてそのテクノロジーには、技術者として取り組むべき未知のテーマ隠されているのです。

  • 数学・物理系
  • 化学系
  • 機械工学系
  • 電気・電子系
  • 情報システム系

200種類以上の素材から、最適解を選びぬく。

  • 化学系

タイヤの素材はゴムだけでなく、カーボンブラックやシリカといった補強素材、分子同士を結合するイオウをはじめとした薬品など、実に多種多様な素材が使われています。それらの性能を最大限に引き出せるかどうか、それはエンジニアの腕にかかっています。

ありえないゴムを開発せよ。

  • 化学系

相反する物理現象を実現する素材の研究を進行中。今までにない新たなゴム素材の開発には、今までにない発想が必要となっています。

パラゴムの木のプランテーション樹液(ラテックス)を採取しているところ

ゴム以外の素材にも、バイオ、ナノテクを。

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  • 化学系

タイヤの性能を今以上に引き出すには、ゴムだけではなく新たな素材の開発が必要です。鉄よりも軽量で、変わらぬ強度と加工性を持つ素材。さらにそれ以上の性能を引き出せる素材など、新素材を開発することは私たち技術者の永遠のテーマです。

タイヤは部位ごとに異なる構造が採用されている。開発テーマも実は幅広い。

摩耗しない、熱を生まない。

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空気圧の不足したタイヤに、コーナーで強力な横方向の力がかかったところ。

タイヤは走行する事で路面と接触し、わずかな変形を何万回と繰り返します。タイヤの耐久性を上げることは、エコロジーの観点からも重要な意味を持っています。転がり抵抗を抑えつつ、路面へのグリップ力を維持するには?耐久性の向上は、素材への追求はもちろん、その構造についても深く追求することが必要です。

軽く、薄く、強度はそのままに。

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1本のタイヤに使われている5kgの素材を4kgに抑えられれば、同じ素材を使ってより多くのタイヤを生産できます。それにより、タイヤの回転による変形が抑えられ、熱が少なくなり転がり抵抗も減少します。これもエコロジーの一つの方法なのです。同じ素材を使って同じ性能を維持するには、強度を保つための構造設計が必要です。これを実現するのが、物理をはじめとするスペシャリスト達です。

ベストバランスを、その手で探る。

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  • 機械工学系

タイヤの転がり抵抗を抑えると、燃費が向上する半面グリップ力が低くなる。材料を減らすと無駄な遠心力も低くなるが、強度も低くなる。タイヤを開発する事は、常にベストなバランスを探る相反する性能とのせめぎ合いであり、そのカギを握るのは、物理現象のエキスパートによる活躍なのです。

クルマと一体化する要件とは?

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  • 電気・電子系

どんなに高性能のクルマでも、装着するタイヤとマッチしなければ本当のタイヤの性能は発揮されません。究極のタイヤを作るには、タイヤだけではなくクルマのへの深い技術的な知識が不可欠です。

独立懸架式により自由な動きが可能で、タイヤと車体の関係が適切になる。

水に打ち勝つデザインを。

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  • 機械工学系

路面の水はタイヤのグリップにとって永遠の課題です。路面上の水を素早く排水する秘訣は、美しい幾何学模様のトレッドパターンにあります。時速100kmであれば、数千分の1秒の間にいかに効率よくタイヤの接地面から排水するのか?水の持つ物理特性の研究はもちろん、その技術は流体力学の範囲にも及びます。

キーワードは、「快適環境」

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常に路面と接触・摩擦を繰り返すタイヤにとって、「静粛性」は快適な居住性にもつながる重要な技術テーマのひとつです。タイヤ全体の音量を下げるだけではとどまらず、人間に対して耳触りにならない音質を実現するため、構造を考慮した設計を行っています。タイヤ設計は、人間工学の観点でも重要な役割を担っています。

品質を守るのは、広範な技術知識の結晶だ。

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製品の出荷は、全体で数百に及ぶチェック項目を経ており、設計時の安全性のチェックだけでも100以上の項目が存在します。新しい技術には常にリスクが伴い、性能は勿論、品質や安全面などをミシュランの名にふさわしいクオリティーまで高めるには厳しいチェックが必要であり、それには化学や工学をはじめとしたあらゆる技術知識が必要です。

圧力、負荷、スピード、スリップアングル等々。最適な動きをするタイヤが完成するまでには、あらゆる要素が検証される。

プロの仕事を、より簡単に、正確に。

  • 情報システム系

短い開発期間でより効率的かつ高性能な製品を作りだすには、シミュレーションソフトの開発や改良が必須です。特定の物理現象を具体的に再現するソフトや材料のシミュレーションソフトなど、ソフトウェア開発者の活躍の場も、着実に広がってきています。

グリップ、ハンドリング、摩擦現象にとって重要な設置面の圧力分布図。この図では、まるで路面が透明になったように、下からみた設置圧の分布がしめされている。圧力が高い部分は濃い青。

最後に性能を決めるのは、エンジニアの感性。

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自分の描いた設計通りの性能が実現できているのか?ミシュランでは、エンジニア自らが自身の設計に対して専門家と共に確認を行い、テストコースや実際の路面上で細やかなチューンアップを行っています。さまざまな理論や技術を積み重ねた最新のタイヤは、エンジニアの感性によって最終的な性能が決定されるのです。

ミシュランの研究開発センター(仏)